17inchを駆使する新兵器

  • HiRO
    2007年04月01日 19:16 visibility63

17inch(約43.18cm)。ホームベースの幅である。
ホームベースの一隅でもかすめる投球であればストライク。
右打者から見て、そのホームベースの外側の角をかすめて外に逃げていくボールがスライダーなら、内側の角をかすめ胸元に食い込んでいくボールがシュートだ。

そのシュートの習得に、この春から新垣渚が取り組んでいる。
渚といえば、150km/h台のストレートと「伝家の宝刀」140km/h台のスライダー。その2種類のボールは超一級品。
だが、どうしてもアウトコース一辺倒に偏りがち。ストレートでインコースをつければよいのだが、そのインコースへの制球が甘い。故に打者は外へのボールに 踏み込みやすい。スライダーに本来の鋭いキレがあれば、それでもバットには当たらないが、そのスライダーのキレを欠くと苦しいピッチングとなる。

だが、シュートを覚えることでベースの幅を一杯一杯に使うことができる。

この日のシュートを見る限り、まだきちんとコントロールできているのは半分以下。だが、シュートがあると打者に思わせるだけで、アウトコースへの踏み込みが甘くなり、外へのスライダーが活きる。これならスライダーの調子にも左右されにくい。
そして、この曲がりの小さなシュートが、内野ゴロを打たせるのに程良い。渚の鋭いスライダーが外にコントロールされるとバットで捉えるのは至難の業。必然 的に、どうしても三振が多くなり、球数が増える。が、このシュートで内野ゴロを打たせることが出来るなら、投球数も少なくテンポも良くなるはずだ。

事実、この日は8回を投げ91球。失点は併殺の間の1失点のみ。そして無四球。安定感抜群のピッチングだった。

打つほうでは、初回、四球で出塁した宗が有銘の執拗な牽制を受けながらも2盗を決め、多村の浅いセンターフライで3進、信彦のセンター前タイムリーで先制点。

5回には、2死1、3塁で、宗が左中間を割る2点タイムリー3ベース。
いずれも2死からの効果的なタイムリー。

この3点があれば、この日の渚には充分。9回は九共大リレーで馬原の3人締め。

7回に太もも裏の張りを訴えて小久保が交代したが、大事ないようで一安心。

ストライクゾーンの幅、そして投球の幅、バリエーションを増やす新たな渚の武器。ま、もうちぃっと精度をあげる必要はあるけどね。
次の投球が愉しみだ。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。