箱根駅伝を振り返る
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ムサベン代表T.KATOH
2021年01月05日 23:23 visibility260
あけましておめでとうございます。
ちょっとブログの更新が遅れたのは訳がありまして…。
1月1日は父の墓参りと母の実家の墓参りを。
2日3日は年に1度のメインイベント、箱根駅伝をテレビ観戦しておりました。
私は毎回箱根駅伝はステイホームでテレビ観戦でしたが、TwitterのFFさんの中には毎年観戦に行くのをあきらめたという方もいらっしゃいました。
じゃあ箱根駅伝が終わったらブログを書けばいいじゃん、と思われるでしょうし、自分も思いましたが、
4日は身動きが取れませんでした。
その理由は…
13年ぶりの総合優勝の余韻に浸っていたから
です。
私は小学校4年生の時の第72回箱根駅伝での1区で藤田敦史という当時は無名の選手がとてつもない走りをしていたのを見て心を奪われ、藤田選手や駒澤大学のファンになりました。
第76回の初優勝、第77回の復路10区の逆転負け、第78回から第81回までの4連覇、そして、第84回の優勝。
特に第84回の優勝に関しては4年生が私と同学年ということもあり、一番印象に強く残っております。
そして、第85回の「箱根駅伝史上初のディフェンディングチャンピオンが完走してシード落ち」を目の当たりにしました。そこからの復活の道を見守り続け、今年の箱根駅伝を観戦しました。
1区は4年生加藤から1年生白鳥に当日変更になりました。
4年生加藤は全日本で1区を走り、優勝に貢献した走りを見せたエース級のランナーでしたが、当日変更で出走できなくなりました。アクシデントと思われましたが、どうも予定通りの変更だったようです。
この白鳥、埼玉栄高校2年の時に「全国高校駅伝(都大路)1区区間賞」というとんでもないランナーです。
その白鳥、スローペースに助けられましたが、六郷橋の南詰あたりから先頭集団から零れ落ち、15位でタスキリレーをすることになりました。
2区は全日本8区で驚異的な逆転劇を果たし、前回の箱根では3区区間3位とはいえ従来の区間記録を上回る走りをした駒澤のエース田澤。
田澤本人は自分の適性を考えたら上りベースの2区より3区を走りたいということを戦前に話しましたが、
大八木監督はそれを許さず(笑)
ただ、12月に10000m27分台で走ったという疲労もあったのでしょうが、田澤の力量から考えれば不甲斐ない走りをしてしまいました(とはいえ従来の駒大記録は更新していますが…)。ただ、それでも順位を上げ、8位でタスキリレーをしました。
これは個人的な思いですが、2区はやはりそのチームの真のエースが走らないと最終的には勝てないと感じます。今回の駒大優勝は2区に田澤を持ってきた、これは優勝した理由の一つだと思っております。
3区は10000m28分20秒という好タイムをたたき出してエントリーされた1年生青柿でしたが、当日変更で4年生小林が出走します。結果的にこの小林が4年生唯一の出走となりました。
この小林、出走してすぐにきつい表情をしてしまいます。
駒大ファンではない人「この小林、キツそうだなぁ、大丈夫なの?」
駒大ファンの人「ははは、相変わらずキツそうな顔してるなぁwww」
結果、区間2位で順位も3位に上げました。4年生唯一の出走、走れなかった4年生の分までキッチリ走った見事なランナーでした。
4区は全日本でも優勝への空気に換えた2年生の酒井。箱根初出場で準エース区間の4区を任されるという期待されたランナーです。順位は1つ上げましたが区間11位と前を行く創価大とはタイム差を広げてしまいました。
5区は2年生円(つぶら)でしたが、当日変更で1年生鈴木芽吹に。この鈴木、出身は熱海で高校は長野の佐久長聖高校。佐久長聖高校ではエースとして都大路の1区を任されておりました。野球で例えるとドラフト1位ルーキーです。見てくれも良いので人呼んで「熱海の貴公子」。最初は単独走でしたが、後ろから迫る区間記録保持者の東洋の宮下選手に追いつかれた後はほとんど並走する形になり、山への適性が非常に高いということが証明されました。残念ながら宮下選手にはラストで抜かれ、往路3位という結果に終わりました。
