俺から見たバルセロナ対パリ・サンジェルマン

チャンピオンズリーグ準々決勝、バルセロナ対パリ・サンジェルマンです。

 

バルサは出場停止のセルジ・ロベルトに代えてペドリを起用。その他は変えず4-2-3-1で臨みました。

 

パリ・サンジェルマンはCFにエムバペ、左WGにバルコラ、右WGにデンベレを起用しました。

 

前半

パリ・サンジェルマンがボールを保持。前からのプレスで攻勢に出ます。

 

一方、中央はやらせないように固め、バルサは後方でのビルドアップをするというよりは開始直後からレバンドフスキに早めの楔を入れていきます。

 

デンベレにボールが入るとスタジアム全体がブーイング。デンベレはちょっとやりづらそうにしています。

 

11分、アラウホが右サイドのヤマルにフィード。ヤマルはヌーノ・メンデス相手に縦にドリブル突破し、サイドをえぐって鋭いクロス。ニアに走り込んだラフィーニャが合わせて先制します。

 

トータルスコアは4-2、バルサが2点をリードします。

 

先制したバルサには余裕が、パリ・サンジェルマンには、少し焦りが見てとれます。

 

19分、アラウホがパリ・サンジェルマン陣内左ハーフスペースでボールカット、ラフィーニャがボールを拾い、左サイドのデ・ヨングとのワン・ツーで抜け出しマイナスのクロス。DFがクリアしますが、ボールはペナルティエリア内左サイドにいたレバンドフスキのもとへ。レバンドフスキは中へ持ち出し強烈なシュート。枠の上に外します。

 

追加点のチャンスを逃します。

 

27分、右ハーフスペースからデンベレが左のバルコラに大きなサイドチェンジ。バルコラはドリブルで仕掛けると見せてニアへパス。走り込んだエムバペがダイレクトシュート。テア・シュテーゲンがファインセーブ。

 

29分、アラウホが右サイドに出した縦パスをヌーノ・メンデスカット。ダイレクトで前線にフィード。バルコラはが抜け出し、ゴールに向かってドリブル。アラウホが後ろからショルダーチャージと共に手をかけます。主審の判定はペナルティエリアの外でのファール。アラウホにはレッドカードが提示されます。

 

個人的にはペナルティエリア内のファールに見えました。P.K.でイエローカードが妥当かなと思います。また、バルコラのボールコントロールはアラウホを意識してとても大きかったので、アラウホが触らなかった場合はテア・シュテーゲンがキャッチしていた可能性も高かったと思います。

 

フリーキックはデンベレが直接ゴールを狙いますが枠を外します。

 

33分、バルサはヤマルに代えてイニゴ・マルティネスを投入します。

 

パリ・サンジェルマンからすると、ヤマルのドリブル、ラフィーニャのフリーランニング、レバンドフスキの中央での存在感、どれも嫌だったと思います。そこを考えれば、無理に交代せずに、デ・ヨングをCBに置いて、両WGをSHの位置まで下げて対応するのがベストではないかと思いました。

 

39分、バルサを押し込み、左ハーフスペースでヴィティーニャがパスを出すキックフェイントを繰り返し、バルサDFを翻弄し、左のバルコラに展開。バルコラはDFとGKの間に鋭いクロス。中央のエムバペには合わず、ファーサイドのデンベレが蹴り込みます。

 

パリ・サンジェルマンが1点を奪い、トータルスコア4-3と1点差に詰め寄ります。

 

この1点でデンベレが勢いづきます。

 

47分、左ハーフスペースからヌーノ・メンデスがアーリークロス。ファーサイドのデンベレがインサイドボレーで合わせますが、わずかに枠の左。

 

トータルスコアは4-3とバルサがリードして折り返します。

 

後半

パリ・サンジェルマンがバルサを押し込みます。

 

48分、右45度からハキミのミドルシュート。テア・シュテーゲンの手前でバウンドして軌道が変わりますが、テア・シュテーゲンがセーブ。

 

51分、右の伝兵衛がカットインして中央のエムバペにパス。エムバペはタメてから左ハーフスペースのファビアン・ルイスにパス。ファビアン・ルイスは縦に持ち出しシュート。わずかに枠の右に外れます。

 

53分、パリ・サンジェルマンの右コーナーキック。ショートで始めて中央ペナルティエリアの外にいたヴィティーニャに素早く展開。ヴィティーニャはフリーでミドルシュート。ゴール左下隅に決めます。

 

パリ・サンジェルマンがトータルスコアで追いつきます。

 

55分、左サイドに出たボールをペドリがキープして寄ってきたレバンドフスキにパス。混戦状態で、一度は奪われますがペドリが奪い返し、レバンドフスキが拾って中央にパス。ギュンドアンが受けてミドルシュート。ニアサイドのポストの外側に当たり、ゴールラインを割ります。

 

直後にシャビが物品を蹴飛ばして退席処分になります。

 

バルサは攻撃に出始めます。

 

58分、ペナルティエリア内右サイドでデンベレがボールを受けますがボールコントロールをミス。右前方にボールが流れます。奪えると思ったカンセロはスライディング。ボールとデンベレの足を一気にかっさらいます。主審の判定はP.K.エムバペが決めてトータルスコアでパリ・サンジェルマンが勝ち越します。

 

