俺から見たコパ・デル・レイ決勝:バルセロナ対レアル・マドリード

コパ・デル・レイ決勝、バルセロナ対レアル・マドリードのクラシコです。

 

バルサは順当に現在のベストメンバーを先発で送り出しました。レアルは、エムバペがベンチスタート。怪我明けのメンディはスタメン起用されました。

 

前半

レアルはヴィニシウスの1トップで右SHにセバージョスを入れ、中盤のバルベルデは少し高い位置。チュアメニがアンカーに近い位置をとる4-1-4-1と4-2-3-1の中間ぐらいの守備ブロックを作ります。

 

バルサはいつも通りしっかりボール保持しつつ、奪われるとハイプレスを仕掛けます。

 

2分、中央のペドリが左のジェラール・マルティンに展開。ジェラール・マルティンは鋭いパスをニアに送り、フェラン・トーレスが縦に持ち出し右アウトサイドでクロス。チュアメニがクリア。

 

開始早々バルサがゴール前に迫ります。時間の経過と共にバルサが押し込み始め、主導権を握ります。

 

11分、メンディが足を痛めてフラン・ガルシアと交代します。

 

16分、バルサのカウンター。デ・ヨングが自陣中央でボールを奪い、そのままドリブルで持ち上がります。リュディガーがテクニカルファールで止めますが、こぼれ球をヤマルが左ハーフスペースへフィード。ラフィーニャがヘッドで前に持ち出しGKとDFの間にクロス。フェラン・トーレスが飛び込みますがわずかに合わず、後方からスライディングを仕掛けたバルベルデの手に当たります。スライディングの際に体を支える手だったので、ノーファールは妥当な判定でした。

 

18分、ヤマルが右サイドでボールを受けて中に持ち出しフラン・ガルシアをかわしてファーへグラウンダーのミドルシュート。ボール1個分枠の左に外れます。

 

20分、バルサが左からフリーキック。中央でクンデが合わせますがクルトワが上にはじき出すファインセーブ。

 

27分、レアルのカウンターをクバルシがスライディングカットし、バルサがカウンター。こぼれ球をペドリが拾って右へ大きくフィード。ヤマルが受けてポケットを取るべくドリブル。中央ではフェラン・トーレスとラフィーニャがクロスを受けるべく走り込み、レアルDFが下がります。また、ニアの後方にダニ・オルモが構えます。ヤマルはドリブルで3人を引き付けて中央にマイナスクロス。後方からフリーで走り込んだペドリがダイレクトシュート。ゴール左上に決めます。

 

バルサがペドリのゴラッソで先制します。

 

34分、レアルのカウンター。左に流れてボールを受けたヴィニシウスがアーリークロス。中央に走り込んだベリンガムには合わず、イニゴ・マルティネスがヘッドでクリア。小さくなったボールを右ハーフスペースで拾ったセバージョスが寄せてきたイニゴ・マルティネスの股を抜くスルーパス。ベリンガムが受けてゴール左に流し込みます。しかし、ベリンガムはオフサイドでノーゴール。

 

47分、バルサの左コーナーキック。ダニ・オルモがニアに入れたボールをフェランがフリックしようとしますが触れず。抜けたボールはリュディガーの股を抜けてファーサイドへクバルシが足を伸ばして押し込もうとしますが、セバージョスがクバルシのユニフォームを引っ張って抑えクバルシは押し込めず。ボールは右ポストに嫌われます。

 

VARでの確認はなかったようでファールもなし。個人的にはユニフォームがめくれるほど引っ張っていたし、それがなければボールに足が届いていた可能性は高かったと思うのでバルサにP.K.が与えられるべきシーンでした。

 

前半は1-0とバルサがリードして折り返します。

 

後半

レアルはロドリゴに代えてエムバペを投入します。

 

47分、左ハーフスペースボランチの脇でボールを受けたラフィーニャが強烈なミドルシュート。クルトワが正面でキャッチ。

 

