俺から見たバルセロナ対エスパニョール

リーガ・エスパニョーラ再開。

 

第15節、バルセロナ対エスパニョール。バルセロナ・ダービーです。

 

バルサは前日にレバンドフスキの出場停止処分が保留になり、先発出場。

 

GKはテア・シュテーゲン、DFラインは右からセルジ・ロベルト、クリステンセン、マルコス・アロンソ、アルバ。アンカーにデ・ヨング、CHは左にペドリ、右にガビ。前線は右からハフィーニャ、レバンドフスキ、ファティ。4-3-3で臨みました。

 

また、コンディションに差はありそうですが、全ての選手が怪我から復帰しました。

 

前半

エスパニョールは4-5-1で守備ブロックを作ってゴールを奪われないことを最優先。

 

バルサがボールを保持し、様子を伺う互角の立ち上がりです。

 

6分、ガビが右ハーフスペースからダイアゴナルにDFラインの裏に走り出します。左サイドのアルバがその動きに合わせてフィード。ガビがボールコントロールを少し失敗しますが、スライディングシュート。アルバロ・フェルナンデスがセーブ。

 

直後の左コーナーキック。ニアでレバンドフスキがヘッドで合わせますが、ボールは枠の右へ流れます。クリステンセンが反応し、ヘッドで折り返し、マルコス・アロンソがアルバロ・フェルナンデスの前に入り込み、ヘッドで押し込みます。

 

バルサが先制し、勢いづきます。

 

10分、右からバルサの速攻。セルジ・ロベルトがドリブルで持ち上がり、前方のハフィーニャにパス。ハフィーニャはドリブルで仕掛けると見せて中央のペドリにパス。ペドリは素早く左ハーフスペースのファティにパス。ファティは中に持ち出しシュート。枠を大きく外します。

 

バルサはボールを奪われたらすぐにプレスをかけてエスパニョールに無理な縦パスを出させてボールを回収していきます。

 

18分、バルサの右コーナーキック。左に抜けてしまったボールをアルバが拾ってサイドをえぐってニアへクロス。マルコス・アロンソがフリーで走り込んで合わせますが枠の左へ外します。

 

追加点を奪う絶好機でした。

 

20分、セットプレーの流れから右のマルコス・アロンソがアーリークロス。中央でDFに前に入り込んだファティがヒルを背負いながらボレーシュート。ミートしきれず枠の左へ外します。

 

23分、エスパニョールがハーフウェーライン手前からビルドアップの縦パス。甘いパスをガビが見逃さずカット。前方にいたレバンドフスキが回収し、ガビに落とします。ガビはカブレラに潰されながらも右ハーフスペースへスルーパス。ハフィーニャが走り込みますが、ボールコントロールを少し失敗。縦に運んでしまいシュートコースをせばめてしまいます。しかし、ハフィーニャはそのままシュート。全力で追いかけてきたオリバンがスライディングブロック。

 

32分、右サイドでファティからボールを奪ったエスパニョールのカウンター、素早く左のニコに展開します。ニコはセルジ・ロベルトと1対1になりカットインからシュート。セルジ・ロベルトの体に当たり枠の右。

 

36分、右からハフィーニャがカットインからシュート。ボールはオリバンの股下をかすりニアへ。アルバロ・フェルナンデスがファインセーブ。

 

終盤、バルサは3人目の動きが減り、ペースダウン。前半は1-0とバルサがリードしており返します。

 

後半

前半同様、バルサが優位に試合を進めます。

 

54分、バルサが左からフリーキック。ファーサイドに抜けたボールをマルコス・アロンソが拾ってクロス。中央でレバンドフスキがマークを外してヘディングシュート。枠の右に外れます。

 

57分、エスパニョールが2人の選手交代で攻撃に出ますが、さほど効果がなく時間が経過していきます。

 

72分、左サイドからダルデルがワン・ツーを使って中央に入り込み右ハーフスペースのブレイスウェイトに楔を入れます。ブレイスウェイトはフリックで中央にパス。ホセルがボールを受けてシャペウでDFをかわそうとし、落下点に向かってジャンプ。ホセルの背後から体を寄せようとしたマルコス・アロンソの足がホセルのかかとを踏んでしまい、ホセルが転倒。主審のマテウ・ラオスの判定はP.K.テア・シュテーゲンがゴールライン上を左右に大きく動き、キッカーのホセルと駆け引きを行います。ホセルは惑わされずにゴール正面に蹴り込みます。

 

エスパニョールが同点に追いつきます。

 

そこから試合は思わぬ展開に・・・

 

74分、バルサの左サイドでエスパニョールがファールを犯し、アルバの抗議を含めてバルサ1人、エスパニョール2人にイエローカード。

 

直後にフェラン・トーレスがゴールエリア内でシミュレーションを取られてイエローカード。どう見てもDFとの接触で倒れただけでどちらのファールでもない感じがします。

 

さらにペドリが抗議でイエローカード。

 

エスパニョールの左サイドでバルサがファール。抗議でアルバが2枚目のイエローカードで退場。

 

2分後にはバルサのカウンターを止めようとしたソウザ2枚目のイエローカードで退場。倒れたレバンドフスキにぶつかったカブレラ?にもレッドカード。しかし、カブレラにはVARが介入し、レッドカードが取り消されます。

 

エスパニョールの同点ゴールからわずか7分でカードが7枚で2人退場。主審のマテウ・ラオスのカード連発で10人対10人になりました。

 

