データで予測する2015シーズン順位・パリーグ編

1月10日から毎週土曜日、4回にわたって開催された

早稲田大学のオープンカレッジ「データから考えるプロ野球2014」に参加をしてまいりました。

 

講師はDELTA代表の岡田氏。

講義の内容はセイバーメトリクスの基礎のおさらいと

MLBでのデータ分析のトレンドと最新情報、

NPBの2014年シーズン振りかえりと2015年シーズン予測と言ったものでした。

 

その中から、「データ分析で予測する2015シーズン順位」に関して

ご紹介をしたいと思います。

明日からいよいよオープン戦開始ですしね!

 

ちなみに予測で用いたデータは過去3年分の選手成績なので、

ルーキーは対象外となります。

新外国人はMLBやKBO、CPBLの過去3年の成績を元に

例えば過去、MLB出身の選手がNPBの1年目にどのような数字を出したかを勘案して算出されています。

とはいえ「新外国人の能力の判別は難しい」とのこと。

データ分析の世界は母数が大きければ大きいほど精度が上がるわけですから

母数の少ない新外国人の能力分析はそれだけ難しいということなのでしょう。

どんなタイプがNPBにフィットするか、ということに関しても

チームの戦略その時代のトレンド等もあって一概には言えない面もありそうです。

 

まずはパリーグ順位予測から

1・ソフトバンク 得点645.5 失点577.4 勝率.548

2・オリックス 得点618.2 失点561.9 勝率.541

3・西武 得点636.1 失点609.8 勝率.518

4・日本ハム 得点577.9 失点599.8 勝率484

5・ロッテ 得点589.8 失点642.5 勝率463

6・楽天 得点552.7 失点616.0 勝率.453

 

まあ無難な予測です。

 

 

僻地でキャンプを行っているせいか、

野球評論家と呼ばれる方々から異様に評価の低い西武と日本ハムを入れ替えれば

大方こういう予想をされるのではないでしょうか。

昨年のあまりの悲惨さからロッテ4位、西武5位と予測する人も多そうですが、

それって2014年のままですわ。

 

さて、頭の悪い野球評論家諸氏の予想はさておき、

セイバーメトリシャンの岡田氏の解説をかいつまんでご紹介します。

 

★SBとオリックスの力が拮抗している

まずはソフトバンクですが、

巨人とのマネーゲームに勝利して獲得したハンデンバーグがかなり戦力になりそうとのこと。

また、今年は大隣がシーズンを通して投げることができるのが好材料。

巨大戦力を誇る金満No.1のSBですが、ご存じの通り、ろくな先発がいない。

これをハンデンバーグと大隣が埋めると穴が無くなる、と一般的には考えられるのだと思います。

岡田氏予測ではハンデンバーグは150イニングを投げ、8勝3敗の成績を残すとなっております。

大隣も同じく150イニングを投げ8勝6敗との予測です。

ただし、ハンデンバーグに関しては控えめな予測とのことでした。

 

オリックスはご存じの通り投手力のチームで、対して野手の層が薄い。

とはいえ、外野はNPBのNo.1野手である糸井を筆頭に若き大砲T岡田や

強肩攻守の駿太など好選手が多く(ここで坂口の名前を挙げることができないのがさみしい・・・)

薄いのは内野の層と言えます。

ここにナカジや小谷野、ブランコを獲得したことでDepthに厚みがでた、という分析でしたが、

ナカジに関しては甘めの成績予測になっているとのこと。

ちなみに予測数字はBA.294、OBP.373、HR12、SLG.452、OPS.825。

まあ、規定に乗ればHRは達成するんじゃないですかね・・・。

 

なお、岡田氏はオリックスの将来的な弱みとして、若手主力選手の育成を挙げておりました。

オリックスさんとしては、糸井、金子の両輪の力が衰えないうちに絶対に優勝するんだ、

と言う意気込みで今回のような大補強を敢行したのだと思いますが、

これによって若手の出場機会が奪われる可能性が高まりました。

もう27歳なので若手ではない安達ですら、今回の補強の影響を受ける可能性があります。

 

