野球を続けて行く
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虎男
2018年08月17日 14:42 visibility479
親が認知症の入り口に来ている。新しいインフォメーションが頭の中に入って行かない。何度説明しても同じ質問を返してくる。哀れに思うが、これも運命なのかもしれない。6月の後半から行き始めた食事の運搬。毎日毎日、自宅で親の食事を作って、それを実家に運び入れている。手作りの物を食べさせたい。その思いだけが、料理の手を疲れていても動かしているモチベーションとなっている。高校の頃に現代社会の授業で「日本は高齢化社会をすぐに迎えることになる」と言っていた言葉の足りなさを痛感している。「高齢化社会」って言い方は、「健康な高齢者が増えていく」とは一言も言っていない。間違ってはいないが、問題は山積みされているのだ。高齢者は生きていれば高齢者であり、どのように生きているかの「質」が問われるのだが、なんと親がこうなってから、私の周りに「親の介護」で時間を割いている人たちの多いこと。これは、本当に社会問題だ。親はたまに「自分やお前たち子供が分からないようになったら、安楽死させてほしい。」気持ちは十分わかる。だが、親があっての自分たちの命である。親が生んでくれなければ、自分の今は無いわけで、その親がどういう状態になったからとて、見捨てるわけにはいかない。昔の楢山節考ではないのだ。だが、病気の進行がどういうスピードで進んでいくのかは見当もつかない。何も心配をしないで済んでいた去年までの自分を振り返ると、ものすごく「お気楽」だったと言える。
この話を書くのは勇気が入った。理由は、自分にはこのような事は起こりえないと考えていたからだ。現実に実家へ長いこと無沙汰をし、親がどういう状態でいたのかも知らなかった。これが後悔の第一、そして、親に対しての「恩返し」などと言うことを考えたことも無かったのがその第二である。今、全力で、そして自分のできる範囲で親孝行を実践していると思っている。私ができることは温かく、手作りでの料理を作って、それを食べさせてあげるために毎日実家へ行くことである。この2か月間、最初の内は50分かけて自転車で行っていた。しかし、時間の短縮を考えないと自分の仕事にも支障が出てしまう。だから、原動機付自転車を買った。ガソリンは満タンで三週間は持つ。とにかく、最近、これほどの使命感を持って物事に取り組んだことは無い。休みの日はほとんど親の世話である。色々な機関にいって、知らない事を覚えたり、認定をもらってくるために役所などにも何度行ったことだろう。もう、ほとんど私の休日は自分の時間が無い。それでも、私は今、時間を作って自分の草野球チームのグラウンド確保や、対戦相手探しも迷惑をかけないようにやっている。昨日は7月21日に行った自チームの試合のビデオをDVDビデオレコーダーにダビングして、明日の試合のためにビデオカメラの電池をリチャージして、カバンの中に収めたりした。今後も、もっと戦いは続いていくと予想される。
野球は全て自分の責任である。自分が結成した草野球チームであるから、自分が全ての仕事をやっている。だが、明日の試合で今の自分の状況を言い伝えなければならない。今、自分が毎日親の食事を作って実家に持って行っている事。絶対に言いたくないのは「草野球チームの仕事に対しての時間が無い」と言うことだ。何しろ、私にとって草野球チームを運営管理していることは「ライフワーク」であり、今後も生きていく上で非常に大切な「生きがい」であるのだ。そして、3年前の5月から継続している草野球活動への皆勤賞は、私にとっては「連続試合出場」のようなものであり、これをストップさせたくない。これは本音である。とにかく、困難があっても「言い訳」するような逃げるのは嫌なのだ。この猛暑の7月8月を、良く耐えたと思っている。振り返れば信じられないくらい厳しい夏だったと言える。台風も来たりして、かなり運転にも神経を配らなければならなかったのではあるが、良く自分でも2か月間、ノンストップで親の食事を作って持って行ったものである。だが、これからの戦いの方がさらに長いのだ。病気の進行を遅らせるために、なんとか踏ん張って行きたい。
そして、野球も全力でやっていこうと思っている。
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