86分、バルサの右コーキック。ファーサイドでクリステンセンがヘッドで合わせますが、アルバロ・フェルナンデスがファインセーブ。

 

87分、左サイドのバルデがドリブルで中央に進入し、左ハーフスペースのレバンドフスキにスルーパス。レバンドフスキはアルバロ・フェルナンデスの股抜きシュートを狙いますがアルバロ・フェルナンデスがファインセーブで抜かせません。

 

91分、エスパニョールがペナルティエリアの脇、左サイドからロングスロー。ブスケツがヘッドでクリアを試みますが上に上がり、いち早く落下点に入ったホセルがオーバーヘッド。クリステンセンがブロック。

 

終盤、バルサが猛攻を仕掛けますがシュートが枠に行かず得点は奪えず。1-1の引き分けに終わりました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#8ペドリ&#21デ・ヨング

2人でアンカーとCHを務める。デ・ヨングの動きに合わせてペドリが埋める形で機能していた。ただ、ペドリの持ち味を活かすなら前に置いておきたい。

 

#28バルデ

ラスト15分での起用だったが何度もドリブルでチャンスを作る。ワールドカップも経験し、一気にレベルアップした印象を受けた。ただ、短時間でのパフォーマンスなので先発した時にも活躍できるかが今後の見どころ。次のアトレティコ戦はアルバが出場停止だから先発確定なので期待したい。

 

#10ファティ

シュートを枠に飛ばしたい。動きは良くもなく悪くもなくという感じ。

 

#22ハフィーニャ

決定機を決めたかった。

 

#7デンベレ

コンディション不良。時間の経過と共に足を滑らせたり、ボールをコントロールできなかったりと散々。パスミス、シュートミスといったキックミスも多かった。

 

#18アルバ

抗議でイエローカード2枚もらって退場。熱い気持ちはあっていいが、経験豊富なベテランなのだからメンタルコントロールをしたい。

 

#11フェラン・トーレス

存在感がない。

 

#9レバンドフスキ

急遽出場できることになった影響があり、パフォーマンスが不安定。ヘッドは決めておきたかった。

 

エスパニョール

#10ダルデル

攻撃のキーマン。ボールが収まるし、攻撃の起点になれる。相変わらず巧い。

 

#25アルバロ・フェルナンデス

ファインセーブ連発で勝ち点1に大きく貢献。

 

総括

バルセロナ

3人目の動きを絡めた攻撃、前線でのフリーランニングにボールが出るとチャンスになるがダメなときは、足元へのパスが続き、エスパニョールの守備ブロックの外でパス回しになってしまう。前半、エスパニョールを押し込んでいる時間帯(先制点から30分くらいまで)に追加点を奪えれば良かった。自らアクションを起こし、試合中に相手を圧倒できる時間帯を作れるようになりたい。後半開始時や選手交代を機に意図的にハイプレスをかけるとか、3人目の動きやフリーランニングを増やしてとかして、ゲームの主導権をがっちりつかみにいきたい。

 

エスパニョール

まずは失点をしないことを最優先にした戦い方だった。勝ち点1を得たので大満足の結果と言える。守備を固めてどのように点を奪うかが今後の課題になりそうだが、今回はバルサ対策でやっていそうなので、同じレベルの相手だと確立されているかもしれない。ホセルも7点奪っているし。

 

おまけ1

マテウ・ラオスが試合のすべてをぶち壊しました。ワールドカップのアルゼンチン対オランダ戦でカード連発し、メディアなどに叩かれていましたが、今回はそれ以上にひどい。本人のためにも冷静に試合を振り返る時間を取ってあげたほうがいいと思います。

 

おまけ2

ワールドカップを観て、今回のバルサ戦を思って感じたこと。5人の交代枠で試合の流れを変えられる指揮官が今後台頭してくると思います。監督が5人の交代枠を使って「ハイプレスをかけろ」「中央を固めて失点を防げ」「DFラインの裏を狙え」等の明確なメッセージを送り、試合をコントロールできるようになることを、日本代表を始め、様々な国の指揮官がワールドカップで証明しました。

 

この試合では、エスパニョールの指揮官ディエゴ・マルティネスは57分に2人交代で攻撃的な選手を投入し、機能はしなかったものの意思表示を見せました。一方、バルサの指揮官シャビは、62分に同じようなタイプの両WGをそのまま入れ替え、疲労を考慮したから交代させた感じに見えました。退場者が出てからの交代では、バルサは左SBの穴埋めに使った形、エスパニョールは失点を防ぐために守備的な選手を次々と投入。

 

指揮官対決ではディエゴ・マルティネスの圧勝と言っていいと思います。今後、シャビにはパターン化した交代だけでなく、失敗してもいいので試合の流れを変えるような選手交代を期待したいと思います。

 

おまけ3

最後に、近年インターネットの発達で情報化社会になり、どこでもサッカーが均一化されてきました。その結果、ワールドカップで新しい戦術やフォーメーションが生まれることは少なくなり、ヨーロッパサッカーが主体となって毎年戦術がバージョンアップされてきました。しかし今回のワールドカップで、5人の選手交代によって監督が試合に与えることができる影響力の大きさに気が付きました。3人だと「ごく稀に」でしたが、5人だと「頻繁に」起こりえます。サッカーを見る新たな視点になりそうです。

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