消えた球場(14) 中モズ球場
-
Mr.black
2010年11月08日 15:26 visibility17880
大阪府堺市北区中百舌鳥町・・・・・かつてここには南海ホークス2軍の本拠地「中モズ球場」がありました。
この球場の起源は1935年から整備された「中百舌鳥総合運動場」でした。同運動場内に野球場が建設されたのは1939年頃だったそうです。(公園にはその他テニスコートや陸上競技場も併設。)
当初はここで南海の1軍の公式戦も若干数ですが行われていたようです。しかし当時の交通事情としては堺市は遠くて不便ということもあって観客動員が悪く、1950年ミナミの難波に「大阪球場」が建設されると1軍の試合は完全にそちらへ移り、中モズは2軍の球場になりました。
やがて2軍でも試合では利用されなくなり、もっぱら練習場として使われるようになっていきました。
試合が行われていなかったので私自身もここに野球目当てで来たということはありませんでした。
時々こちら方面に仕事や用事で来たついでにちょっと立ち寄るという程度のものでした。
なので残念ながら当時の球場の写真は全く持っておりません。今となっては後悔しています。
おぼろげな記憶としてはバックネット裏にだけ小さなスタンドがあり、それ以外はフェンスとネットだけで中が丸見えだったはずです。
スタンド正面外側には「中モズ球場」と文字看板が掲げられていました。色は南海カラーの濃い目のグリーンでした。
球場名は本来は「中百舌鳥球場」と表示すべきところですが、これを「なかもず」と読むのは難しいので「中モズ」と書いてあったのです。一般的にも「中モズ球場」、または「中もず球場」と表示されることが多かったです。
グランドは内野が土、外野が天然芝でした。私が見た頃には芝生は少々剥げてデコボコしていたような記憶があります。
両翼は公称90m、センター120m、ということでしたが噂では「本当はもっと狭かった」とも言われていました。当時の野球場ではありがちなことでしたが。(苦笑)
この中モズ球場は大阪球場がミナミの再開発で閉鎖されることが決まった頃から「建て直して1軍の新本拠地球場にする」という計画もあったのですが、その後ホークスがダイエーに身売りし、本拠地が福岡に移転することになったために頓挫してしまいました。その後は少年野球場などに利用され、2001年11月ついに閉鎖されてしまいました。
結果的には1軍本拠地球場としてはほとんど幻に近い生涯を遂げて消滅したわけです。
現在、跡地には「グランシスフォート中百舌鳥」という大きなマンションが建てられています。マンション正面の左側にこの地がかつて中百舌鳥総合運動場であったという掲示板があるのが唯一の痕跡です。
大阪ミナミの象徴だった南海ホークス。その長年築きあげたものは現在ではほとんど残っておりません。これが残念だといつも思います。
一枚目の写真を拡大したもの。
当初はこんなに広大な運動公園だったのですね。
陸上競技場は「長居」の競技場が出来るまではここで様々な大会が行われていた大阪最大の施設だったそうです。
写真の手前に写っているのが南海高野線の線路です。
跡地に立つマンション。当時の記憶を呼び起こしてもほとんど分らないくらいになっています。
南海高野線「白鷺(しらさぎ)駅」。
一つ手前が「中百舌鳥駅」ですが、球場跡地はこの白鷺駅からの方が近いです。徒歩約5分。(中百舌鳥駅からは10分くらいかかります。)
- favorite36 chat7 visibility17880
-
navigate_before 前の記事
素晴らしき観音寺中央 (&古豪・丸亀城西)
2010年10月14日 -
次の記事 navigate_next
今期初のBCリーグ観戦(富山VS福井:魚津桃山球場)
2010年9月21日
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件