★西武と日本ハムはチャンスあり。ポイントは日本ハムは若手の台頭、西武は選手の健康面

西武に関しては長くなるので、先に日本ハムから。

弱みは主力選手(大引、小谷野)の移籍と1B、3Bのパワー不足。

ただし、この1Bや3B、SSで若手や外国人が台頭すればチャンスあり、とのことでした。

オープン戦次第で変わると思いますが、SSは中島もしくは渡辺を起用。

田中賢介が2Bを無難にこなせそうなら、SSの第一候補は中島でしょう。

いずれにしろ、2年目の渡辺はもちろん中島もまだ伸び代のある選手ですし、

練習試合の段階とはいえ西川も好調。

分析の元となるデータは過去のデータであり、「若手の成長」は織り込まれていないので、

何かが起こってもおかしくはないですよね。

 

そして西武。

2014シーズンで岡田氏が最も大きく予測を外した(裏切った?)チームが西武だそうです。

私はといえば、伊原がクラシックスタイル強要とか、初乗り運賃うんぬんを言い出した時から

「こりゃダメだ・・・」と思っていました。

が、Bクラスあるかも、ぐらいの予想でしたから、予想の斜め上を行ったというか。

 

岡田氏の情報によると、2014年のシーズンはとにかく伊原と選手がうまく行かず、

チームが崩壊しており、例えばおかわり君は本当は開幕から出ることができたけれど、

伊原の元では野球ができない、と出場を拒否していたとか。

いくら岡田氏といえど、おかわり君から直接そういう話を聞いたわけではないでしょうし、

仮におかわり君が本当に「仮病」「さぼり」だったとしても、そのことを本人が言うはずもない。

なので真相は藪の中ですが、

そういう噂が業界で流れるほど、チーム状態が悪かったということなのでしょう。

 

日本ハムの例でデータ分析の穴として「若手の成長」を挙げましたが、

「モチベーション」もデータでは正確に表せない部分です。

まあ、終わったことはもう良い。

しかし、2年連続でBクラスや最下位争いでは大きなファン離れが起きると思うので、

今年は絶対に、最低でも希望の持てるシーズンにせねばならないと思う。

 

さてその西武ですが、まずはおかわり君が通年戦力になるか、

さらには浅村が通年セカンドを守れるか、にかかっているそうです。

攻撃はイコール得点力であり、得点力を左右するのは出塁率と長打率。

そして出塁率と長打率は再現性の高い指標であることから考えると

西武は必ず得点力の高いチームになるはずですが、

その前提条件が長打率の高い浅村、中村、メヒアが通年で戦力になり、

出塁率の高い栗山が上位を打つこと、となります。

 

さらに森君が打てる捕手として一本立ちすれば、非常に巨大な戦力になる。

森君の成長は、リーグのパワーバランスを大きく崩す可能性があり、

それ次第で西武が黄金期を築く可能性もあるそうです。

ここまですべて岡田氏に同意!

ってか岡田さんって西武ファンか?

 

昨年の失態により過小評価されているが、打線に関しては12球団でも指折り

(ただし、層が薄いというか突出した個の力、具体的にはオカワリ君への依存度が高い)

で、先発の数も揃っている西武は弱いチームではない。

今年のパリーグの台風の目となりそう、とのことでした。

 

私個人としては森、山川、木村、坂田、誠、福倉、郭の7人のうち3人が戦力になってくれれば

昨年とは大きく違うシーズンとなるのでは、と思っています。

もちろん、金子、梅田、斉藤や新外国人だって、昨年よりマイナスの要因にはならないと思う。

唯一メヒアは成績を落とすかもしれないけれど、三振なんていくらしてもいいのでOPS.850を超えてくれれば。

他に成績を落とす可能性があるとすれば岸君ぐらいで、

他の選手は全員2014年超えの可能性があると思っています。

ちなみに岡田氏予測ではメヒアはHR30本、OPS.866、岸君は170イニングで11勝6敗。

まあ、いいところでしょう。

 

★ロッテ、楽天は厳しいシーズンに。この結果、PLは例年以上に上位と下位の差が開くシーズンになるのでは?

