俺から見たバルセロナ対インテル

チャンピオンズリーグ準決勝ファースト・レグ、バルセロナ対インテルです。

 

バルサは現時点のベストメンバーで臨みました。

 

前半

0分、インテルはキックオフから最後方までボールを下げてアチェルビが左サイドへフィード。ラウタロ・マルティネスがヘッドで中へ落とし、左ハーフスペースでボールを受けたテュラムが中央のバレッラにパス。バレッラはトラップから右サイドへフィード。走り込んだダンフリースが受けてクロス。ファーサイドでクンデがクリアしますが、ダンフリースの後方にいたバレッラが拾ってもう一度ダンフリースにパス。ダンフリースはニアへクロス。逆を取られたイニゴ・マルティネスが足を滑らせ転倒し、マークに付かれていたテュラムも同じく自身の後方にボールが来ますがバックヒールでシュート。ゴール左へ流し込みます。

 

インテルが最初のチャンスを活かしていきなり先制します。

 

先制されたバルサでしたが、その後はポゼッションを高めて押し込み始めます。インテルは守備を固めてカウンター狙いです。

 

11分、右サイドでボールを受けたヤマルが中に持ち出して中央へパス。バイタルエリアでフリーになったフェラン・トーレスが受けてミドルシュートも枠の右。

 

18分、バルサの左コーナーキック。ニアでDFにクリアされますが、クリアボールをフェラン・トーレスがゴールエリアの左角で胸トラップからボレーシュート。ボール1個分右に外れます。

 

20分、インテルの左コーナーキック。ファーサイドでジェラール・マルティンに競り勝ったアチェルビがヘッド。中央に上がったボールにダンフリースがバイシクル気味のジャンピングボレー。豪快にネットに突き刺します。

 

インテルが2-0とリードを広げます。

 

バルサに嫌な空気が漂い始めます。

 

23分、右サイドでヤマルがクンデと交錯しながらボールを受けます。ボールを奪えるチャンスと見たテュラムが体を寄せますが、ヤマルは体を入れて入れ替わるように中へ持ち出します。今まではヤマルがボールを受けるとディマルコと1対1からムヒタリアンがすぐに加勢に来て1対2を作られていましたが、このワンプレーで構図が崩れました。ヤマルはムヒタリアンと1対1になり、細かくワンステップを刻んでムヒタリアンを縦に抜き去ります。慌ててバストーニ、チャルハノール、アチェルビが寄せますがヤマルはドリブルのモーションから3人の隙間を抜くシュート。ゾマーは1歩も動けず、ボールは左ポストの内側に当たりゴール。

 

まるでメッシのゴールを見るような6人を手玉に取ったヤマルのゴラッソでバルサが1点を返します。

 

この1点でヤマルとバルサが勢いづきます。

 

25分、右サイドの高い位置でヤマルがボールを受けてディマルコと1対1。シザースを1回入れて縦に持ち出しキックフェイントでディマルコをスライディングさせてかわして角度のないところから左足シュート。ゾマーが触りバーに嫌われます。

 

ゾマーが触っていなければこれまたゴラッソというシーンでした。

 

29分、ダニ・オルモが狭いバイタルエリアでくさびを受けて強引にターン。アチェルビとバストーニを同時に置き去りにしてシュート。ゾマーが正面でキャッチします。

 

同じく29分、ヤマルが右サイドで受けてシンプルにDFとGKの間にクロス。フェラン・トーレスとラフィーニャが押し込もうとしますがゾマーが何とかかき出します。

 

32分、ヤマルが右サイドでDF2人を引き付けて2人の間を抜くクロス。ニアにダニ・オルモが飛び込みますが合わず。後方にいたフェラン・トーレスは抜けてくるとは思っていなかったようで反応できず。

 

33分、ヤマルが右で受けてディマルコと1対1になり縦に突破しクロス。ニアにラフィーニャが飛び込みますがゾマーが目前ではじき出します。

 

35分、インテルがカウンターを仕掛けようとするところをバルサが遅らせ後方に戻させます。インテル陣内左ハーフスペースでボールを持ったバストーニに対し、ヤマルが右からプレスをかけます。ヤマルが来ていることに気付くのが遅れたバストーニは慌ててボールを蹴りますが、ヤマルがスライディングでブロック。中央にはじかれたボールをラフィーニャが回収してバルサのショートカウンター。ラフィーニャは右ハーフスペースへスルーパス。フェラン・トーレスが受けて縦に持ち出しシュートもアチェルビがスライディングブロック。こぼれ球を右ハーフスペースでヤマルが拾って中央へパス。フリーで走り込んだダニ・オルモがゾマーの左足元にシュート。ゾマーは驚異的な反応を見せてファインセーブ。

 

37分、バルサが完全にインテルを押し込み左から右ハーフスペースのペドリに展開します。ワンプレー前に最前線左ハーフスペースで裏抜けを仕掛けたラフィーニャはマークに付いていたビセックの裏(背後)を取ります。ペドリはその動きを逃さずファーサイドへクロス。その間にアチェルビの裏を取ったフェラン・トーレスが中央に猛然と走り出します。ラフィーニャはヘッドで中央にパス。フェラン・トーレスが走り込んだ勢いのまま余裕をもってシュート。

 

バルサが見事な連携で同点に追いつきます。

 

前半は2点を先行したインテルにバルサが追いつき2-2で折り返します。

 

