必殺仕事人とベースボール

  • やま
    2013年03月28日 20:33 visibility2006

昨日の「マツコ有吉の怒り新党」を

御覧になった方はどれくらいいるのだろうか。

もし観てないという方にまず前もって解説をしておきたい。

 

この番組はテレビ朝日系列でやっている

バラエティ・トーク番組で毎週、投稿者が日常生活で

不満や憤りを感じていることを人気タレント

マツコ・デラックスと有吉(猿岩石)へ伝え

それについて議論するという番組である。

私はこの番組が1,2時台の深夜番組だった頃から

二人の小気味良い毒舌にハマり

面白いと思ってたまーに見ていたのだが

あれよあれよという間に23時台へ、

それも30分から1時間番組として昇格を果たしてしまった。

 

この番組が1時間番組になった際に

新しく出来たコーナーがある。

最後の約10分間、

「日本人が知っておくべき3大○○」というコーナーである。

これは「日本人なら○○、それも最低この3つは知っておかなくちゃ~」

と、銘打っている割には毎回毎回その○○が非常にどうでも良いことばかり。

某女子マラソンの解説者の小咄だとか

某戦隊ヒーローの悪役のどうしようもない作戦についてだとか

某昭和の作画どころかシナリオも完全崩壊しているアニメだとか

某オカルト誌の眉唾どころか今時子供でも信じないような記事とか

覚えておいても全く役にたたないであろうという物ばかり紹介する。

(まぁ、視聴者に「どうでもいいわ!」と突っ込ませるコーナーと言っちゃえば

それまでだが…)

 

これがどうでもいいけど、結構面白い。

正直、私はトークのコーナーが若干

開始当初よりパワーダウン気味なので

最近は「今日の最後の3大のコーナー、何かな」と思いながら見てるので

トークコーナーは聞き流してしまってる時がある。

 

そして昨日はなんと必殺シリーズからの紹介であった。

「日本人が知っておくべき新3大

【必殺シリーズの江戸時代とは思えない脚本】」

であった。

 

必殺シリーズというのは言わずと知れた故藤田まことさん演じる

中村主水率いる暗殺集団が江戸時代、

やりたい放題やってる悪い奴らを懲らしめる(ってか、殺しちゃう)

勧善懲悪の時代劇。

シリーズとなっているのは「必殺仕事人」の他に、

「必殺仕置人」など、微妙にタイトルをマイナーチェンジしながら

放送していた時期があるからである。

見たことはなくてもBGMは必ず日本人なら1回は聞いたことあるであろう、

あの超有名時代劇である。

野球ファンなら一昔前広島カープ戦で応援歌によく使われていた

プロレスファンなら一昔前全日本プロレスでよく流れていた

そう、あの「ちゃらら~…」もしくは「ぱららー…」もしくは

「れどれ~…」である。

 

時代劇で敵役が権力を武器に弱いものへ

不条理にやりたい放題やるというのは

まぁ時代劇の鉄則というかお決まりみたいな物があるが

この必殺シリーズ、往年のファンなら知っての通り、

悪役どころか主人公サイドも、いや、というか

製作者がやりたい放題なのである。

 

なので昨日、番組で取り上げられた時、

必殺シリーズに馴染みのない方は「へぇ、そんなめちゃくちゃなのか」

と思われたかもしれないが、

ちょくちょく見てるなんて人からすれば

「ああ、あれはめちゃくちゃだよね」って頷いたはずである。

かく言う私もその頷いた一人である。

私は必殺シリーズはそんなに真剣に観てなかったのだが

そんな私でも必殺シリーズのやりたい放題ぶりは知っていた。

そして昨日の3大のうちの一つはバッチリ見たことあるものであった。

ここで紹介しよう。

もし番組を見ていないけど録画して楽しみにしてる…とか

必殺シリーズを借りて見る予定だ

なんていう方がいたらここで読むのを辞めていただきたい。

内容を堂々と紹介することになってしまうので。

それでは紹介しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

新3大 必殺シリーズの江戸時代とは思えない脚本設定

・ある日のサブタイトル(その日の回のタイトル)が「主水 ワープロを打つ」

・アメリカ駐日大使的な人を慰めるために、主水が全日本監督になってベースボールをする

・下総のヤクザをやっつけに旅に出るも超常現象でネイティブ・アメリカンと騎兵隊が戦うアメリカへタイムスリップ。アメリカの歴史に残る汚名カーター将軍を殺したのは実は主水だった。

 

うーむ。描いてるだけで意味が不明である。

でも実際放映されてるものだから驚きである。

一番上から紹介しよう。

 

