偽・名選手列伝3

(ギリシャ・1955〜1983 AEKアテネ)
183cm95kgと屈強な体でつぎつぎと相手の攻撃を
跳ね返し続けたストッパー。
優れた読みと力感あふれるヘディングで
「2つの頭を持つ男」という異名を轟かせた。
AEKアテネにおける1982〜1983シーズン、大車輪の活躍でチームを優勝に導いた後、
毒キノコによる死を28歳で迎え、その短すぎる人生に対してロイター通信は
「新ギリシャ悲劇」と世界に向けて打電した。
いかつい風貌と共に古典・芸術などに造詣が深く、また過度に厳格な性質でありながら
動物の物真似がうまかったこともあり、「人格ポリバレント」と呼ぶサッカー関係者も多かった。
オズワルド・アルディレス(元アルゼンチン代表。清水エスパルスや横浜マリノス、東京ヴェルディでも指揮をとった)は彼の追悼文を「TIME」に寄稿し、
「フットボールの娯楽は間違いなく『攻撃』から生み出されるものだが、彼のようなディフェンダーがいるからこそ『攻撃』に難しさが、そしてそれゆえの価値が生まれる」と讃えた。

名言集
ニコラス・アユノヒジニキス(以下ニ・ア)
「ギリシャにおけるフットボールの地位はまだまだ低い。動かない彫像の方が、あれだけ走り回る私たちより価値が高いのだからね」
インタビュアー「この勝利をアテネ中の人が喜んでいますがどのようにこの喜びを分かち合おうと思いますか?」
ニ・ア「分かち合うよりは足していった方が数学的に大きいはずだ。喜びは高めあうものではないか」
インタビュアー「美しいフットボールとはどんなものでしょうか?」
ニ・ア「テオ・アンゲロプロスの映画よりも見たいかどうか。それだけだ」

ニ・ア「戦術は重要だ。体力も重要だ。そしてもちろん技術もだ。それでもギリシャ人の誇りを持って言うがフットボールにおいても哲学こそが最も重要だ」

彼の死後、同じ毒キノコを食べて彼のあとを追った若者がギリシャ全土で28人いた。
また非常に良く似た毒キノコを食べ、致死性があるものではなく、いわゆる「ワライタケ」を食べてしまった人間は10622人を数えた。
その夜、アテネでは一晩中いたる所から笑いが絶えなかったという。

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