オランダvsロシア

地上波しか見られない上に、うっかり眠ってしまうことが
多くてスイスvsチェコ以来久しぶりにユーロを見ることが出来た。

優勝候補の一角オランダに立ち向かうはオランダ出身ヒディンクが率いるロシア。
ファンニステルローイがポストを収めるとスナイデル、ファンデルファールト、カイトらが絡んでチャンスを多く作るかと予想していたけれど、つなぎの部分でミスが目立ち、また切り替えの遅さもあってことごとくロシアのディフェンス陣にボールを奪われる。対するロシアはよく走って数的優位を作り、トップのパブリチェンコ、そしてとりわけ輝いたアルシャービンのキープ力を活かす。
サイドで味方を追い越す動きが多く見られるロシアとリズムがなかなかつかめないオランダ。
左サイドを抜け出したロシア、鋭いクロスを上げるとパブリチェンコが合わせてまさかの先制。オランダは攻めるしかなくなるが、なかなか攻撃のスピードが上がらない。後半に入ると右ウイングのカイトアウト・セーフよよいのよい、もといカイトOUT・ファンペルシIN。ファンペルシは最初にシュートシーンまでいったものの、それ以降全くと言うほどチャンスを作ることもチャンスに絡むことも出来なかった。
右サイドバックのブラルーズOUT・ハイティンハINとその後も動きを見せるファンバステンであったけれど、なかなか得点の匂いがしてこない。
ボランチのエンゲラールOUT・アフェライINをしてカードを使いきり、ファンデルファールトがやや下がり、アフェライが左、トップ下にスナイデルが入ると
スナイデルが鬼気迫る突進を見せ、これでもかとミドルを放ち続ける。
オランダ左サイドで得たFKを蹴ったスナイデルのボールはファーサイドのGKが飛び出せない絶妙な位置に飛び、ダイビングヘッドで飛び込んだのは
ファンニステルローイ!起死回生の同点ゴール。ゲームは延長に突入した。
ロシアはセムショフに代わって入ったトルビンスキやサエンコに代わって入ったビリャレトディノフという二人のオフェンシブMFが運動量豊富に前線に顔を出し、守備でも良く走るのに対し、オランダの交代選手ファンペルシとアフェライは足元でボールを貰ってドリブル、うまくいけば1人かわすものの、2人3人と囲まれてはボールを奪われ、せいぜいファウルをもらえれば、という具合でチームを助けることは出来ず。
延長後半に入り、それまでもこのゲームで最も目立っていた選手の一人、ロシアのアルシャービンがハーフウェイラインを越えた左サイドでボールを持つ。オランダのディフェンスは4人残っている状態で味方はまだファーサイド(しかしパスコースはほぼない)に一人いる、という状態を認識すると段々とスピードを上げて様子見のドリブルから勝負のドリブルへとシフトを上げた。
ペナルティボックスに入り、一度スペースダウンして中に切り込むのを匂わせてからまた縦に走り、エンドラインギリギリの所から精妙な左足のふわりとしたクロス!ファンデルサールの頭上を越えて走りこんだトルビンスキの左足が押し込んで勝ち越し。
オランダもチャンスを窺うものの決定的なシーンを創出できず、逆にロシア右サイドのスローインから狡猾な動き出しを見せたアルシャービンがペナルティボックスでボールを受け、放ったシュートがオランダDFの足先に当たり、ファンデルサールの股を抜いて、止めを刺した。

以下個人採点
オランダ
GKファンデルサール6.5 2点目を失ったのは痛かったが相手を褒めるべきか。素晴らしいセービングを幾度も見せた。
DFブラルーズ5 精力的に動いたものの、数的不利なシーンが多かった。
OH!NO!もといオーイヤ 6 カバーリングに冴え。
マタイセン5.5 強さは見せたが戻りが遅いシーンも。
ファンブロンクホルスト5.5 動きは良かったがプレイの精度は欠いた。
MFデ・ヨング6.5 後半途中から動きが落ちたがそれまではよく走り、またオランダでシンプルにプレイしようとしていた数少ないプレイヤーだった。
エンゲラール5 リズムを崩すパス回し。カバーリングは良かったが。
ファンデルファールト5.5 惜しいミドルや良いパスもあったが「違い」を生むまでには至らず。
FWカイト5.5 よく走り、よく競っていたが味方と息が合わない場面が多かった。
ファンニステルローイ6.5 シンプルにプレイし、ポストとターンの判断も良かったが。感動的な同点ゴールはもしかしたら代表最後のゴールになってしまうのだろうか。
スナイデル6 意地を見せてアグレッシヴに攻め続けた。やや堅いところもあったけれど。
交代選手
ファンペルシ4.5 彼の才能を鑑みると、もし私がオランダ国民なら怒り心頭の出来。
ハイティンハ5.5 よく戦ったが形勢は変わらず。
アフェライ4.5 ファンペルシに同じく。

ロシア
GKアキンフェエフ6 スナイデルのミドル以外それほど危険は無かったかもしれない。一度CKに飛び出しながら触れなかったシーンあり。
DFアニュコフ6 豊富な運動量で攻守に絡んだ。
イグナシェビッチ6.5 よく相手の攻撃を跳ね返した。
コロディン6.5 ディフェンスで体を張り、スペシャルなロングシュートはド迫力であった。
ジルコフ7 守備ではカイト、ファンペルシを抑えつつ攻撃で危険なプレイを見せ続けた。
MFセマク7 素晴らしいプレスと運動量。
ズィリヤノフ6 攻守にハードワークで脇役としての責任を全う。
セムショフ6 危険な飛び出しでチャンスを演出。
サエンコ6 同じく裏を狙う姿勢が素晴らしい。
FWパブリチェンコ6.5 貴重な先制ゴール。あと1点は決めたかったが、惜しいシーン連発。
アルシャービン8 驚異的な切れ味でオランダDF陣をキリキリ舞いさせた。

面白かったのがロシアのセットプレイ崩れのあと、右サイドからファーサイドに上げたクロスを角度がほとんどない所から左足ダイレクトボレーを狙ったパブリチェンコのプレイが、相手の監督が過去に魅せた伝説のゴールを一瞬だけ髣髴とさせたシーン。きちんとヒットはせず、ゴールにはならなかったけれど、サンクトマルコファンバステンも苦笑いだったろう。


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