試合感覚って大切
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虎男
2017年05月07日 09:40 visibility225
今年は既に5試合を消化した。監督をやっていて、思ったことがある。自分のチームは「勝利至上主義チーム」ではない。「楽しみ追求型」である。だからといって、やらなくて良い点を相手にやすやすと与えてしまって良い物ではない。もちろん、サインは無いが「投手交代」の権利は私にある。どうも、昔からそうなのだが「温情采配」って良く言われる「イニングをまかせる」は、チームの士気を落とす場合があるのを忘れていた。その場面が3点差をつけた裏のイニングで1点差まで追いつかれてしまった時の「投手への温情采配」があだとなった。
これも、昨年3試合、その前の3年間はほとんど試合が組めなかったと言う「試合感覚」の無さがもたらしたものである。もちろん、楽しみ追求型なので勝負どころに、非常采配で投手を代えるのは「ちょっと筋が違う」と言うことも言えよう。しかし、楽しみ追求型といっても「点をリードしての終盤に逃げ切ろう」としないのは、温情采配というよりも「諦め采配」であると言われても仕方が無い。そう思う人もいるはずだ。ここで、一番難しいのは投手の数がチーム内にいるかという事。この時に私のこの後手に回ったイニングをきっちり投げさせて次の回で違う投手へスイッチと言うやり方を救ったのが、助っ人で来てくれた私の職場の後輩だ。高校球児であり、未だに他の野球チームに入っている彼のピッチングを見たら、まず「ストッパー」として「温存」しておいたと誰もが私のこの采配を頷いたはずだ。それほど速球には目を見張るものがあり、ナイターだからこそ直球主体で打者の胸元へずばっと投げ込み、スライダーで空振りを取ると言う形ができる選手だ。
しかし、しかし野球は恐ろしい。彼をストッパーで使ったのだが、野球の懐の深いのは打ち取っても守備でミスが出たら、塁上にランナーはたまっていくという事。この試合の私は多くを学ばせてもらった。なぜなら、年配で見るからに太った打者で、スイングも鈍い彼にセンター前に持って行かれたのだ。これは予想に全くしてなかったことだ。そこから、守備が浮足立ったと言うのがある。野球だけではないだろう。団体スポーツと言うのは、雪崩のように流れが逆流することがある。そして、その流れを止めようと必死になっても一度流れてしまった激流を止めようとすれば、するほど体ごと持って行かれてしまうのだ。なぜ、この流れが止められないのか。長いこと野球をやっているが、それに対する答えは無い。そして、速球派の彼をもってしても「新生チーム」のこなれていない守備に、ほつれが出てしまったことが敗戦に繋がってしまったと言える。ただ、ここで私はゲームの内容については試合後のミーティングで言及しなかった。もちろん試合ができた事へのメンバーへの感謝は伝え、職場の後輩のストッパーで出て行った勇気も褒めたたえた。野球の怖さを知るのには、十分なナイスゲームだったと感じる。そして、チームにとっての課題が見えた試合であったとも言える。野球は面白い。しかし、面白い中にも、細かな心の葛藤が代表者にはある。しかし、そこを瞬時に判断できないことで勝負の流れを相手にやってしまうことの怖さを覚えておかねばならない。勉強になった試合である。
- 事務局に通報しました。
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