俺から見たバルセロナ対パリ・サンジェルマン

チャンピオンズリーグ・リーグフェイズ2、バルセロナ対パリ・サンジェルマンです。

 

バルサはGKがシュチェスニー、CBはエリック・ガルシアとクバルシ、左SBにジェラール・マルティン、右SBにクンデ、ダブルボランチにペドリとデ・ヨング、トップ下にダニ・オルモ、右WGにヤマル、左WGにラッシュフォード、CFはフェラン・トーレスが起用されました。

 

このスタメンからレバンドフスキよりフェラン・トーレス、アラウホよりエリック・ガルシアのほうが現状では序列が高いようです。

 

前半

1分、ヤマルが自陣右サイドからスピードを上げてパリ・サンジェルマンのディフェンス3人を引き連れて持ち上がります。しかし、スピードを殺され一時停止。しかし、ヤマルはシザースからのルーレットで一気に2人、カットインで3人目を再び抜き去り、右ハーフスペースのポケットにスルーパス。フェラン・トーレスが走りこみシュートもDFがブロック。

 

いきなりヤマルが圧巻の個人技を魅せます。

 

序盤はハイプレスの応酬。10分ぐらいからバルサがボールを保持する時間が増えてきました。パリ・サンジェルマンがハイプレスの強度を落としたように見えます。

 

11分、パリ・サンジェルマンの右コーナーキック。中央に飛び込んだザバルニーがヘッドで合わせますが枠の上。

 

13分、右サイドのヤマルが中央へロングスルーパス。フェラン・トーレスが走り込み、シェバリエをかわしてシュート。ゴールにカバーに入ったザバルニーがスライディングブロック。

 

バルサは決定機を逃します。

 

18分、パリ・サンジェルマン陣内右ハーフスペースでヤマルがパスカットして中央のペドリにパス。ペドリはドリブルでバイタルエリアに進入。パリ・サンジェルマンDFがすぐさま中央を固めます。ペドリはすぐさま左ハーフスペースのラッシュフォードにパス。ラッシュフォードはダイレクトでGKとDFの間にクロス。ファーサイドから走りこんだフェラン・トーレスがスライディングでインサイドシュート。ゴール左に流し込みます。

 

バルサが先制します。

 

25分、ハーフウェーラインを超えた辺り中央からペドリがザイール・エメリを引き連れて右サイドへドリブル。ペドリはメンデスに前方を塞がれヒールパス。ヤマルがダイレクトでアンダーラップしたクンデにパス。クンデはダイレクトで右前方にスルーパス。ペドリが走り込み、ダイレクトでバイタルエリアにクロス。ダニ・オルモが受けてミドルシュート。パチョがブロック。

 

27分、バルサの右コーナーキック。中央で混戦になりますがバルサはつめられず。クリアされたボールをラッシュフォードがシュートもDFがブロック。

 

29分、パリ・サンジェルマンが左50度くらいからフリーキック。ハキミがファーサイドにシュート性のボールを入れますがシュチェスニーがファインセーブ。

 

37分、メンデスが自陣左サイド深い位置から縦パスを入れてそのままボールによります。ムバイエがメンデスに落として、メンデスはプレスを回避。メンデスはそのままゴールに向かってドリブルし、中央のマユルにパス。クバルシがスライディングでカットに行きますが届かず。マユルはファーストタッチで前を向きシュチェスニーと1対1になり、ニアを狙う体勢から横に倒れたシュチェスニーの上を抜くシュート。ゴール中央に決めます。

 

パリ・サンジェルマンが同点に追いつき、勢いづきます。

 

41分、パチョが右ハーフスペースロングフィード。右から走りこんだバルコラがジェラール・マルティンに寄せられながらもドリブルで左に流れます。バルコラは左ハーフスペースから縦に突破しシュートを放ちますが枠の上。

 

前半は1-1。10分から30分はバルサペース。30分からはパリ・サンジェルマンペース。一進一退の攻防が続きました。

 

後半

序盤は両チームともに中盤でボールをつなぎたいものの、相手のハイプレスに無理せず後方から前線に蹴りこむ展開。相手の出方をうかがいます。

 

52分、バルサのハイプレスに綻びが見え、パリ・サンジェルマンが逃さずに後方から速攻を仕掛けます。パリ・サンジェルマンの最終ラインでパスを回しているときに、フェラン・トーレスがヤマルに「もっと高い位置まで来てプレスをかけろ」とばかりのジェスチャー。ヤマルが上がってきてからフェラン・トーレスがプレスをかけ始めます。しかし、ヤマルの動きは鈍く、あっさりパチョからメンデスにボールがわたります。ヤマルの上りが遅かった分、クンデの出足も鈍く、メンデスは左ハーフスペースのマユルに楔を入れます。マユルは右サイドのバルコラに展開。バルコラはドリブルでカットインを見せておいてジェラール・マルティンの裏をかき縦に持ち出しシュート。シュチェスニーがファインセーブ。

 

一気にパリ・サンジェルマンが攻勢に出て主導権を奪います。

 

60分ごろ、パリ・サンジェルマンの出足が鈍り始め、中盤にスペースができ、速攻が目立ち始めます。

 