ロッテはそもそも厳しい戦力から成瀬が流出。

また長打力も不足している。

HRを打てるデスパイネの残留に成功したが、出場機会が限られる可能性が高い。

岡田氏はデスパイネは450打席、16HRと予測。

 

ロッテは大きな利得をもたらす核となる選手がいないのが弱み。

元々「総6番打線」と言われたチームでもあったけれど、

そこからサブロー、井口、福浦が衰え、西岡は流出、里崎は引退。

とはいえ、今江はまだまだ若いし、大地も打てるショートとしてもっと評価されていい選手。

今年は涌井が元気みたいだし、唐川だって再ブレイクするかもしれない。

まー、でもじじくさいんだよねー、唐川のピッチング。

藤岡はこんな感じで終わる選手なのか、清田は2010年の日本シリーズ男で終わってしまうのか。

今あるデータでロッテは厳しいと判断せざるを得ないのかもしれないが、

不気味な存在ではある。

ちなみに涌井の成績予測は170イニングで8勝11敗!

 

そして最後に楽天。

ピッチャーは則本が大方(というか私)の予測を覆して2年連続でエース級の働きを果たしました。

辛島や美馬も悪くないし、塩見や松井君も今後チームの主力として成長していくでしょう。

だが、攻撃力が厳しい。

優勝をした2013年も長打は外国人頼みで、その状況は今も変わっていない。

期待の西田も故障をしてしまい、開幕には間に合わない模様。

 

ただ、私個人はデーブ監督がどういう野球をするのか楽しみではある。

西武時代はチームの長打力向上に大きく貢献をしてくれましたが、

楽天では走るチームを作っていくそうです。

松井君に加え、安楽君も獲得できた。

新外国人が活躍しないとも限らないし、まあ、ふたを開けてみないとわからないですよ。

 

ここまではほぼ岡田氏のデータに基づく予測からの話を書いてきましたが、

最後に私の主観を。

 

昨年の日本一チームであるSBがその豊富な資金力をバックに

ハンデンバーグ、松坂と唯一の穴と言える先発の大物を補強、

負けじと2位のオリックスが中島、小谷野、ブランコ、バリントンの大型補強を敢行。

まあ、一般的には強いチームがさらに補強をしたわけだから

下のチームとさらに差が開いたと考えるのが普通でしょう。

 

しかし、果たしてそんなに計算通りにことが進むのでしょうか?

 

岡田氏のデータ分析でもこの2チームが僅差でワンツーフィニッシュをすることになっていますが、

何度も書いているように、データ分析ではわからないことがある。

その一つが若手の成長であり、ベテランの衰えであり、さらには故障です。

ベテランの衰えや故障はソフトバンクのような層の厚いチームではあまり影響はないかもしれないけれど、

糸井、金子といった「個の力」への依存度が大きい

オリックスのようなチームでは大きな影響が出る可能性があります。

西武も構造も似ている部分があり、昨年はおかわり君の出遅れが大きく響きました。

 

まだオープン戦も始まっていない段階なのでなんとも言えませんが、

糸井は日米野球でも精彩を欠いていたし、金子もネズミの除去という簡単なものとはいえ手術開け。

さらにオリックスの最大の強みであるリリーフ陣は昨シーズンあまりにフル回転だったし、

その疲れが今期出ないとも限らない。

昨年の段階ですでに平野はブラウンセーブを複数回献上してしまい、

結果的にそれゆえに優勝できなかったけれど、今年は佐藤あたりがどうだろうか。

 

SBの死角はまずは球場の改装でしょう。

ヤフオクドームを東京ドームより狭くしたとのことですが、

長距離打者のいないチームなのに、なぜゆえそんな改悪を行ってしまったのか。

柳田あたりは一見豪快なスィングでHRを打てそうですが、実際はゴロヒッター。

ヤフオクドームの改修は長打力のある西武や日本ハムとのチームバランスを崩す可能性がありますが、

それもデータには反映されていません。

 