後半

バルサはジェラール・マルティンに代えてアラウホ。インテルは前半終了間際に怪我をしたラウタロ・マルティネスに代えてタレミを投入します。

 

バルサは前半のような猛攻が続かず、インテルが押し返し始めます。アラウホをCBに入れたことでイニゴ・マルティネスがサイドに回り、最終ラインの指示系統が変わったため、前半の絶妙のバランスが崩れたようにも見えます。

 

58分、インテルの運動量が落ちてきました。

 

63分、インテルの右コーナーキック。ファーサイドでダンフリースがヘッドで押し込みます。

 

セットプレーからインテルが勝ち越しに成功します。

 

64分、バルサの左ショートコーナー。左45度くらいにいたヤマルにショートパスを入れますが、ヤマルはスルー。中央に走り込んだラフィーニャが強烈なミドルシュート。バーに直撃し跳ね返ったボールがゾマーに当たりゴール。

 

バルサがすぐさま同点に追いつきます。

 

70分、中盤でペドリからボールを奪ったムヒタリアンがスルーパス。テュラムが抜け出しますがクバルシが追走。テュラムは左に持ち出してシュートもクバルシがスライディングブロック。

 

中盤が空き始めてオープンな展開になり始めます。

 

74分、インテルの速攻。右サイドに展開されたボールをダンフリースが受けてDFとGKの間に鋭いクロス。ファーサイドにフリーで走り込んだムヒタリアンが楽にシュートを決めますが、オフサイド。VARで見るとつま先がわずかに出ていました。

 

インテルは絶好機を逃します。

 

86分、フェルミン・ロペスが左ハーフスペースでデ・ヨングがからの楔を中央のフェラン・トーレスにフリック。フェラン・トーレスはバイタルエリアに進入し、ビセックとバストーニが寄せてきます。フェラン・トーレスは右ハーフスペースのヤマルへパス。ヤマルは体勢を崩しながらもループシュート。ゴール左上角付近のバーに嫌われます。

 

これも決まっていたらゴラッソというシーンでした。

 

90分、インテルを押し込みラフィーニャが強烈なミドルシュート。ゾマーが何とか上にはじき出します。

 

3-3で試合終了。ファースト・レグは引き分けに終わりました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#19ヤマル

前半23分のゴラッソも含めて様々なバリエーションで右サイドを崩す。試合のMOMはダンフリースになりましたが、明らかにヤマルのほうが活躍していました。バルサ公式戦100試合を勝利で飾れませんでしたが、素晴らしい活躍でした。

 

#8ペドリ

2得点目のスペースを見極めたクロスは圧巻でした。ゲームメイクも含めて素晴らしかった。

 

#7フェラン・トーレス

シュートを外しても何度でもチャレンジする精神力が良い。得点を奪えるFWは気持ちの切り替えが大事で、しっかり結果を残した。

 

#35ジェラール・マルティン

後半頭で交代。失点シーンで競り合いに負けたのはあったが、交代するほど悪い出来ではなかった。負傷交代でないといいのだが。

 

#11ラフィーニャ

1アシストにオウンゴール誘発ミドルシュートで大活躍。フェラン・トーレス、ダニ・オルモとのフリーランニングによる連携も良くなってきた。

 

#20ダニ・オルモ

独特の感性で、バイタルエリアでボールを受けてシュートまで持っていけるのは芸術性を感じる。ヤマルと並んでバルサの攻撃にアクセントをつけた。

 

#23クンデ

負傷交代。大きなけがでないことを祈ります。

 

インテル

#1ゾマー

ファインセーブ連発。インテル側からMOMを選ぶならゾマー。ゾマーでなければあと2・3点奪われていてもおかしくない。引き分けという結果に大きく貢献。

 

#2ダンフリース

2ゴール1アシストと数字の上では一番活躍しているし、攻守で躍動した。今まで書いてきたヤマル、ゾマーの活躍が凄すぎて私はそちらをMOMに押しているが、ダンフリースの活躍も素晴らしかった。

 

#10ラウタロ・マルティネス

ハムストリングを痛めたようなので、しばらく復帰は難しそう。

 

#9テュラム

先制点はお見事。後半もカウンターからバルサゴールに迫り、バルサの脅威となった。

 

総括

バルセロナ

開始早々の失点は要らなかった。2点を追いかける展開から追いつき、勝ちこされても再び追いつけたのは心理的に大きい。また、終了間際に無理に仕掛けず引き分けでも良しとしたところにチームの成長を感じる。個人的には昨年末の最終戦で、アトレティコ・マドリード相手に1-1で後半ロスタイムを迎え、引き分けでも良かったところを無理に得点を奪いに行きセルロートに逆転ゴールを食らった時に経験不足を感じました。4か月経って、今回の試合ではセカンド・レグを見据えて、引き分けでも良し、勝ち越し点を奪えたらなお良しというメンタルの余裕が生まれています。準々決勝のドルトムント戦での敗戦も含めて様々な経験を積んでいる今なら、セカンド・レグでもバルサらしいサッカーを貫き、良い結果を残せると思います。

 

インテル

先制点、セットプレーからの2得点は素晴らしかったが、セカンド・レグに向けてラウタロ・マルティネスがいないのは大きな戦力ダウン。ヤマルにありとあらゆるバリエーションで崩された左サイドはテコ入れが必要だし、ナポリとのスクデット争いもある中でチームのコンディション調整や戦術的な修正が迫られます。シモーネ・インザーギ監督がどのような判断を下すのか楽しみです。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。