二つの野球

最近、なかなかパソコンを開ける時間が取れません。

今日も携帯から更新です。

高校の頃、ロバート・ホワイティング著「和を以て日本となす」という本に出会い、貪るように読みました。

特に日本の野球史の章が素晴らしかった。

一番興味深かったエピソードは、明治時代の日本野球草創期の一高と明治学院の話です。

一高は武道の稽古のような猛練習で知られ、一方の明治学院はアメリカ式のクラブだったそうです。

そして一高と明治学院の対抗試合の初戦は大方の予想に反して明治学院が勝利。

これが却って一高の厳しい練習に輪をかけることになり、実力を高めた一高はやがて明治学院を凌駕するようになったそうです。

おそらく、その後に生まれたたくさんの学校野球部は一高の猛練習に倣い、部員の心身と技量を磨いて行ったものと思われます。

しかし、もし明治学院がずっと一高に勝ち続け、後発の学校にも負けなかったとしたら・・・日本野球はずいぶん違ったものになったと思います。

いや、野球のみならず、明治以降の日本人気質の形成にさえ影響を与えたかも知れません。

一高に象徴されるような「高める野球」。

明治学院に象徴されるような「楽しむ野球」。


二つの野球は平行線を描き続けるものでなく、いつの時代も統合を目指して関わり続けてきた気がします。

そして野球を愛する我々ひとりひとりの手にその未来は委ねられているのだと思うのです。




























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