久留米藩藩校 中学明善 (明善高校)

  • Mr.black
    2014年03月27日 12:50 visibility2948

愛知遠征の2日後、正反対の西側へ移動しました。

行先は福岡県小郡(おごおり)市。そこには「小郡球場」があり、高校野球春季福岡南部大会が行われていたのです。(福岡は最初は南北に分かれて戦います。)

この日の第一試合は「明善ー八女(やめ)工業」戦。

 

 

1塁側:明善高校。今回遠征の最大の目的でした。

久留米藩の藩校が起源。1879年(明治12年)創立。130年以上の歴史を持つ屈指の伝統校です。校章・校旗には久留米藩主有馬家の家紋「篠竜胆(ささりんどう)」がデザインされています。

現在の夏の選手権の前身「全国中等学校優勝野球大会」の第2回と第4回大会の2度九州代表になっています。当時の校名は「中学明善」。

「明善中学」でなく「中学明善」という校名は珍しいですね。

 

 

ユニフォームは白。帽子は白黒のツートン。アンダーは黒。ストッキングは黒白ツートン。そして白い部分にはエンジの2本ライン入り。これはおそらく全国大会2回出場を表しているのでしょう。

胸マークは「MEIZEN」。帽子は飾り文字で「M」。

 

(なお、同校のHPには帽子・アンダー・ストッキングがブルー、胸マークが漢字縦書きで「明善」となっている写真もありました。どこかでモデルチェンジしたのかもしれません。)

 

 

3塁側:八女工業。こちらも1920年(大正9年)創立という古い歴史を誇る県内有数の工業高校だそうです。

 

野球と関係ありませんが、ここのOBには競輪の中野浩一氏や俳優の故・坂口祐三郎氏がいます。坂口氏は若い世代の人は知らないでしょうが、昔のTVドラマ「仮面の忍者赤影」で主人公・赤影を演じた俳優さんです。子供の頃憧れたヒーローだったのでその方の母校の試合に当たったのは個人的な喜びがありました。

 

八女工業は写真では白っぽいですが、実際には濃いめのアイボリーユニ。

帽子・アンダーは紺。ストッキングは紺地にオレンジの2本ライン入り。

胸マークは「YAMEKO」。帽子は「Y」。

 

 

試合は両投手のテンポが良く、ストライク先行でサクサク進みました。

前回の刈谷球場の試合が四死球が多くて荒れたのと対照的。やはり高校野球では投手の制球力は重要ですね。先手を取ったのは明善。4回表に1点を先制しました。

 

 

中盤6回裏、八女工業が2-1と逆転。そのまま逃げ切るかと思われました。

 

 

しかし明善は8回表に反撃。ランナーが2人出塁しました。

ピンチで伝令が出た八女工。

 

 

ここで起死回生の一打が出ました。4番の走者一掃のタイムリー3ベースが出て一気に3-2と明善が逆転。写真は勝ち越しランナーの生還場面。

(明善のヘルメットは黒。あるいは濃紺。既述のユニフォームの色も「黒」と書きましたが、「黒っぽい濃紺」だったのかは判別しませんでした。)

 

 

 

さらに9回表にダメ押しの1点が入り、結果的に4-2で明善の勝利。

遥々応援に駆け付けた甲斐がありました。

 

 

夏の第2回大会は敗者復活戦が導入されており、1回戦で広島商業、敗者復活戦で鳥取中(現:鳥取西高)に敗れ、1大会2敗を喫するという珍しい記録を残した明善。

そして捲土重来を期した第4回大会は組み合わせ抽選が終わった後に米騒動で中止。

「中学明善」時代の不完全燃焼のまま全国大会から遠ざかっている明善高校。

 

その勇姿を再び全国に見せる時が訪れるでしょうか?

いつか捲土重来の時期が来ることを祈っています。

 

ちなみに幻に終わった第4回大会の明善の対戦相手は和歌山中(現:桐蔭高校)だったそうです。和歌山桐蔭の復活も合わせて祈っています。

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