市立の新興勢力、甲子園に近づく

  • Mr.black
    2016年11月02日 10:40 visibility1330

前回の続きです。

中国地区高校野球秋季大会の準々決勝第二試合は「市立呉ー広島新庄戦」でした。

今回急遽遠征先をここに決めたのはこの第二試合を観戦したかったからです。

(実はハマスタの神宮大会大学の部の代表決定戦も検討していました。)




1塁側: 市立呉 (以下、「呉」と表記。)

当初は女子の家庭科専門学校として開校。当時の校名は「呉豊栄高校」。やがて特殊学科を廃止したり、その他の学科の編成替えをして現在の「市立呉高校」に校名変更。

平成10年に男女共学化、そして平成19年に野球部創設。創部からまだ10年目という歴史の浅い野球部です。

しかしこの僅か10年の間で広島大会の上位に何度も顔を出すようになってきた新興勢力。総合学科を持つ高校ということで市立とは言うものの、もしかしたら私学強豪並みの強化が進んでいるのかもしれません。(大阪で言えば市立桜宮高校に近いのかも。)



呉のユニは広島商業を連想させるデザイン。

アイボリーユニに濃紺とライトブルー基調。白のアンダーシャツが広商っぽいですね。

胸には「ICHIKURE」。




3塁側: 広島新庄 (以下、「新庄」と表記。)

近年甲子園に出て来るようになったこちらも新興勢力ですね。

濃紺縦じまユニで左胸に「S」一文字。ヤンキースっぽいデザインです。高校野球でこのデザインが最近流行っていますね。



両校は県大会では準決勝で一度対戦。その時には大差で新庄が勝っています。

その後の3位決定戦に勝って這い上がって来た呉にとってはリベンジのチャンスでした。






試合は初回、呉がいきなりタイムリー長打で1点先制。しかしすぐに新庄が追いつき、1-1のまま以降はこう着状態になります。



試合が大きく動いたのは後半戦。

6回に1点、7回に1点、小刻みに呉が加点し、3-1になります。

呉はバントや走塁がしっかりしており、守備も含めてよく鍛えられているという印象でした。



しかしこれで勝ちを意識し過ぎたのか呉の池田投手が8回、急に制球がおかしくなります。

四球でランナーを溜めたところでタイムリーを打たれ、あっという間に3-3の同点になってしまいました。痛恨の制球ミスでした。



スタンドの声援は一般客も含め新庄の方が多く、同点時には大きな歓声が上がりました。流れはこれで新庄に傾くかと思ったのですが・・・・・。

呉の勝利への執念が勝りました。追いつかれた直後、起死回生の勝ち越し打が出ます。

2者生還して5-3と再びリード。



このリードを守り切り、そのまま呉が勝利。県大会のリベンジを果たし、ベスト4進出です。




センバツ当確の決勝進出まであと1勝となりました。準決勝の相手はこの日の第一試合で勝った鳥取城北です。(もう1カードは「山口鴻城ー創志学園」。)

上の写真で奥が呉の控え選手団。手前は城北。当然ながら城北も次を見据えてスタンドで呉を観察していました。


中国地区の枠が2になるか3になるかは四国との兼ね合いもあってまだ何とも言えません。仮に枠が「3」になっても準決勝の内容次第では外される可能性もあります。やはり何としてもあと1勝しなければならないでしょう。



急速に台頭してきた市立呉。彼らが来春センバツにやって来るでしょうか?

広陵や新庄に阻まれて過去あと少しで届かなかった甲子園が視界に入って来ています。



しかしながら呉は専用バスを持っているのですね。ちなみにこの日出てきた4校で自前のバスが無かったのは米子松蔭だけでした。(松蔭は観光バスをチャーターして来ていた様子。)



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