まさかのトルネード

  • Mr.black
    2016年06月21日 13:23 visibility820

先日観戦したBCリーグの「新潟ー武蔵戦」の終盤、一人の投手がマウンドに上がりました。

名前は「高井俊(すぐる)」。背番号23。東北高校卒(ただし出身地は新潟県見附市)の20歳の若い投手でした。

この投手、初めて見たのですが驚きました。投球モーションが野茂英雄氏にそっくりだったからです。高校野球で若干名この投法を見ましたが、独立リーグでは初めてでした。

 

 

 

 

 

この日投げた投手の中では一番速かったです。常時140km台が出ていました。

 

ただ・・・この投法には難点があるのです。

動作が大きいのと、一度キャッチャーから目を切るのでコントロールが定まりにくい、というのは想像つくと思いますが、それ以外にもう一点。

 

セットポジションの時を除けば投球のリズムがワンパターンになりやすいということです。これだけ大きな動きなので同じリズムにしないと身体が不安定になって余計に制球が定まらない傾向が強くなります。

 

制球を安定させるために同じリズムにすると・・・・・もうお分かりですね。打者がタイミングを取りやすくなるわけです。

実際、高井投手はそれまでに投げたどの投手よりも速かったのにストライクゾーンに行ったらことごとくバットに当てられ、なかなか空振りが取れませんでした。つまり追い込みはするもののなかなか打ち取れないのです。

「一、二の三!」みたいな感じでタイミングを取られているのでは?と思いました。試しにこの写真ですが、実は掲載した物以外にいっぱい撮りました。その時、振りかぶってから頭の中でカウントを取ってシャッターを押したら全部同じ写真になりました。

だからといって打者のタイミングをずらせようと下手にモーションのリズムを変えると、この投法はコントロールがメチャクチャになるリスクがあります。

同じリズムで投げ、なおかつ打者を牛耳ろうとすると今以上の球のキレ・緩急・そして大きく変化する球のどれかが必要になります。(あるいはそれら全て。)

 

しかし臆せずバンバン速球を投げ込む姿勢は好感が持て、魅力がありました。

「打たれてもいい。怖がらずどんどん勝負して欲しい。今は失敗してもいい。打者を制する決め球は勝負の中で生み出していって欲しい」、とも思いました。完成された選手もいいのですが、私は時に未完成の選手に肩入れしてしまいます。

「育つところを見たい。今よりも成長する姿を見たい」、そういう気持ちが私は強いのでしょう。

 

近鉄ファンだったのも「そもそも自分が見始めた頃(昭和40年代)から弱くて泥臭いチーム。そして後年のいてまえ打線なんて荒っぽくて見方によっては非常に雑な野球。だけどツボにはまれば恐るべき破壊力を生み出し奇跡のような試合を見せてくれる。計算不能の魅力があった」からなのです。

 

 

今回見た選手の中から今秋のドラフト指名を受ける選手が誕生するのかどうか?楽しみに待っています。

それはこのスタンドを埋めている大勢のファンも一緒でしょう。この日の観客は1,306人だったそうです。

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