消えた学校 温泉高校
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Mr.black
2013年01月09日 09:52 visibility9132
兵庫県美方郡新温泉町にかつて「県立温泉高校」がありました。
元々は「県立浜坂高校温泉校」という分校として設立。後に「温泉高校」として分離、独立校になりました。
野球部創部は1970年とのこと。
兵庫県とはいえ日本海側にある人口が少ない地域。生徒数はさほど多くなく、おそらく野球部員も少なかったことでしょう。兵庫は強豪校が多い県。初戦突破は非常に厳しく、夏の大会は創部以来初戦敗退が続きました。
1970年から2001年まで同校は夏32年連続初戦で敗れたそうです。(32連敗は当時の日本記録だったということです。)
野球部に夜明けがやって来たのは2002年のこと。この夏、伊川谷高校に勝ってついに連敗をストップさせました。同校にとっては非常に貴重な1勝だったことでしょう。
しかし少子化・過疎化の問題は徐々にこの学校に忍び寄ってきました。一度は単独校になったものの再び浜坂高校の分校に逆戻りし、2007年3月ついに廃校となりました。
私がこの学校の存在を知ったのは上記の連敗ストップの時の報道でした。そして温泉校最後の夏もTVのローカルニュースで取り上げられたのを観ました。
校名でお分かりのようにこの地域は日本海側の温泉地です。なので最後の予選には地元の温泉旅館の方々も応援に駆けつけていました。
数年前のニュースなので記憶は曖昧ですが、最後の夏は初戦敗退で終わったと思います。
廃校後、野球部は浜坂高校に統合されました。
温泉高校の夏の勝利が2002年の1勝だけだったのか、それともその後にもう少し上積みがあったのかは分かっておりません。
強豪校にとって初戦勝利というのはある意味当たり前のことかもしれませんが、多くの高校球児にとって夏の1勝はかけがえのないものだと思います。
ところで統合なった浜坂高校、偶然ながら昨年の春季大会で試合観戦しました。まだ4月初旬だったので新1年生が居たのかどうかは分かりませんが、ベンチ入りの選手は僅か11人しかいませんでした。
統合されても部員は不足気味なのですね。こういう恵まれない環境の野球部が懸命に戦って勝利を目指す・・・・・高校野球の大部分は実はここにあると思っています。
価値観は人それぞれなので何が重要なのか言い切れませんが、少なくとも私個人は甲子園よりも地方予選に魅力を感じています。ほとんどの球児は予選で姿を消していくわけですからね。
浜坂高校をはじめ、全国各地の公立校の健闘を祈っています。
写真は浜坂高校。昨年4月、春季但馬地区予選観戦時のもの。この時は出石(いずし)高校に勝利。
写っていませんが、胸のマークは「HAMAKO」。
温泉高校は記憶が曖昧ですが、黒または濃紺基調のシンプルなユニで、左胸に漢字縦書きで「温泉」と書かれていたと思います。
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