2013シーズン終了。渡辺監督ありがとう

プロ野球ファンをやっていると、毎年なんらかの形でこの時期が来るわけですが、

今年はとりわけ重い気分でこの日を迎えました。

 

前回の日記を更新した9月下旬の時点ではBクラス濃厚でしたが、終盤まさかの8連勝。

2位に滑り込み、本拠地でのCSを開催することができました。

終盤の勢いやロッテとの相性を考えると1stの突破はイケルか、と思いましたが、残念ながら3戦目で敗戦。

昨年と同じ、シーズン2位、CS1st敗退という結果で終わりました。

 

ただ、昨年と大きく違うのは、CS敗退に伴って監督が退任するであろうということでした。

そして、一夜明け、本日正式に渡辺監督の退任が発表されました。

 

これまで、CS前には続投が発表されていたのに、今年は「白紙」という報道しかない上、

渡辺監督就任のご褒美ともいえる、西武最初で最後のFA獲得の大物・石井一の引退も発表されていたので、

監督退任はほぼ規定路線なのだろうと理解はしていました。

 

そもそも渡辺監督はデーブ解雇やM4からのV逸があった2010年に進退伺いを提出。

遺留されて今年まで6年間チームを率いていましたが、2011年からの3期はいつ辞めてもおかしくない状況でしたし…。

 

監督の退任は今更ではあるけれど、

監督がナベQであることは私が西武ファンであることの大きな要因の1つだったので、

1日でも長く渡辺ライオンズが続くことを願っていました。

 

できうることならば、監督やフロントの考えを覆し、大逆転で渡辺体制が続くことを望んでいました。

そのためには、最低でもCSを勝ち進んで日本シリーズ進出、

さらには下剋上を成し遂げ、日本一達成となれば、その可能性は高まると思っていたし、

8連勝中のチームを見ているとそれも可能ではないかと思えました。

 

片岡、オカワリが復帰した打線は異常な勝負強さを見せ、

涌井が150km超の鬼神のようなストレートを投げ込む。

まさに、これこそが私が見たかったライオンズの姿でした。

ただ、それは本当に短い期間の出来事で、野球の神様が西武ファンに見せてくれた夢なのかな・・・と。

 

オカワリ君のここぞという場面でのファルケン、則本からの決勝HR、

石井貴と長時間話し合って、高校時代を思い出したという涌井の速球とキレのある変化球、

復帰後、3割4分を超える打率を叩きだし、特に10月の7試合は4割を超えていたヤス。

ヤス復帰の9/15以降、15勝4敗で勝率.789、うち1点差勝利9、サヨナラ勝ち4、逆転勝ち10というびっくりするような結果を出してくれました。

 

西武連勝中に、自宅そばで傷を負ったカラスを助けたことがありましたが、

あれが姿を代えた野球の神様で、そのお礼返しをしてくれているのではないか、と妄想するほど

いろいろと神がかっていました。

 

連勝の要因は、ケガから選手が復帰し、戦力が揃ったということことに加えて、

選手の発言等を総合すると、ホームでの楽天胴上げを許したことで闘志に火がついた、

単純にチャンスがある以上日本一を狙いたいということが主因のようですが、

渡辺監督をもう一度胴上げしたい、できれば監督を続けて欲しい、

という意思の表れであったというように思うのは、渡辺ファンの妄想でしょうか?

 

選手たちは1年契約のプロです。

今年結果が出なくても安泰なのは、複数年契約の栗山、オカワリくらいなので、

来期の契約を有利にするために、最後まで頑張るのは当たり前かもしれません。

プロの勝負師なのだから、目の前の試合に勝ちたいと思うのも当たり前。

「監督のために」などという浪花節で選手が頑張るなどというのは、美しい勘違いなのかもしれません。

しかし、中日ファンには申し訳ないのですが、まだ3位が狙える位置に居ながら、

なんとなく流しているような試合をしている中日の選手たちを見ていると、

渡辺監督の人望はそれなりにあったのではないかと思ってしまうのです。

 

監督が退任するであろうことは、おそらく選手たちは知っているだろうし、

もうすぐいなくなる監督のためにムリをして、ケガでもしたら来期に響く可能性もある。

前任者の色が濃い選手は新監督に干されるかもしれない。

アスリートの前に人間なので、そのくらいの計算はするのが普通でしょう。

 

