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山際淳司さん
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すすむ
2007年10月25日 21:15 visibility71
僕は中学2年あたりから野球をはじめとするスポーツ関連の本を読むようになりました。
まずは学校の図書館のスポーツ関連本を制覇し、学校帰りには近くの本屋で立ち読みをするのが日課になりました。
そんなときに出会ったのが山際淳司さんの数々の作品です。
名作である「江夏の21球」をはじめに、「ナックルボールを風に」「たったひとりのオリンピック」といった作品をとにかく読みあさりました。
僕はその作品に没頭し、時に他の作家の本を手にしても何の刺激も感じないくらい、山際さんの作品に傾倒していました。
山際さんの作品で5年連続読書感想文を書き、何度か賞をもらった記憶があります。山際さんの作品だからこそとれた賞だと今でも思っています。
そんな僕は山際さんのタッチをいつの間にか真似するようになっていました。当時はそれがかっこいいと思っていたし、似たような文言を並べてもなんの違和感も感じなくもなりました。
エスカレートしたときに僕は気づきました。
どううまく似せようと思っても、読み返したら山際さんの文章との差があからさまに見えてくることに。
僕は山際さんの作品から距離を置き、自分の文章を探すことにしました。
僕にとって山際さんは大好きで大好きでたまらないけれど、振り向いてはくれない存在。けれども、そんな山際さんを追っかけ続けること、好きなこと自体が僕のすべてだと思っています。
それは山際さんが亡くなられたこともそうだけど、永遠のあこがれでもあるから。
先日、ふと山際さんの本を手にとってこんなことを思ったのです。
どれだけ待ち続けても山際さんの新作は読めないけれど、山際さんの作品は永遠に残り続ける。
僕はいつか山際さんと同じ舞台に立ちたい。
隣の山かも、遠いところにある山かもしれない。
時間もお金もかかるかもしれない。
けれど、そう考えるだけで僕はうれしいんです。
夢やあこがれは思うだけでうれしいから。
そして、山際さんの本名は犬塚進(いぬづか すすむ)
同じ名前というところもひそかな誇りなんです。
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- 事務局に通報しました。
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