99年Wユース組と比べてみる

1,2戦とは大幅に選手を入れ替えた日本は実力のあるナイジェリア相手に長い時間押し込まれた。引き分けに持ち込めたのはナイジェリアの決定力不足と併せて日本DF陣の頑張りが大きかった。
攻めではつなぎやキープにミスが多く、守っては中盤でうまくかわされ、最終ラインとGKが何とか要所を押さえる、という苦しい展開だったが点を奪われずにグループリーグ首位通過を果たしたのは素晴らしい。

以下個人採点
GK武田7.5 キャッチングもパンチングもよく引き分けの殊勲者。
DF内田5.5 幻のゴールとなった香川へのピンポイントのクロスや鋭いサイドチェンジなどポイントではらしさを見せたが安易なミスもあった。もっとも疲れているように見えていたので個人的には他の選手を使って欲しかった。
柳川6.5 集中力を切らさずに粘り強いディフェンスだった。
福元7 ミスなく、ポジショニングよく相手の攻撃を跳ね返し続けた。
太田6 藤田に通したスルーパスはよかったけれども左足の精度がちょっと物足りない。ディフェンスはJ1での経験が活きていたか。
MF藤田6 田中亜土夢ばりによく走って攻守に絡んだ。決定的なシュートを外したのはいただけない。シュートを打つ瞬間にちょっと力を抜くくらいの余裕があれば。
森重6 A代表の啓太ばりに責任感あるディフェンスが効いていた。きっちりとつなぐべきところでミスパスしてしまうのが難。
香川6 「ドラえもん」に出てきそうな、まだ少年。あれ、これは評価ではない・・。うまいけれどメリハリが足りない。幻のゴールは残念。実はガリガリで上半身の胴体に見える部分の、半分くらいが腕なのかもしれない。
梅崎6.5 後半途中から失速したが決定的なクロスを何度も上げた。
FWハーフナー5.5 ロングボールやスローインなどでヘディングを競り勝つのは便利だが相変わらず足元に収まらず。シュートの落ち着きもない。まだ「素材」の域。
平繁5 一つ一つのプレイにアイデアが見えるのが面白い。しかしボールが足に付いていなかった印象。判断力もいまいち。
青木6 後半途中から出てくる選手としては相手は本当に嫌だろう。場合によっては彼が先発で河原スーパーサブ、というのも「手」だと思う。とか言ったらこの試合の主審は「ハンド」を取りそう。
安田6 決定的なシュート、スルーパスなどでゲームを活性化。しかし天才肌の選手にありがちな、集中力を欠いたプレイがこの試合でも気になった。
柏木は略。

99Wユースで準優勝したチームとポジション別に比べてみると
GK南と曽ヶ端を擁した99WY組も悪くはないがこの試合で初めて見た武田のレベルの高さといい、林といい07がちょっと上か。
DF 99が3バックで07が4バックなので簡単には比べられないが
辻本、手島、中田(浩)よりも内田、槙野、福元、安田の方がずっとよい。
MF キープとパスに優れ、ミスの少ない小野、遠藤、小笠原が中央で右サイドに酒井、左サイ ドに1対1では必ずといって良いほど相手を抜いてチャンスを作っていた本山のいた99。07は田中、青山、柏木、梅崎。DFと同じく枚数が多いほうがもちろん有利ではあるかもしれないが
やはりここは99のほうが上だろう。
FW 99の高原と永井という点を取るストライカーとチャンスメイカー、という組み合わせは07でも森島と河原でもちょっと似ているかもしれない。互角。
サブ 石川竜也、稲本、播戸がいた99に対し、07は青木、柳川、森重あたりがメインキャスト。
稲本は決勝まで使えなかったし、ここでも07がやや優位と思う。
と見ていくとなんと準優勝した99よりも07の方が上、という評価になってしまった。
もちろんチームの熟成度などは別だし、99では小野と本山とがベストイレブンに選ばれるほど際立っていたが07はそこまでアンタッチャブルな選手はいない。
ともかくこの先を楽しみにしよう。
加えて思うのは99の選手たちのその後を見ると、思ったほどには世界で活躍する選手がいないということだ。才能は、ただの可能性にしかすぎない。今回のU20では、日本のチームでこれだけセンスのある両サイドバックがいた記憶がない、梅崎や柏木などテクニックにあふれた選手もいる、それでもまだこれは「子供」の大会だと思いつつ(だって過度に期待すると、99でそれほど目立ってなかったが小笠原って相当な選手になるだろう、と想像したのがセリエAでぜんぜんといって良いほど試合に出られないというようなことになると悲しいから)、
ともかくこの先を楽しみにしよう。

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