思いがけないNPB公式戦開催 (宇部球場)
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Mr.black
2016年11月03日 10:29 visibility2550
今回中国地区高校野球秋季大会を観戦した場所は山口県の宇部市野球場。
正式名は「恩田運動公園野球場」。そして現在はネーミングライツで「ユーピーアール・スタジアム」となっています。
余談ですが、ユーピーアールとは物流で使うパレット(フォークリフトで品物を運ぶ時の木製や樹脂製の底板みたいな物)をレンタルする会社。「宇部・パレット・レンタル」の頭文字を取っています。
2階部分の青い横断幕の所はスポーツジムになっています。デッドスペースの有効活用策なのでしょうね。この日も稼働しており、ジムで汗を流す会員さんが何人も居ました。
(そう言えば以前「姫路球場」にボクシングジムがあったことを思い出しました。球場建て替え後は入っていないようですが。)
内野クレー、外野天然芝。両翼100m、センター122m。広いグランドです。
照明は6基あり。かなり大きいです。
内野スタンドは全て個別席。
バックネット裏は背もたれ付き。それ以外は背もたれ無し。
大きな屋根があるのが助かります。(この日、一時雨がパラつきましたので。)
内野フェンスが少し高めでしたが、スタンドが比較的大きいので上に行けば視界良好でした。全般的に見やすい構造です。
外野は芝生席。
全体の収容数は資料によって差がありますが、12,000~13,000人辺りが正解だと思われます。
スコアボードは磁気反転式。表示が白で見やすかったです。(やはり白表示が良いです。)
中央に第一から第三試合までの試合結果が表示出来るようになっている仕様はいかにもアマ用球場っぽいですね。
しかし、この球場には意外な歴史があります。
2011年の春、NPBの公式戦しかも開幕戦がここで開催されました。(巨人ーヤクルト戦。)
まだ5年半ほどしか経っていないのでご記憶の方も多いでしょう。東日本大震災で関東地方の電力事情が不安定になった為、日程が変更されて急遽この球場に大役が回ってきたわけです。
そこに至るまでは紆余曲折がありましたね。パ・リーグはすぐに開幕日程を変更することを決めましたが、セ・リーグ特に巨人はこれに強硬な態度を示し、政界も巻き込んで喧々囂々となりました。
結果的に矛先を収めた巨人が西日本の地方球場で開幕戦を行うという事態に。当時の巨人・滝鼻オーナーの横柄で傲慢な言動にかなり憤慨した記憶があります。
今回雨天順延、そして注目していた市立呉の試合があるということで急遽この地に遠征したわけですが、実はそういう歴史があることから以前から訪問したいと思っていました。
大災害の影響でNPBの開幕戦が行われた球場。そして今はまるで何事も無かったかのように元通りアマチュア用の球場に戻っている宇部球場。
災害を忘れない為にもここに来たかったわけです。
今年は熊本と鳥取でも大地震がありました。災害は他人事ではありませんからね。
場内には売店がありました。いつも開いているかどうかはわかりませんが、夏の高校野球山口県大会ではおそらく営業していると思われます。販売していたのは焼きそば・うどん・唐揚げ・ポテト・飲料など。
NPB開催の時には臨時の売店が多く出ていたことでしょうね。
↑ 場外の面白いモニュメント。
地方球場のネックはやはり交通アクセス。
JR宇部線の「草江駅」あるいは「東新川駅」から徒歩15~20分程度ですが、この鉄道が一時間に一本しかないのがネック。
沿線には無人駅が多いので、このようにワンマンカーで路線バスと同じく整理券発行&降車時精算というシステムです。これが急ぐ時には少々不便。
非常に簡素な草江駅。単線の無人駅です。
新山口駅からはこちらの駅の方が近く、逆に宇部駅からは東新川駅の方が近いです。私は新幹線でやって来たので新山口駅~草江駅ルートでした。(しかしながらこの乗り継ぎの時間ロスは痛いです。40分以上もロスしました。乗り継ぎダイヤは少し考慮して欲しい。)
最後に。
これはグランド整備の様子。場内係員の中には「宇部商業」の選手が数名居ました。
一時期甲子園を席巻した宇部商も近年はややご無沙汰気味。
果たして復活はあるでしょうか?
震災以降ずっと訪問したいと願っていた宇部球場。それが叶いました。
ありがとうございました。さようなら。(一礼)
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- 事務局に通報しました。
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