48分、ゴールキックをショートパスで始めようとしたレアルですが、バルサのハイプレスを警戒してクルトワのロングキックに変更。クルトワはDFラインが上がり切らないままフィード。一度ははね返されますが、こぼれ球をベリンガムが1人で奪い、ペドリをかわして右ハーフスペースへスルーパス。ヴィニシウスが抜け出し右に持ち出してシュート。イニゴ・マルティネスがスライディングでファーサイドのシュートコースを消し、ニアをケアしたシュチェスニーがファインセーブ。跳ね返りをヴィニシウスが拾って角度のないところからニアへシュート。体勢が崩れたシュチェスニーですが再びファインセーブ。

 

直後のコーナーキック。中央の混戦からリュディガーがヘッドも枠の左。

 

50分、バルサの速攻。ペドリが右ハーフスペースを持ち上がり右にいたヤマルにパス。ヤマルはトラップからワンステップでサイドチェンジ。ペナルティエリアの角で受けたラフィーニャが足元にぴたりと止めてタメてから中へパス。フリーで走り込んだダニ・オルモがトラップからシュートも、バルベルデが何とか追いついてブロック。

 

レアルはルカス・バスケスとセバージョスを下げてモドリッチと、アルダ・ギュレルを投入。バルベルデを右SBにして勝負を仕掛けます。

 

52分、エムバペが左サイドの高い位置でボールを受けてクバルシと1対1。エムバペは戻りながらのカットインをすると見せて縦に持ち出しシュート。読んでいたシュチェスニーがしっかりと距離をつめてブロック。

 

シュチェスニーの熟練の業が光りました。

 

54分、バルサのカウンター。自陣中央で下がってボールを受けたフェラン・トーレスが前線に縦パス。中央に走り込んだダニ・オルモがボールを受けて、左のラフィーニャ、右のヤマル対ラウール・アセンシオ、リュディガーと3対2の状況を作ります。ダニ・オルモはドリブルから左のラフィーニャへパス。ラフィーニャはシュートを放ちますが蹴りそこなって枠の左へ外します。

 

55分、レアルの速攻。エムバペがペナルティエリアの右角でボールを受けてカットインをちらつかせてDFを引き付けて中央へパス。ヴィニシウスの前でカットしようとしたクンデでしたがヴィニシウスが左に持ち出しかわされます。ヴィニシウスはカバーに入ったクバルシをシュートフェイントでスライディングさせてゴール右へシュート。シュチェスニーと戻ったクンデの二人がシュートブロックし、寝ていたクバルシが足を出してカット。シュチェスニーがキャッチします。

 

レアルの交代策により、試合展開がオープン且つ早くなります。

 

58分、レアルは前線からプレスを仕掛けてモドリッチがペドリを左に追いやりスライディングでボールカット。こぼれ球をヴィニシウスが拾ってカットインからミドルシュート。枠の右に外れます。

60分、自陣右サイドでクンデがボールを受けます。前線でフェラン・トーレスが中央から右に流れ、レアルDFを引き付けます。クンデはフェラン・トーレスが空けた中央へフィード。ダニ・オルモが走り込み右に持ち出しヒールパス。中央に走り込んだフェラン・トーレスが受けて左ハーフスペースのラフィーニャへパス。ラフィーニャはミドルシュートも蹴りそこない枠の右。

 

先ほどラフィーニャが外した場面を思い出す外し方でした。もったいない。

 

61分、右サイドでボールを回したレアルはモドリッチが上手くポケットに進入してDFとGKの間に鋭いクロス。クンデが何とかクリア。

 

レアルは誰かが飛び込んで押し込めば1点でした。

 

67分、中盤でペドリがボールキープ。ベリンガムが寄せてボールをつつき、ヴィニシウスが拾って左から中央に入ってきたエムバペにボールを預けます。スピードに乗ったエムバペは対面したイニゴ・マルティネスを股抜きで抜き去り、後方から追ってきたデ・ヨングに手をかけられ体勢を崩しながらもシュート。枠の左に外れます。しかし、デ・ヨングのファールでフリーキックを得ます。

