M君のユニフォームができた。

  • 虎男
    2017年06月03日 07:24 visibility235

電話が私の携帯にかかってきた。「〇〇さんですか?〇〇スポーツです。いつもお世話になっております。本日、ご注文いただきましたユニフォームができあがって店に到着しております。」「あ、そうですか。では本日伺います。」有給休暇を取っていたので、どんぴしゃりのタイミング。スポーツ用品店へ行く前に、確保できたグラウンドの使用料を支払いにスポーツ施設事務所へ。

 

スポーツ事務所で施設使用料を支払った後、スポーツ用品店へ向かった。5月5日のオーダーだったので、1か月未満の速さでできてた。私のチームでユニフォームを持っていないと言う選手はいない。全員、揃っている。これが私の自慢でもある。そして、よく他のチームで「ユニフォームが数名、揃っていない者もいますが」と言うチームさんもいるが、私はとにかく新入部員のユニフォームは私の銀行口座にお金を振り込んでもらった以上、きちんと、そして迅速にオーダーをかけてユニフォームを作ってあげることを目標にしている。

 

ユニフォームの主、M君にメールを入れる。「わざわざ休暇までとっていただいてスポーツ用品店へ取りに行ってくださったのですか?ありがとうございます。次の活動の日に手渡ししてくださるのですね。とても嬉しいです。」というメールが来た。この感謝のメールもこちらとしては大変嬉しい。ユニフォームは単なるチームの制服ではない。ユニフォームがあるからチームメンバーに「共通項」が生まれ、チームとしての活動の意味がメンバーに浸透する。このユニフォームの袖に手を通した瞬間から、メンバー間に「仲間意識」が生まれ、そして野球をすることへの連帯感が強まっていく。

 

振り返れば13年間で41人のメンバーが私の作ったこのチームのユニフォームを着たことになる。そしてある者は、13年目のシーズンを迎えているし、ある者は大腸癌から回復して、復帰を近々する予定でいる。私にとっては、色々な想いでが詰まったユニフォームであることは間違いない。ユニフォーム=戦闘服であり、自分がこだわってデザインした人生唯一の服でもある。私が草野球を続けて行く限り、このユニフォームは変更しない。既にそれはチーム規約にも明記済みである。理由は「草野球チームにおいて、伝統を作ることは簡単ではないし、ユニフォームをコロコロ変えることで、チームとしてのコンセプトやモットーが変更したように既存のメンバーが感じるのは本意ではないこと。さらにコストを考えたら、ユニフォームを新しくすることで無駄な出費を強いることになる。ゆえにセカンドユニフォームも作らないこととしている。」

 

同じユニフォームを長く着続ける。これは草野球であっても簡単なことではない。これまでの経験上言えるのは「感謝の無い人」は継続ができないってことだろう。チームが存続していることへの感謝、チームにメンバーがいる感謝。対戦チームさんへの感謝。試合や練習ができる場所があることへの感謝。自分の休みに野球をすることを許してくれる家族への感謝。そして健康体を維持できていることへの感謝。どれ一つがかけても野球にはならない。そして、ユニフォームを絶対に変更しないことで一番の良い点は、怪我や病気などで戦列離脱し休部を余儀なくされたメンバーたちへの安心感を持たせられることだろう。彼らが休みの間にユニフォームを変更しますので、お金の用意をお願いします。とは私は言えない。それをやったらメンバーへの信頼関係が薄らいでしまう。それでなくてもユニフォームは毎日着るための物ではないのに、そのための出費に2万円を工面しろとは口が裂けても言えない。

 

M君のユニフォームができた。これで、全てのチームメンバーがユニフォームを持っていることになった。こんな嬉しいことはない。うちのチームと対戦すれば助っ人さんを呼ばないで試合ができるときには全員同じユニフォームで試合に臨めるわけで、そんな状態を見られる可能性が高まった。3年前の自チームでは、頻繁に試合が組めなかったから、そんな想いすら持てなかったことが夢のようだ。ありがたいことである。

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