度肝を抜くタイトルの癖に

ワープロが出てきたのはラスト1分半の場所のみ。

それも主水が「将来はエレキテル(電気)で文字を書き、

遠くの人と会話する時代が来るでしょう…」と、発言したのち

主水があの侍の格好のままオフィスでパソコンをやってる

コントを無理やりねじ込んであるだけ。

所謂「釣り」という奴である。

 

2つ目のは驚く。まずベースボールを主水たちにやろうと考案して来たのはジョン万次郎。演じるのは日本球界のアウトローこと江夏豊。え?!江夏豊?!しかも驚くことにそれを演じたのは引退して2年後だったと言う。もっと驚いたのはこの1年前に日本アカデミー賞を獲得したいたということ。あの江夏が?!後にも先にもこんな人、江夏豊だけではないか…と思う。

江夏演じるジョン万次郎は主水に「ベースボール日本チーム」の監督を任せる。今で言う山本ピーコのポジションである。こうして時代劇そっちのけでこの回は野球の練習をする侍たちの健闘風景に従事。時代劇とは思えない…。というか、ジョン万次郎が出てきたり、違う回では忠臣蔵で大石内蔵助を手助けしたり、必殺シリーズは時代背景がこの時点でイマイチ謎である。パソコンコントは置いといて。一応投手が下手投げなのが唯一の救いか。(野球の始まり時、投手は全員下手投げからのスタートだった。いつからかつい大人気なく本気になっちゃった人がサイドスローで抑え始め後にスリークォーター、オーバースローが生まれた。)

 

そして3つ目がアメリカへタイムスリップしてしまった話。この回はばっちり見たので番組で紹介出来てない部分も詳しく解説したい。カーター将軍率いる第7騎兵隊が圧勝と思われたインディアンとの戦いに油断しまくって全滅したというのは割りと有名…だが、日本人にはあまり馴染みが無いとおもわれる。世界史というか、アメリカ史のお話。ただアメリカ人はこの話が大好きなのか何故かカーター将軍の蝋人形まで制作されている。永遠に恥さらしである。

実はこのカーター将軍率いる第7騎兵隊はインディアンにやられたのではなくタイムスリップした主水率いる仕事人達がやっつけたんだ!と言い切る回である。本当、言い切るのである、この番組。しかし主水たちは実は下総(昔の千葉(寄りの東京も含む。ちなみに東京スカイツリーのある場所は武蔵の国でなく下総の国だったという説もある。634とは、はて。))のヤクザをやっつけるというお話だった。それをそっちのけでアメリカへタイムスリップ。ゲストの樹木希林、水前寺清子、西郷輝彦が熱演・名演技すればするほどおかしくなる時代劇。西郷輝彦に至ってはタイムスリップでまた日本へ戻ろうとはせず、インディアンとしてアメリカへ残ると言うまさかのヒストリー。役名は「治郎右衛門(じろうえもん)」だったがそれがアメリカで「じぇろにもん」となったのだそうだ。番組がそう断言してるから仕方ない。タイムスリップ後仕事人達は下総のヤクザを暗殺し、まぁ一応目標は達成したのだが正直見ている側は「あ、忘れていた」状態だった。仕事人達はよく忘れなかったな。

 

ここからが皆さんに教えたい話。2つ目で江夏豊が出て、野球の仕方を色々教えるという場面があるのだが実はこの3つ目のアメリカへ行くお話になんと板東英二さん(ゆでたまごモンスターまたの名を親指タイタニック)が出ているのである。坂東さんの役はおおかたの予想通りネイティブ・アメリカンの役。銃を持つ第7騎兵隊との戦闘で石を投げて戦うというゴリラ顔負けの戦士であるがこの石が面白いように騎兵隊の戦士に当たる。ついたあだ名はMr.グッドコントロール。なめてんのか。なんとMr.グッドコントロールのスゴイところはその当てる技術だけではなく変化球も投げるのだ。どんな変化球を投げていたか忘れたが、何か投げてた。最後はナックルボールを投げていただけは覚えている。変化球ももちろん騎兵隊員に当たるのだ。

ただの2分くらいのシーンのワンポイント起用だったが彼のインディアンコスプレはお茶の間に爆笑の渦を引き起こしていった。もしくは苦笑いを盛大に起こしていった。騎兵隊との最後の決闘シーンのみにしか出てこず後どうなったか気になるが、多分死んだな。石投げてるだけだもん。石もアルミホイル丸めたやつみたいだったし。

 

てっきり私は江夏さんの出ている話を見た後にこのアメリカの話だったので「そうか、坂東さんが出てるからベースボール繋がりで「こいつら野球好きね!」と言わせるつもりか」と思っていたら坂東さんが出てくるシーンは一切紹介されなかった。もちろん「石を投げて戦うネイティブ・アメリカン」の姿もオンエア無し。あれ?と首をひねっている所、思い出した。

 

そうか、あの人、今、テレビ出ちゃいけない人だ…と。

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