しかし、選手たちはもうすぐ居なくなるその人の指揮下で頑張ったのです。

特にヤス、クリ、オカワリ、涌井、岸と言った08の日本一を知るメンバーが最終盤の戦いに必死になってくれた。

複数年で安泰のはずオカワリ君も痛み止めを飲みながら、頑張った。

 

これらの08戦士ののうち、ヤス、ワク、岸はどんな監督でも使ったでしょうし、

ある程度の結果を残したと思うけれど、

失礼ながら、基本的に打つしか能がないクリとオカワリ君は、

渡辺政権でなければ、ピッチャーの左右によってスタメンを外れるような選手で終わっていたかもしれないと思う。

そんな選手がベストナインに選ばれたり、

オカワリ君に至ってはHR王を4回も獲得する、球界を代表する選手となったことは

渡辺政権下での大きな成果と言えるでしょう。

 

ドラフトで指名権を獲得した際に監督が派手なガッツポーズを見せた際の当事者、菊池雄星は

ついに今年球界を代表するエースになりそうな片鱗を見せてくれたし、

まだまだではあるものの、翌年のドラ1大石君も今年は最後まで勝ちパターンでこだわって起用され、

来期以降への希望を残しました。

 

シーズン序盤の好調を支えた先発投手陣はみな生え抜きの20代で近年のドラフト上位指名選手ばかり、

今年のドラフト上位指名の増田も一軍の戦力となり、シーズン終盤にケガが癒えてデビューした高橋は球界No.1の左の中継ぎになれそうなオーラを放っている。

CS第2戦では雄星の同期、岡本洋介がプロ入り初完封を達成してくれました。

 

野手では昨年ブレイクした秋山、そして今年大ブレイクした浅村。

 

5月の横浜での交流戦、精彩を欠いたプレイに第一打席で交代を言い渡され、

それでもめげずにベンチで大きな声を出し続けた浅村を翌日から4番に抜擢。

立場が人を作るのか、勝負強いバッティングでまさかの22歳の打点王誕生となりました。

 

この辺りが渡辺政権下の成果でしょうか。

 

監督がドラフトで指名をしてきた選手たちがノビノビとプレイできる環境を整え、

その選手たちが期待通りの成長をみせつつある。

そして、退任直前に、それを惜しむかのような快進撃を見せてくれた。

 

監督冥利につきるとはまさにこのことでしょうし、最後の逆襲を良い思い出に退くのは非常に美しい退任の仕方だと思います。

 

1年目はまさかの日本一。

2年目はBクラスでしたが、才能ある選手たちがタイトルを総なめにし、来期こそはと思えました。

2010年と2012年は終盤まで優勝争いを展開し、

2011年と2013年は最後に脅威的な追い上げを見せてくれました。

次々と若手選手がその才能を開花させるチームを、毎年新鮮な気持ちで応援することができました。

 

確かに優勝は1回、それも就任1年目のみで、5年も優勝から遠ざかっています。

現役監督で渡辺監督より長いのは原監督だけですが、アチラは何度も優勝しているわけだから、

5年も優勝をしていない渡辺監督がここらで退かねばならないのは当然でしょう。

 

しかし、このノビノビ育った選手たちが、新監督の下で同じ野球をやれるのか、

そして私自身が新監督のチームのファンで居続けられるのか本当に心配。

若手が伸びてくるのはチームの伝統なので、今後も受け継がれていくと思いますが・・・。

 

優勝できていないという結果を見れば、

6年間やってきた野球を変えなければならないというのもまた真実でしょう。

一方でケガ人や戦力流出が相次ぐ中、

今年も2位で終えたというのは一定の評価はできるのではないでしょうか。

黄金期のような資金力があるわけでもない、

今の西武の戦力としてはよくやっている方なのではないかとも思います。

 

逆にけが人や流出の多さ、いつまでも中継ぎが課題であることなどを理由に今の体制の否定もできるでしょう。

しかし、他の人であれば、結果は違ったのでしょうか、優勝できたのでしょうか?

 

ただ、一つ言えるのは、渡辺監督になってから、観客動員が飛躍的に伸びました。

実際私も毎年球場に行く回数を増やし、今年は専業主婦になったのを機に年間シートを買って

ほとんどの試合を観戦しました。

 

渡辺久信様、楽しい6年間をありがとう。

優勝は1回しかできなかったけれど、

25年以上西武ファンをやっていて、今のチームが一番好きだし、渡辺監督が一番好きな監督でした!

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