逆指名

 

 久しぶりに野球の記事を書かせていただきたく思います。

 

 ドラフト会議を前に、その年の指名有力選手が希望球団をマスコミを通じて表明する所謂「逆指名」。

 

 一時期は「逆指名」そのものがドラフト制度の中に取り入れられてしまい、「逆指名はしたけど籤で意中の球団に行けるのか?希望球団以外が交渉権を引き当てた場合の入団はあるのか?」という人間ドラマが薄れてしまった感がありました。

 

 

 しかし、制度としての逆指名の終焉とともに最近は再びそういったドラマの部分にも注目が集まるようになりました。

 

 僕が印象に残る逆指名といえば・・・・。

 

 1989年に巨人を逆指名した上宮高校の元木大介さん。

 

 1990年にダイエーを逆指名した日本生命の木村恵ニさん。

 

 そして1990年に巨人、ヤクルト、西武を逆指名した小池秀郎さんの3人です。

 

 元木さんは89年はダイエーに1位指名され入団せず翌年に念願の巨人から1位指名を受け入団。

 

 木村さんは90年に希望通りダイエーから1位指名を受け入団。

 

 小池さんは90年はヤクルト、西武を含む史上最多タイの8球団から1位指名を受けながらも交渉権を得たロッテに入団せず、その後社会人野球を経て近鉄から」1位指名を受けて入団されました。

 

 また興味深かったのは当時報道された逆指名の理由です。

 

 元木さんは少年時代からの巨人軍への憧れ。実際に元木さんがドラフト会議意を前に記者会見を開き「自分としては巨人軍一本に・・・」とマイクを持って話されていた報道映像をテレビで見た記憶があります。

 

 木村さんは大学・社会人を経た自分の年齢からプロで活躍できる年数を考え、直ぐに1軍で投げられる可能性が高いチーム事情のダイエーを選び、ダイエー以外ならプロ入りは考えないという決意が報道されていた記憶があります。

 

 小池さんの場合は、在京志向と、フロントがしっかりしていて優勝が狙える球団ということで巨人、ヤクルト、西武を。そして他にも複数の球団に関しては指名を受けたら交渉する意思があるという報道がされていたと思います。

 

 その後、三人がどのようなプロでの道を歩いたかと言えば…。

 

 残念ながら、ドラフト当時期待されたような活躍をできたかどうかは疑問の残るものだったのではないでしょうか。

 

 もちろん、1軍で活躍されたことには間違いないのですが、何か惜しいような気がします。

 

 特に元木さんについては、「もし1年の浪人をせずに直ぐに巨人(89年は慶応大の野手、大森選手を1位指名)あるいはダイエーに入団して練習を積んでいれば・・・」という球団の好き嫌いを超越した野球ファンの思いが。

 

 そして小池さんについても「社会人を経ずにプロ入りしていれば新人記録を塗り替えるような投手になれたのではないか」という思いを持つ人は少なくないでしょう。

 

 木村さんについても「もしダイエー以外もプロ入りOKだったら・・・複数球団の抽選で別の球団に行けばもっと力が発揮できた可能性があるのではないか」と僕は思うことがあります。

 

 つまり、古くは荒川尭さんや江川卓さんの時も同じ思いを持った野球ファンの方は多いと思いますが「逆指名をした選手はなぜプロに行って活躍できないのだろう?」と思ってしまうのです。

 

 しかし、近年は逆指名に加え希望球団以外からの指名を断り初志を貫いた巨人の長野久義選手や菅野智之選手が期待通りの活躍を見せています。両選手ともまだまだ若いので更に期待してもいいでしょう。

 

 かく言う僕は阪神ファンですが、なぜ阪神を強烈に逆指名してくれる選手ってあまりいないのかな・・・。

 

 感情的には僕は「逆指名」って好きじゃないのですが、やはりそういうことをしてくれるアマチュア選手がいない球団って、何かが足りないのかな・・・。

 

 

 

 

 

 

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