普通の部活

  • Mr.black
    2016年07月26日 11:54 visibility2047

昨日は地元大阪にある寝屋川球場で高校野球を観戦してきました。




高校野球と言っても軟式です。軟式の大阪大会が数日前より始まっているのです。

今年で第61回目でした。



この日は1試合のみ開催。

カードは「天王寺学館ー大阪産大附属」でした。





1塁側: 天王寺学館。(以下、「学館」と表記。)

聞き慣れない学校だな、と思って調べたら2002年設立のまだ歴史の浅い学校でした。

そして通信制と通学制の両方があり、不登校だった生徒も受け入れているようです。近年こういう学校が少しずつですが増えているような気がします。


ユニは白地に濃紺基調。胸には漢字二段で「天王寺 学館」。漢字で二段のマークは珍しいですね。





3塁側: 大阪産大附属。(以下、「大産大高」と表記。)


硬式野球部が過去甲子園に出たこともあるのでこの学校をご存じの方も多いでしょう。まあ、近年は系列校の大阪桐蔭の方が圧倒的に有名でしょうが。(汗)


ユニはアイボリーで濃紺基調。胸には「Sandai」。

大学と高校硬式は縦じまですが、こちらは縦じま無し。

ストッキングのラインは遠目では白っぽいですが、近くで見るとグレーでした。ちょっと珍しい配色。







過去の実績や部員の数からみて大産大高が優位に試合を進めると思っていましたが、予想外の展開に。

初回、学館がいきなり無死2・3塁のチャンスを掴みます。思わぬ立ち上がりのピンチで早々にマウンドに集まる大産大高。応援スタンドからも「おいおい。大丈夫か?」と焦りの声が。


しかし学館にここで手痛いミスが。3塁ランナーが投球と同時にスタートを切ったのですが、打者は無反応。あっけなくホームでアウトになります。スクイズサインの見落としか、あるいは走者の勘違いだったのか?いずれにせよこの後打線がつながらず0点で終わります。

先制のチャンスだったので痛い拙攻でした。




大きなチャンスを逃した学館。しかし同校のエース・鬼頭投手は全く動じませんでした。

かなりの速球派でそれに2種類のスライダー(おそらく)も交えて大産大高打線を寄せ付けず。序盤はパーフェクトピッチ。見事でした。



初回苦しんだ大産大高の横山投手は徐々に調子が上がり、相手を封じて行きます。0-0の投手戦に。




試合が動いたのは5回裏。大産大高は振り逃げで初めて出たランナーを3塁まで進めます。ここで浅いレフトフライ。レフトが懸命にダッシュし、スライディングキャッチしたかに見えたのですがボールがグラブからこぼれ、ついに均衡が破れます。



しかしその後大産大高はなかなか追加点が取れず、1-0のまま終盤戦に。場合によっては延長戦も考えられる展開でした。

そこで気合いを入れる大産大高。



ケリが付いたのは8回裏。この回、好投していた学館の投手がついに捉まります。四球やヒットが連なり一気に4点失い、これで勝負ありでした。

学館は初回の逸機がやはり痛かったです。




勝って校歌を歌う大産大高とそれをベンチ前で聞く学館。勝者と敗者がクッキリと見える瞬間ですね。



しかし敗れた学館にあまり涙は見られず。むしろ笑顔が見えていました。

精一杯戦った、という充実感のようにも感じました。


硬式の試合では切迫感というか悲壮感みたいなものを感じることが多いです。

一方、軟式の場合はどちらかというと屈託のない笑顔がよく見かけられ、「普通の高校生の部活っぽい」ところが感じられます。

スタンドに来ているOBなども「〇〇(名前)、しっかり頑張れよ!」と笑顔の声掛け。それに応える後輩(現役部員)は照れたような、そして嬉しそうな笑顔。

普通の学生生活の延長線上の風景と感じるのです。


硬式には硬式の良さが勿論あるのですが、私はこの軟式の雰囲気が結構好きなのです。

カキーンという甲高い音ではなく、パコーンという鈍い音が響くグランド。

スタンドにはまばらな観客。ブラバンやチアやその他応援団などは滅多に見かけません。ほとんどは親・近親者・OB・生徒はじめ学校関係者・学校の近所の人達などでしょう。

野球のスタートである「プレーボール」という言葉がしっくりくるのはむしろ「普通の部活っぽい」軟式の方なのかもしれません。



勝って2回戦に進んだ大産大高。その行く末は?

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