俺から見たセビージャ対バルセロナ

リーガ・エスパニョーラ第8節、セビージャ対バルセロナです。

 

バルサはCBにアラウホ、左WGにフェラン・トーレス、右WGにラッシュフォード、CFにレバンドフスキを起用しました。

 

前半

セビージャは守備では、バルサの中盤デ・ヨング、ペドリ、ダニ・オルモにソウ、メンディ、アグメをマン・ツーマン気味に対応。バルガスがクンデ、アレクシス・サンチェスがジェラール・マルティンを見る形でバルサのビルドアップを抑えに行きます。

 

攻撃では、細かくパスを回しつつ、バルサのハイラインに対して2列目からの飛び出しを徹底。

 

バルサはパリ・サンジェルマン戦の疲労が抜けておらず、出足が鈍い印象。

 

序盤からセビージャが主導権を握ります。

 

ペナルティエリアの中でロメロがアラウホ相手に背中でボールキープしながら縦に突破を図りますが倒されます。VARが介入し、倒された際にアラウホの足もかかっており、セビージャがP.K.獲得。アレクシス・サンチェスがゴール左に決めます。

 

セビージャが先制します。

 

21分、セビージャは左サイドでバルガス、メンディ、スアソが小気味よくパスを回してスアソがDFとGKの間にクロス。ニアでロメロが触り、ファーサイドに流れたボールをカルモナがシュート。わずかに枠の右に外れます。

 

24分、セビージャのカウンター。右でボールを受けたアレクシス・サンチェスが強引にカットイン。DFに阻まれますが、ロメロが左足アウトサイドでシュート。わずかに枠の左に外れます。

 

26分、中盤からアレクシス・サンチェスがスルーパス。2列目から走りこんだソウが抜け出しますが、アラウホが追いつきます。ソウはボールを止めて中央のロメロに落とします。ロメロはダイレクトシュートもシュチェスニーがファインセーブ。

 

直後のコーナーキック。ファーサイドでメンディがボレーシュート。シュチェスニーがファインセーブ。

 

30分過ぎ、やっとバルサがセビージャのペナルティエリア付近までボールを運べるようになってきます。

 

34分、ブラホディモスのフィードを中央でソウが収めて、右ハーフスペースのメンディに落とします。メンディは右のカルモナにパス。カルモナは前方に走りこんだメンディにリターンパス。メンディは右サイドのタッチライン際に持ち出し、DFラインを縦に突破。メンディはDFとGKの間に鋭いクロス。中央にフリーで走りこんだロメロがダイレクトシュートも枠の左へ外します。

 

36分、セビージャは中盤でクンデからボールを奪い、カウンター。アグメが左サイドへスルーパス。バルガスが完全に抜け出し、ファーサイドへクロス。フリーで走りこんだロメロがゴール右へ流し込みます。

 

セビージャが追加点を奪い2-0とリードを広げます。

 

42分、ハーフウェーライン手前からクバルシが前方に鋭いフィード。ラッシュフォードが抜け出し、ブラホディモスと1対1になりシュート。ブラホディモスが触り枠の右へ外れます。

 

51分、この試合初めてと言っていいバルサのハイプレスがはまり、右ハーフスペースでペドリがボールを奪い、ファーサイドへピンポイントクロス。フリーで走りこんだラッシュフォードがボレーシュートを叩き込みます。

 

バルサがワンチャンスを活かして1点差に詰め寄り、前半が終了します。

 

後半

バルサはアラウホ、ジェラール・マルティンに代えて、エリック・ガルシア、バルデを投入します。

 

序盤からクバルシ、エリック・ガルシアがドライブして中盤までボールを運びます。フリック監督から明らかなメッセージをもらったプレーで、バルサのビルドアップのバリエーションが増えます。

 

前半の一方的な展開からバルサが少し押し返しますが、まだセビージャが1点をリードする分、主導権を握っている感じを受けます。

 

54分、セビージャの左コーナーキック。ファーサイドでロメロがヘッドで折り返し、ゴール前の混戦からマルコンが倒れこみながらシュート。ブロックに入ったバルデの手に当たり、こぼれたボールをソウがシュートもシュチェスニーが足でファインセーブ。右サイドにこぼれたボールをメンディが拾ってクロス。中央でアグメがヘッドも枠の左に外れます。

 

主審がバルデのハンドを確認しましたが、バルデの手の位置が不自然(故意にブロックをしていない)ではないと判断してノーファールとなりました。

 

微妙な判定でしたが、ハンドを取られても文句は言えないシーンだったのでバルサはラッキーでした。

 

63分、右ハーフスペースをエリック・ガルシアがドライブして、右のフェラン・トーレスにパス。フェラン・トーレスは右ハーフスペースにペドリにパス。ペドリはフリックして前方のスペースへ。ラッシュフォードが受けてペドリにパス。ペドリは角度のないところからシュートを放ちますが、ブラホディモスがしっかりシュートコースを切ってセーブ。

 

直後のコーナーキック。ファーサイドでエリック・ガルシアがヘッドもブラホディモスがセーブ。

 

