大海に小石を投げるようなもの
-
虎男
2017年10月04日 06:47 visibility475
久しぶりにチームメイト2人と野球観戦。東京ドームの巨人対阪神戦に観戦後、水道橋駅の近くの居酒屋へ移動し久しぶりの「飲み会」に。私はいつもどおりウーロン茶でのおつきあい。酒は、もう飲むのが怖いくらいになっている。あと7か月過ぎれば一滴も飲まずに3年が経過する。時間の経過は早い。
N君とO君と3人で飲むのは初めてかもしれない。まあ、私は酔ってないので会話の内容ははっきりと覚えている。N君がこう切り出した。「SNSって怖いですよね。こっちが、こうだなって思って書き込んだら、それに対してものすごいバッシングを受けたりしたことがあります。」「なんだそれ?」「実は、私は阪神ファンですが、対戦しているチームの良い打者が苦しみながらも、ファールでカットして相手投手との根気の勝負になって、最後にホームランを打ったのを見て、拍手をしたんです。それを”敵味方関係なく、良いプレーに拍手をするのは良いと思う。”とSNSに書き込んだら、ものすごい数の人たちから非難を浴びたんです。凹みましたよ。」
「それで、その非難に対して、抵抗したの?」「私は自分の意見が間違っているとは思ってなかったので、私は良い物は良いものだと思うから素直に拍手をしたまでと書き込みをしましたけど、さらなるバッシングを受けたので、そのSNSには二度と行ってません。」
「あのさ。SNSで、そういう意見を言って何を相手に伝えたかったの?もしくは、それを書き込んで、SNSに来る人たちに対して、同意をもらいたかったの?それとも、自分の言っていることは正しいことを確認したかったのか?何を期待していたの?」「いや、自分の言いたかったことだけを書いたつもりで、他の人からの同意などは期待してませんでした。」「SNSなんてさ、顔も見えない人たちの集合で、相手を大事に思っている人なんてほとんどいないんだよ。そして、ネットの無機質な文字の表現何て相手の顔も表情も無い冷たいコミュニケーションの伝達に過ぎないから、相手に自分の言っている言葉のニュアンスなんか伝わるわけがない。そこへ、僕はこう思うし、こう考えて行動している。と言へば、そうだと思ってない人間たちにとって、顔が見えてないし住所がわかるわけでもないので、言いたい放題のことを相手に集中砲火できるわけでしょ。そう言うピラニアみたいな連中やまほどいて、君が言ったその話はピラニアの住む革に肉を投げ込んだだけに過ぎない。ってことじゃないかな。」
「そうなんでしょうか?」「それ以外に多くの人間が非難の言葉をかけないでしょ。」「そうなるんですかね。」「そうなるんだよ。だから、大海に小石を投げたって、反応なんか一つも無いって事でしょ。」
良く「我々は、自分たちが正しいことは言い続けて行く」と言う人たちがいる。簡単な例で挙げれば「くたばれ読売の大合唱」だ。こんな程度の低い言葉を大声で顔も知らない連中と一緒に笑顔でやっているその姿を本人たちは見たことが無いのだろう。ご満悦な顔して「くたばれ読売」を、巨人軍の試合でなくてもやっている。その姿を私が見ると「おお、よほど巨人がお好きらしい。いつも心にジャイアンツか。」と彼らのあの「みっともなさ」を見ていると、そう思うしか考えようがないのだ。自軍の応援をするだけで満足がいかないってことだろう。しかも、汚い言葉で憎いと思っているチームの親会社を罵ったところで、自軍が勝ってくれるなら効力もあるのだろうが、そんなくだらないことを大声でやっても「自分の人間の質や教養」を高められるものではない。むしろ、野球に興味が無い人たちがその光景を見て「僕たちも野球観戦に行こう」と思う人間など一人もいないはずだ。「下品で、あんなところへ子供を連れていけない」と思う人たちがまともな感覚であることは間違いない。
私はN君に言った「ネットの人間たちが自分と同じことを考えてくれていると思うのは、自分のおごりだ。それに対して非難を平気でしてくる人間たちは、君に対して面識もないし、無責任だからできるんだよ。文字だけの世界にいて、文字だけでコミュニケーションしているわけでしょ。しかも、君とは本当の名前すら交換してない立場なんだからさ。そんな連中に私はこう思いますって問題提起に近いことを投げかけたって、大衆が動いてくれるわけがないし、相手が同意なんかするわけもないって思っている方がネットを使う上では、摩擦が起きないんだよ。ネットで会う人たちが友達だって思っている人たちって多いでしょ。でもね、実際にネットで毎日話をしたとしても、相手の表情や言葉のニュアンスは通じてないんだよ。自分に同意してくれる人間なんて現実ですら少ないんだからさ、そんなことに気を止むより、現実の友人を俺だったら大切にして行こうと思うよね。だから、草野球やって、チームのことに一生懸命やっている方が何万倍か喜びを得られるもの。実感があるからね。ネットは使いようだと思うよ。草野球チームのメンバー募集なんかでネットを使うのは、十分ありでしょ。だって、きっかけはそれだとしても、きちんと野球をやる上では現実のグラウンドで人間を見て判断するわけだからさ。ネットは使いようです。ネットに傾倒しすぎちゃっている人たちいっぱいいるけど、ネットの人たちは「語るだけの場」だったら、誰も責任が無いって事を覚えておいた方が良いよ。自分が傷つかなくて済むから。」
ネットは使い方次第であって、人様に自分の意見を伺ったりしても結果が良いことの方が少ないって事だと肝に命じておくべきってことかな。
-
navigate_before 前の記事
日本プロ野球って「伝統」を作ろうとしてない
2017年10月3日 -
次の記事 navigate_next
草野球チームを野球だけの組織だと思っている人たちへ
2017年10月8日
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件