63分、バルサの速攻。右ハーフスペースからフェラン・トーレスが右のヤマルとワン・ツーで右ポケットに進入しクロス。ザバルニーがラッシュフォードの前でスライディングブロック。ゴール正面にこぼれたボールにダニ・オルモが走り込みシュート。ゴールにカバーに入ったハキミが頭でブロック。右サイドにこぼれたボールをヤマルが拾いますが後方からプレスバックしたメンデスがボールをつついてクリア。

 

バルサは決定機を逃しますが、バルサが押し始めます。

 

69分、左サイドでバルコラがボールキープして中央のファビアン・ルイスにパス。ファビアン・ルイスはダイレクトミドルシュートもシュチェスニーが正面でキャッチ。

 

パリ・サンジェルマンが押し返します。

 

79分、バルサが右サイドで前からのプレスをかけてバックパスのミスを誘発させます。レバンドフスキがカットしてボールキープして右のヤマルにボールを預けて中央へ。ヤマルは中に持ち出しシュートも枠の左。レバンドフスキが「なんでパスを出さないんだ」というジェスチャーを見せます。

 

82分、パリ・サンジェルマンがハイプレスからのショートカウンター。中央でバルサのパスミスを誘い、ヌジャントゥがカットして右ハーフスペースのイ・ガンインにパス。イ・ガンインはカットインからシュート。左ポストに嫌われます。

 

86分、右サイドからハキミがクロス。カサドに当たりニアにボールがこぼれます。ゴンサロ・ラモスがつめますがわずかに届かず。シュチェスニーは難しい対応を迫られましたが何とかキャッチします。

 

89分、バルサは左サイドの高い位置でハイプレスをかけますが、右のヤマルのポジションが中央に寄せるには中途半端でプレスに出遅れます。そのスペースをパリ・サンジェルマンは逃しません。右から中央にパスをつなぎ、ヌジャントゥがボールを落とし、ヴィティーニャが受けて右のハキミにフィード。ハキミはDFとGKの間にクロス。中央にフリーで走りこんだゴンサロ・ラモスがゴール左に決めます。

 

土壇場でパリ・サンジェルマンが逆転。その後スコアは動かず、パリ・サンジェルマンが2-1で勝利しました。

 

気になったプレーヤー

バルセロナ

#10ヤマル

開始1分のプレーは全盛期のメッシを思わせるプレーで、前半はそのプレーの残像もあり、パリ・サンジェルマンDF陣がドリブルを警戒してポジションをとるので、左足アウトサイドのスルーパスやクロスが冴えわたる。しかし、怪我明けの初スタメンで運動量が足りず、後半はガス欠。その結果、52分に決定機を作られたり、89分に決勝点の起点を作られたりしてしまった。ヤマルだけの責任ではないが、チームの一員として連動して守備をしないと痛い目に合うことが分かったのではないか。まだリーグフェイズなので高い代償を支払わなくて済むはず。この教訓を次につなげたい。

 

#7フェラン・トーレス

今のバルサのCF筆頭と言っていい。前からのプレス、スペースに飛び込む動きは敵DFにとってはとても驚異。ポストプレーもうまくなっているし、このままレバンドフスキからポジションを奪うことになりそうです。

 

#8ペドリ

途中交代でいなくなってから、パリ・サンジェルマンの攻勢が始まった。疲れていても起用したいところではあるが、休ませたいジレンマもある。

 

#22マルク・ベルナル

昨シーズンの輝きは見せられず。この試合ではノーインパクト。しかしながら、まだトップデビューして公式戦10試合ぐらいだったはず。衝撃のデビューだったから忘れてしまいそうになるが、まだ18歳なので少しずつ成長をしていくのを見守りたい。そう考えるとこの試合の経験はとても大きいと思う。

 

#5クバルシ

同点ゴールを奪われたシーンは判断ミスがあったと思われる。スライディングに行かずにマユルにトラップさせれば1対1で対応ができたはず。まだまだ経験を積むべきことがあります。こちらも少しずつ経験を積んで成長してほしい。

 

パリ・サンジェルマン

#6ザバルニー

結果的にこの試合のキーマンだった。バルサの決定機に表れてゴールを防いだことが逆転劇につながった。

 

#25メンデス

前半は守備でヤマルにコテンパンにやられたが、同点ゴールのおぜん立てで帳消しといったところか。

 

#17ヴィティーニャ

最後にゴールへとつながるスルーパスを披露。素晴らしいゲームメイクだった。

 

総括

バルセロナ

勝てるチャンスはあったし、次につながる課題も多く出た試合。負けたのは悔しいが、この敗戦は、リーグフェイズの対戦相手を見るとあり得るもので、バルサも織り込み済みだと思う。チームとして今後に生かせるたくさんの経験を得られた試合(チーム全体が疲弊しているときにハイプレスをかける必要性があるのか、個々の判断力の向上、対戦相手のプレー強度を体感する等)なので、無駄にしないようにしていきたい。

 

パリ・サンジェルマン

怪我人が多数いる中、バルサより1枚上手というところを見せた。基本のハイプレスだけでなく、柔軟に戦術を未調整できるところの差が勝敗を分けたように感じる。昨シーズンCLを制した経験が生きているように感じた。

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