 

ゴール正面からのフリーキック。シュチェスニーは左に壁を作りますが、エムバペは壁の左に強烈なシュート。サイドネットに突き刺します。

 

レアルが同点に追いつき、勢いづきます。

 

73分、レアルのカウンター。左サイドでボールを受けたヴィニシウスがカバーに入ったイニゴ・マルティネスのスライディングをかわしてサイドをえぐってマイナスクロス。ニアに走り込んだエムバペの手前でクバルシが何とかクリア。

 

76分、レアルの右コーナーキック。ギュレルが入れたボールに中央でクンデのマークを外したチュアメニがヘッドで押し込みます。

 

レアルが逆転に成功します。

 

81分、ヤマルが右サイドのペナルティエリアの角でボールを受けて中に持ち出しミドルシュート。クルトワがファインセーブ。

 

83分、バルサのカウンター。自陣右サイドでボールを受けたヤマルが前線にフィード。リュディガーの裏を取ったフェラン・トーレスが走り込み、クルトワの手前で触って右に持ち出しゴールへ流し込みます。

 

バルサが同点に追いつきます。

 

94分、ペナルティエリアの右でフェラン・トーレスがボールキープ。リュディガーが後方から足を出してフェラン・トーレスを倒します。主審は笛を吹かず、VARの介入もなし。

 

これも明らかにリュディガーのファールだと思いますが、バルサにP.K.は与えられません。

 

95分、ラフィーニャが左45度からラウール・アセンシオ相手にカットインを仕掛けて転倒。主審は笛を吹きバルサがP.K.獲得。しかし、VAR確認、オンフィールドレビューを経てノーファール。ラフィーニャはダイブを取られてイエローカード。

 

こちらはファールなしで妥当な判定に思えます。イエローカードを出すか出さないかはラウール・アセンシオと少し接触しているので微妙な状況に見えました。

 

2-2で後半は終了。延長戦に突入します。

 

延長前半

バルサは運動量が落ち、前線でのフリーランニングがなくなり、少々手詰まり。速攻を仕掛けるレアルが主導権を握ります。

 

103分、左SBにポジションを移したイニゴ・マルティネスが左ハーフスペースのフェルミン・ロペスにパス。フェルミン・ロペスはさらに中にいたラフィーニャへパスしてDFともつれながらポケットに走り出します。ラフィーニャはフェルミン・ロペスをおとりに使い、ニアのフェラン・トーレスに楔を打ち込みます。フェラン・トーレスは縦に持ち出しシュート。枠の右へ外れます。

 

延長前半はスコアは動かず終了します。

 

延長後半

106分、バルサの速攻。フェルミン・ロペスが右サイドを抜け出しクロス。中央のフェラン・トーレスが受けてニアに蹴り込みますがオフサイド。

 

112分、右サイドからアルダ・ギュレルがアーリークロス。中央にベリンガムが飛び込みますが、わずかに合わず。

 

115分、バルサは左サイドの高い位置でモドリッチにプレッシャーをかけます。モドリッチは左ハーフスペースのブラヒム・ディアスにパス。クンデがブラヒム・ディアスの前でボールカットしてバイタルエリアに進入してグラウンダーのミドルシュート。左サイドネットに突き刺します。

 

バルサが勝ち越しに成功します。

 

117分、左サイドでボールを受けたフラン・ガルシアがファーストタッチで縦に持ち出し、バックパスを予想したヤマルをかわし、前方左ハーフスペースのブラヒム・ディアスにパス。ブラヒム・ディアスはタメてから中央に走り込んだエムバペにパス。エムバペはイニゴ・マルティネスをかわして右に抜け出しシュートに行こうとしますがガビがスライディングし、ボールは右へ。主審は笛を吹きペナルティスポットを指しますが、すぐに手を挙げてオフサイドに変更。リプレイを見るとブラヒム・ディアスがオフサイド。ガビのスライディングもエムバペの股下から足がボールを捉えており、オフサイドがなかった場合でもノーファールに変更になったかもしれません。

