(小説)ある日の物語2

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    2011年11月29日 16:19 visibility104

深夜2時にバイトを終えた達也。

 

 

帰宅しようと自分の自転車に股がったが、店外にいた里帆に引き留められた。

 

 

「これからどこ行くの?」

 

 

「どこって。帰るだけだよ」

 

「ふ~ん。今からちょっと遊ばない?」

 

 

もう帰って寝るだけだから別に用事もないし、里帆と遊ぶこと自体は決して嫌ではないけど、そうなると、その隣にいる彼氏の存在は気になった。里帆が良くてもこの彼氏は面白くないのではないか?

そんな思いが頭をよぎり、里帆に言われた言葉にどうしようかなと考えてたら

 

 

「じゃ、先に帰ってるよ」

 

と里帆と同伴していた彼氏が1人で帰っていった。

 

「彼氏帰っちゃうよ」

 

達也が言うと

 

 

「彼氏じゃないよ。友達の彼氏」

 

と里帆が言う。

 

里帆は、実は少し特殊な仕事をしていた。その為に中学卒業後に親元を離れて広島から上京し、東京の定時制高校に通いながらその仕事をしていた。そしてその合間にこのコンビニでもアルバイトをしていたのだ。

 

とりあえず店前で立ち話をしているのも何なので、達也と里帆は自転車を引きながら2人でどこに向かうでもなく歩き出した。

 

 

「あのさ、お前みたいな職業のやつがこんな時間に男と2人で歩いてたらやばいだろ」

 

「そうかも。何かあったら達也くん、責任とってね」

 

「無理。お前のこと何も知らないし」

 

そんな話をしていたが、晩秋の少し冷え込む時期の夜中に女の子を歩かすのも何だか悪いなと思った達也だが、この周辺にはファミレスのような店も近くにはなかった。

 

 

仕方ないので達也は特に他意はなく

 


「うちに来る?」

 

と里帆に言った。

 

すると

 

 

「何企んでるの?」

 

と里帆が悪戯っぽく笑って言った。

 

「お前ぶっ飛ばすよ」

 

「だって弥生さんに悪いじゃん」

 

「え?」

 

「見てれば分かるよ」

 

「悪いと思うなら待ちぶせするなよ」

 

「は?あんたが勝手にいたんじゃん」

 

「ふざけんなよ、そっちが勝手に来たんだろ」

 

里帆とのそんなくだらない話が達也は何だか楽しかった。 達也と里帆はそんなにたくさん一緒にシフトに入っていた訳でもないのに、なぜかこうしてフレンドリーな感じで話せるのが不思議だなと達也は思っていた。里帆とは話しててもなんか楽しいし、何ならもっと友達になってもいいかなと思っていたら

 


「じゃあ・・・・達也くんがうちに来る?」

 

 

と里帆は達也に向かって言った。









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