往路優勝の創価大とは2分21秒差。逆転は可能な範囲ではありますが、ちょっと厳しいかなという部分も無きにしも非ず、というタイム差になりました。
そして日付が変わって復路。
6区は3年生花崎です。
彼は富山商業高校2年の時に競歩でインターハイに出場するという選手でした。
ただ、もともと長距離走の選手でしたので、駒澤大学には長距離走の選手として入学しています。
入学時に彼は「山を走りたい」「人が嫌がる区間を走りたい」ということを言及しておりました(出典はコマスポ)。快調に走り、国道1号最高地点までの山上り区間を軽やかに走って前を行く東洋大を追い抜いていきます。
とんでもなかったのは最高地点以降でした。
先ほどの山上り区間の軽やかさというよりも、
山下り区間は力強く、しかし疾風のように、そしてまさに飛んでいくような、
そんな走りをしていたのです。
箱根湯本駅のあたりから運営管理車が合流し、大八木監督から
「区間賞いけるぞ、57分台は確実だ!頑張れば新記録が出るぞ!!頑張れ!男だろ!」
との声が聞こえてきます。
区間記録の更新はなりませんでしたが、4年生以外で初の57分台という記録を達成し、見事区間賞を獲得し、タスキリレーをしました。1分以上創価大とのタイムを縮めました。
7区は1年生の花尾。
1区白鳥、5区鈴木、7区花尾は野球でいえばドラフト1位級のルーキーです。
区間4位で1年生の走りとしては上出来ですが、先頭の創価大とは離されました。
8区は4年生伊東でしたが、3年生佃康平に。
池井戸潤作品に出てきた佃航平と一字違いで読みが同じということで少し盛り上がりましたw
平地で淡々とペースを刻み、遊行寺坂等の上り坂は平地と見間違うほどの走りで先頭の創価大との差を縮めます。
9区は2年生の山野。箱根は初出場ですが、非常に期待されており、復路のエース区間を任されましたが、
区間6位と好走しましたが、創価大との差を3分19秒とされてしまいました。
ぼく「さすがにもうダメかもしれない」
と思いましたが、もう一度録画を確かめますが、タスキリレーの瞬間、確かに聞こえました。
大八木監督「総合優勝行けるぞ!」
その10区はもともと4年生のキャプテン神戸がエントリーされていましたが、前回大会10区を走った3年生石川に当日変更されました。
その石川に対し、そう声掛けをしたように思いました。
私はTwitterで「大八木監督はまだ諦めていない」とつぶやきました。
先頭の創価大の10区の様子がおかしい。そして、石川の走りは快調。
ある1kmで創価大10区の選手は3分20秒かかり、石川は2分50秒。つまり、この1kmで30秒も詰めているのです。
ぼく「これはあるかもしれない」
1号車からの映像でみるみるうちに石川の姿が見え、
ついに並ぶ。
そして、抜いた。
大八木監督「やったね。やったな。お前は男だ!!」
石川はその言葉を聴くや否や、拳を高々と上げ、さらにゴールテープまでの道のりを加速していきました。
ゴールテープを切った瞬間、主将である神戸がタオルを持って飛びついてきました。
神戸主将はこの一年でドラスティックな改革をしました。
もともと駒大の1年生は雑用をやったり、風呂や洗濯の時間が決められていたりと、上級生に比べて制約のある生活でしたが、その1年生特有の制約をなくし、1年生も大事な戦力だとして1年生の練習する時間を確保したということがありました。
その結果が、1年生の戦力が充実し、上級生たちがその1年生に刺激を受け、チーム全体が好循環をしだしたということになりました。
神戸主将は都立松が谷高校出身で、私は都立高校出身ということもあり、都立出身者は特に肩入れしてしまうのですが、彼は、駒大で走ることを夢見て、一般の推薦入試で仏教学部に入って、たたき上げで全日本や箱根9区を出走したりと駒大のレギュラーに上り詰めました。今回、箱根駅伝の出走メンバーから漏れてしまったのですが、そのキャプテンシーがあったからこそ、箱根駅伝の総合優勝をもたらしたといっても過言ではないと思います。
来年度から主将は新3年生のスーパーエース田澤、副主将は箱根9区出走の同じく新3年生の山野という役員が発表されました。令和初の4連覇を目指し、頑張ってもらいたいと思います。
- 事務局に通報しました。
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