 

その後、エムバペのドリブル突破にエリック・ガルシアが対応し、エムバペの出した手が当たってファールを取られてレアルベンチが激昂。リュディガーが物を投げ入れて退場。

 

3-2でバルサが勝利。コパ・デル・レイを制しました。

 

気になったプレーヤー

#19ヤマル

2アシストで勝利に貢献。連戦の疲れでキレが失われつつある。試合終了間際には足が痙攣していたとように見えた。しっかり休養を取ってインテル戦に備えたい。

 

#8ペドリ

いつも通りハイレベルなプレーを魅せるが、モドリッチやベリンガムにボールをつつかれてロストしてピンチを招くこともあった。後半のレアルのようにペドリからボールを奪ってチャンスを作ろうとするチームが出てくることが想定されるので、ペドリのフォローにいくこともチームとして考える必要がある。

 

#7フェラン・トーレス

大一番で同点ゴール。前線で奮闘し勝利に貢献。

 

#11ラフィーニャ

同じようなキックミスで得点機を逃す。疲労が溜まっているのだと思う。こちらもしっかり休養を取ってインテル戦に備えたい。

 

#23クンデ

値千金の決勝ゴール。よくやった!!

 

#25シュチェスニー

セットプレーから2失点したもの安定したパフォーマンスを魅せた。

 

#35ジェラール・マルティン

今までで一番良かった。連携もスムーズだったし、守備も安定していた。この試合得た自信で大きくレベルアップを遂げそうな予感がします。

 

#20ダニ・オルモ

ライン間の受け、フリーランニングで攻撃を牽引。

 

#5イニゴ・マルティネス&#2クバルシ

体を張ってレアルの攻撃を止める。決定機手前で防げたのはこの2人とシュチェスニーの貢献がとても大きい。

 

レアル・マドリード

#5ベリンガム

モドリッチがペドリからボールを奪い決定機を作ったあたりから中盤でボールカットして攻撃の起点になる。また、一人でボールキープして前に進める推進力は脅威。このまま成長するとボックストゥ―ボックスのジダンになりそう。

 

#7ヴィニシウス

勝手なイメージだけど、大一番にあまり強くない気がする。

 

#10モドリッチ

途中出場で主導権を奪う活躍。ペドリからボールを奪えることを示したのが一番のプレー。決勝点を与えてしまった場面は、直後にブラヒム・ディアスに「ボールに寄れ」と言っていたようだし、クンデのカットまで時間があったのでモドリッチだけの責任ではない。

 

#9エムバペ

スピードに乗ったドリブルは脅威だが、ある程度スペースを限定されると半減。半減されても突破力はあるが、DFに二重三重にカバーに入られると厳しい。

 

総括

バルセロナ

前半は上手く試合を運ぶことができたが、モドリッチが投入されたぐらいから試合のコントロールを失う。あの段階で上手くレアルの攻撃をいなすことができたらチームとしてもう1つレベルアップができる。延長戦は前線がガス欠で攻撃が手詰まりになってしまいレバンドフスキ不在の影響を感じさせたが、クンデのミドルシュートに救われた。バルサらしいサッカーで優勝したことは若手の多いチームにとって素晴らしい経験になる。次はインテル戦に向けてコンディションを整えて臨みたい。

 

レアル・マドリード

前半のヴィニシウスのCF、セバージョスのSHは全くと言っていいほど機能しなかった。後半に入り、腹をくくって勝負に出て勝ち越すもののチームの土台と戦術、ゲームプランが見えない印象だった。レアル・マドリードだから「最後まで勝負は分からない」という雰囲気(希望的観測)はあるものの、今のチーム状況だと土台がないので大一番ではそれを期待するのは難しい。クロースの引退で中盤のコンダクター不在を嘆く声も聞かれるが、それ以前にチームの状況を整理して土台を作る必要がある。このままだと5月11日のクラシコも同様の結果が待っている気がします。

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