64分、左サイドからペナルティエリアに進入したギュンドアンの足にDFの足が当たって、ギュンドアンは転倒。ギュンドアンはファールを主張しますが、ノーファールでギュンドアンにはイエローカードが提示されます。

 

個人的には、カンセロのスライディングでP.K.なのであれば、ギュンドアンの足がかかったプレーもP.K.ではないかと思います。

 

パリ・サンジェルマンがペースを落として、ゲームをコントロールし始めます。

 

72分、バルサの速攻。右サイドのラフィーニャが中央バイタルエリアのレバンドフスキにパス。レバンドフスキは中にボールを流して左足ミドルシュート。ドンナルンマがセーブ。こぼれ球をフェラン・トーレスが詰めますが、マルキーニョスがクリア。

 

77分、バルサの速攻。中央でフェラン・トーレスがスルーパス。ラフィーニャが中央左に流れながら縦に持ち出しシュート。枠の右に外します。

 

88分、バルサの右コーナーキック。ラフィーニャが直接狙いますがドンナルンマが外にはじき出します。

 

直後のコーナーキックをはね返したパリ・サンジェルマンのロングカウンター。右サイドでハキミが長い距離をドリブルで駆け上がり、中央のエムバペにスルーパス。エムバペはDFに追いかけられながらもシュート。テア・シュテーゲンがファインセーブ。こぼれ球をアセンシオがシュート。これもテア・シュテーゲンがファインセーブ。こぼれ球をクンデがクリアするも戻ってきたフェルミン・ロペスに当たり、ボールはエムバペの前へ。エムバペは迷いなく蹴り込みます。

 

トータルスコア6-4。パリ・サンジェルマンがダメ押し点を奪い試合終了。パリ・サンジェルマンがベスト4に進出しました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#4アラウホ

調子は悪くなかっただけに退場シーンが悔やまれる。映像を見直したところ、バルコラを追いかけて近寄った時点で、バルコラはボールを先に触ろうとつついています。追いかけただけでも相当なプレッシャーはかかっているので、あとはテア・シュテーゲンに任せて良かった。この経験を次に生かしてほしい。

 

#27ヤマル

無念の途中交代。先制点のアシストは圧巻のプレーだった。1試合を通じて観たかった。

 

#2カンセロ

デンベレ絡みで2失点に関与。攻撃力が持ち味だが、基本的な守備力がないとこのレベルでは命取りになってしまう。

 

#8ペドリ

開始直後からコンディションが良さそうだったが、SHで起用されて持ち味はほとんど出せず。

 

#22ギュンドアン

試合後のコメントが全てを言い表している。将来とてもいい監督になりそう。

 

#1テア・シュテーゲン

4失点は仕方がないものばかり。ファインセーブも数多くあり、いなかったらもっと点差は広がっていた。

 

パリ・サンジェルマン

#10デンベレ

開始直後はブーイングにひるんでいた感じがしたが、1点を取れたことで自信を取り戻す。元々並のある選手なので、沈んでいてほしかった。

 

#8ファビアン・ルイス&#17ヴィティーニャ

パリ・サンジェルマンの要。この2人が攻守に置いて存在感を発揮した。

 

#29バルコラ

左サイドで攻撃の起点となる。多分、バルサはエムバペが来ると思って対策していたら、バルコラで勝手が違ったのだと思うが、とてもいい仕事をしていました。

 

総括

バルセロナ

主審の判定に泣かされた部分がないとは言い切れないが、バルサの自滅に近い。勝敗を分ける分岐点はいくつもあった。アラウホの判断ミス、ヤマルを下げる交代策、後半から1点を守りに入る、同点に追いつかれた後のリアクション(攻めに出るのか、変えずに守備に力を注ぐのか)、シャビ監督の退場。試合の入り方は予想通りで、非常事態への対応が全て悪手になってしましました。一番冷静に対策を考え、実行に移すべき指揮官が退場してしまってはチームとしては成り立ちません。アトレティコ・マドリードの闘将シメオネは現役時代から熱い人でしたが、監督になってからは情熱と冷静な判断を両立している監督です。一方シャビは感情が高ぶると冷静な判断ができなくなります。バルサの監督になってからの2年半くらいでイエローカードを15枚ももらっているそうです。アラウホの退場から立て直せる瞬間はいくつかあったと思います。次はクラシコ。リーガ・エスパニョーラでは勝ち点8も離れているので優勝は難しそうですが、クラシコは別物。勝利を目指して全力を尽くしてほしいと思います。

 

パリ・サンジェルマン

そこまでチームパフォーマンスが良かったとは言えないが、試合開始から得点を奪おうという姿勢を見せた。ただ、個人的にはエムバペを抑えられた時の攻撃パターンがあるといいと思いました。スペースがあると活きるエムバペですが、敵に守備ブロックを作って中央を固められると攻撃力が半減します。そこを解決できるとチーム力が一段と上がると思います。

 

おまけ

主審の判定に一言。どちらがホームかわからない展開になっていました。バルセロニスタなので、バルサ贔屓な部分はあるかと思いますが判定の基準が曖昧。バルコラがペナルティエリアに入って倒されているのに外からのフリーキック。DOGSOを適用しレッドカードかとは思いますが、バルコラのボールコントロールはとても大きく、テア・シュテーゲンにキャッチするチャンスもかなりありました。デンベレとギュンドアンのファールも同様。一サッカーファンとして、公正なジャッジでこの試合を楽しみたかったです。

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