もう一つは新監督・工藤の存在。

2013年シーズンにピタゴラス勝率と照らし合わせると

60チームに1チームの出現割合(10年に1チーム!)で負の方向にずれるという歴史的な敗戦で

Bクラスに沈んだ秋山SBですが、監督の采配は極めておかしいというものでもありませんでした。

秋山監督はバントを多用するオーソドックスな采配で、名将ではないかもしれませんが、

凡将であり、戦力のあるチームには向いていたと思う。

あまり功名心があるタイプではなく、王さんからのジャパンの監督要請もきっぱりと断っていた。

モグモグとしたしゃべり方は「何を言っているかわからない」と言われていたけれど、

余計なことを言わず、選手の感情を逆なでするようなこともなかった。

生え抜きではないけれど、チームの主力、スター選手として活躍し、二軍監督を経て、監督に就任した。

選手の性格などもよく知っている状態で監督に就任し、また選手の側も秋山監督のことを良く知っていた。

さらに、チームは最下位だったわけだから、失うものは無かった。

 

対して工藤監督。

西武在籍中も隔年投手、チームより自分のことが大事な投手とみなされ、

今一つ信頼のおけない選手でした。

スクランブル登板の拒否や根本さん経由でのダイエーへの情報漏えい疑惑もあった。

明らかにタンパリングがあったと思えるのに、球場設備がどうのと言ってチームを去った。

二度めのFAの際も福岡のファンは署名活動までして引きとめようをしたはずだけれど、

効果はなかった。

にも関わらず、西武にもダイエー(現SB)にも復帰できるのだから、

何がしかいいところがあるのだろう。

もちろん、選手としての実績は文句のつけようがない。

スクランブル登板を拒否してまで肩を大事にした甲斐もあったというものでしょう。

 

引退後はライオンズナイターでよく解説をやっていたけれど、

その口調は誰かを思いださせるものでした。

その誰かとは?

そう、伊原春樹である。

 

まず否定から入る。人の話を聞かない。すぐ人の話の腰を折る。常に上から目線。

言っていることは間違いではないのかもしれないが、はっきり言って不快でした。

まあ、毒舌と言ってしまえばそれまでだけれど。

「ごめんなさい」と「ありがとう」が言えないタイプなのでしょうね。

特に伊原は。

 

ただ、工藤のいやらしいところは上記のような「嫌なヤツ」の姿を

報道ステーションやテレビの解説ではほとんど出さないところだと思う。

ラジオの解説なんてなめていたのだろう。

ギャラも安そうだし。

ライオンズナイターの解説でもいつも熱く、真剣なとまぴょんの爪のアカでも飲ませたいわ。ホント。

 

ともあれ、そんな工藤が一度も指導者としての経験がないままに監督になった。

さらには、名コーチの誉れ高い佐藤義や吉井もピッチングコーチとして招かれる一方、

ヘッドコーチは置かないとのこと。

まあ、非常に危険な空気は漂ってはいる。

 

もちろん、工藤は伊原ほどバカではないし、SBは戦力のあるチーム。

昨年は日本一、選手たちは勝ち方を知っている。

 

ただ、試合中のガム禁止令や「こういう打線を組みたい」と早々に語ってしまうなど、

伊原をほうふつとさせる言動も若干見受けられる。

最も気になるのは報道ステーションで語っていた「今までのやり方を変えたい」的な発言です。

自分の色を出したいのは当然でしょう。

今までのやり方で勝っても「秋山監督の遺産」呼ばわりされるのはおもしろくないに違いない。

しかし、ソフトバンクのようなチームに奇策はいらないと思うんだけれどね。

 

果たして今期のソフトバンクどうなるか?

 

まあ、さすがに去年の西武ほどには負けないとは思うけれどね。

 

ちなみに上記のような毒舌不快解説者はもう一人いる。

元ヤクルトの宮本慎也である。

この人の場合、話の腰を折るというのとはちょっと違うけれど、基本的にマイペースで、

人の話をあまり聞いていない。

伊原と工藤はナチュラルに悪人だと思うけれど、宮本は空気が読めないタイプのなのだと思う。

いずれにしろ、北京オリンピックで若手選手から総スカンを食らったというのも頷けるな、

と解説を聞いている限りは思ったりしております。

 

必ずしも間違ったことを言っているわけではないんだけれどね。

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