ストレートの大切さ

 もうすぐ、200号記事達成です。


 


 200号はちゃんと「野球を観に行って写真を撮りました」というような記事で決めたいと思います。


 


 この199号は僕が高校時代にしていたフェンシングの話をさせて下さい。


 


 僕の在籍していた高校のフェンシング部は顧問の先生に競技経験がないので、OBの皆さんが指導して下さっていました。


 


 この指導形式の利点は、言うまでもなく色々な方々から指導を受けることができることです。


 


 生意気な言い方をすれば、特定の競技観に縛られることなく、自分の長所や特性を伸ばせる可能性があることが素晴しいと思います。


 


 しかし、リスクもあると思います。


 


 敢えて汚い言い方をすれば、多様な考え方に振り回されて自分のフェンシングが分からないまま3年間の競技生活を終えてしまう危険もあるのではないでしょうか。


 


 僕は入部当初、基礎体力が全然なかったので、ずいぶん上達が遅かったです。


 


 初めて試合で1回戦を勝ちあがったのが高校2年の5月。


 


 競技を始めてから1年以上経ってからでした。


 


 おそらく標準は1年生の新人戦(1月)ぐらいだと思います。


 


 そして、4人~8人で優勝を争う「決勝」に残れたのは1回だけ。


 


 高校3年のインターハイ予選(しかも出場登録者がフルーレの約半分しかいないエペ競技)でした。


 


 つまり、僕はへたくそなフェンサーだったのです。


 


 そんな僕でしたが、高校3年生の最後の夏合宿の時が一番上達できたと自分で思っています。


 


 僕はその合宿であるOBの方から「フェンシングの本質」について話して頂き、大いに納得することがあったからです。


 


 その先輩は


 


 「なあ、こじっく、お前はフェンシングを難しく考え過ぎてるぞ。フェンシングの基本って何だと思う?」


 


 と訊かれました。僕は先輩の質問の意味さえ分からず、何を答えればいいのか困りました。


 


 その様子を見て、OBさんは微笑んで言われました。


 


 「ストレートだよ。真っ直ぐに相手の胸を突くのが一番速くて確実だろ。でもな、試合でストレートが決まることってまずないよな。だから、どうやればストレートで相手を突くことができるかを一生懸命考えればいいんだよ」


 


 目から鱗・・・。


 


 僕は不器用で、剣の扱いに自信がなく、体力にも自信がなかったから、人一倍「奇襲」を考え、試合でも敢行していました。


 


 はっきり言って、僕の高3の6月ぐらいの試合ぶりは強くもないのに「派手」だったと思います。


 


 しかし、どんなに自分で考えて工夫しているつもりでも、府総体で決勝に残れなかったし、インターハイ予選も勝てなかった。


 


 それがどうしてか分かった気がしたのです。


 


 僕は一番速く、そして確実に相手を突ける「ストレート」というシンプルな武器を放棄していたのです。


 


 これでは勝てるはずがない・・・。


 


 このことは、何にでも当てはめることが可能だと思います。


 


 そして、スポーツに縁がなくなってしまった今でも、この話の価値は自分の中で高まり続けています。


 


 基本が大事。


 


 このことは誰もが知っている。


 


 でも、本当に「何が基本」で「どうして大事なのか」を知るっていうことはできているだろうか・・・。


 


 そして「本質」とは何だろうか。


 


 仕事でも、プライベートでも、悩んだときは自分に問いかけることにしています。


 


 


 


 

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