72分、サイドチェンジで回ってきたボールを左のバルデが受けてラッシュフォードとワン・ツー。マークについたヤヌザイがバルデを倒しペナルティエリア内で倒されます。バルサがP.K.獲得。レバンドフスキが独特の助走からゴール左にシュートを放ちますが枠の外に外します。

 

バルサは同点のチャンスを逃します。

 

80分、エリック・ガルシアが前方のレバンドフスキに縦パス。レバンドフスキはかかとでフリック。右からルーニーが走りこんで受けてアスピリクエタをかわしてブラホディモスと1対1になります。ルーニーはシュートを放ちますが慌てて打ってしまい、ブラホディモスが正面でキャッチ。

 

決定機でしたが、ルーニーの若さが出てしまいました。

 

86分、セビージャのカウンター。右サイドでボールを奪い、ヤヌザイが左ハーフスペースへフィード。アダムズが抜け出し、左45度からシュートを決めますがオフサイド。

 

バルサはパリ・サンジェルマン戦の時のように、前がかりになり後方が疎かになってきました。

 

89分、バルサはパスをつなぎ、ペドリが右のクンデにパス。クンデは右ハーフスペースのルーニーにパス。ルーニーは縦に突破し右足シュート。ブラホディモスがセーブ。

 

同じく89分、セビージャのカウンター。右サイドに出たスルーパスにカルモナが抜け出します。ファーサイドにアダムズが走り込み、カルモナにはバルデが対応しに行きます。カルモナはバルデが寄せる前に思い切ってグラウンダーのシュート。左サイドネットポストのそばに決まります。

 

セビージャが試合を決定づける3点目を奪います。

 

95分、セビージャのカウンター。左にフィードしたボールをエジェケが抜け出し、ドリブルから中央のアダムズにラストパス。アダムズはゴールに流し込みます。

 

4-1として試合終了。セビージャがバルサに完勝しました。

 

気になったプレーヤー

セビージャ

#10アレクシス・サンチェス

バルサに在籍する前から好きな選手の一人。相変わらず高い技術とキレのある動きでジェラール・マルティンを前半で交代に追い込む。後半もバルデの攻撃力を半減させる存在感を放つ。

 

#20ソウ&#19メンディ&#18アグメ

この試合のMOM軍団。バルサの中盤の自由を奪い、中盤を支配。連携も抜群で素晴らしかった。今シーズンは4位以内の好成績を収めることができそう。

 

#7ロメロ

シュート精度は低かったが、チャンスに顔を出せている。

 

バルセロナ

#4アラウホ

ビルドアップ能力の低さを狙われて攻守ともに上手くいかず、いらいらして悪癖のオフサイドアピールが出てしまった。最終ラインを突破されても何とか追いついて守備をしていたが、それ以前に解決できる方法を身に着けたい。

 

#24エリック・ガルシア

後半から出場し、アラウホにはないビルドアップ能力(楔のパス、ドライブ)でチームを勢いづける。

 

#8ペドリ

劣勢の中でも何とかしようともがいたが前半は上手くいかなかった。さすがにペドリでも最終ラインまで下がってから中盤に顔を出してプレーするのは不可能。後半、エリック・ガルシアが出てきて状況が改善したが、普段のスペシャルなプレーからは少しキレがなかった印象です。

 

#28ルーニー

この試合で、バルサで唯一輝きを放った選手と言っていい。ヤマルが負傷離脱期間の右WGは思い切ってルーニーに託していい。それぐらいのパフォーマンスは魅せた。うまくいかないこともあるかもしれないが、経験を積ませることで大きく成長しそうな予感がする。フリック監督、ぜひ一考をお願いします。

 

#25シュチェスニー

4失点したが、シュチェスニーがいなければもっと失点をしていた。防げるものはしっかり防いだ印象です。

 

総括

セビージャ

バルサ対策をしっかりして文句なしの完勝。チームとして戦術理解が進んでおり、今後も勝ち続けそうな予感がする。攻守にバランスの取れたとてもいいチームで、いい試合でした。

 

バルサ

バルサの悪い面がすべて出た試合。まずはアラウホのビルドアップ能力のなさ。両SB、中盤をマンマークで塞がれるとCBが前線に精度の高いボールを入れるか、ドライブして自分をおとりにして中盤のマークをはがす必要が出てくるがアラウホだとそれが難しい。結果として後方からのビルドアップができなくなる。そこをセビージャに狙われたのが前半。ただ、フリック監督は前半は我慢して後半からエリック・ガルシアを入れて改善を図り、一定の成果を得た。CBのアラウホの序列は確実に下がってきている。続いては同点または負けているときの試合終盤の攻め方。得点はほしいけれど、後方のバランスを崩して攻めるので、パリ・サンジェルマン戦、セビージャ戦とカウンターからサイドと中央を完全に破られ失点を重ねている。得点は奪いたいけど、失点しては元も子もない。一時改善はしているように見えたが、今後も同様の課題は出てくると思う。代表戦があるので、コーチングスタッフがチームを立て直す時間はある。2週間後に向けて準備を進めたい。

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