親父から息子達へ。そして、遅れてきた渚の季節。
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HiRO
2006年09月02日 12:41 visibility48
Hawks 12 - 0 Marines
この森脇監督代行の言葉が全てを物語る。
「いても立ってもいられなかったんだと思う。やせられたお体で足を運んでいただいて…。監督の言葉を聞いて、何かを感じない人は誰ひとりいない。」
この日。幕張で試合のあるときの浦安の宿舎、出発前のチームミーティングに、再入院中の王監督が突然姿を現す。コーチ陣すら知らされていなかったらしい。
「最初に掲げたトップでゴールするという気持ちを、きょうからの試合でもう1度鮮明にしてほしい。強い気持ちと仲間を信頼する気持ちを持てば、いい面が必ず出てくる。9月は我々の月だ。」
「悔しいときはもっと悔しがれ。うれしいときはもっと喜んでプレーしろ。以前にも君たちに言ったことがあるが、もう1回言わせてもらう。オレが一番勝ちたいんだ。」
そして、前日、病院を見舞った松中信彦にはこう語っている。
「残り試合が少なく、厳しい戦いが続くが、西武は調子がよくて今の位置(1位)。ウチは調子が悪くて今の位置(2位)。9月に入れば必ずチャンスは来る。」
入院先からハイヤーを飛ばして、球場入り前のナインに自ら語る王貞治。
それを、どう感じとるのか。
なかには、今季、王監督と共に同じベンチで野球をした経験の少ない選手だっている。田上や本多は、間違いなくそうだ。
だが、チームの空気というものがある。
父から息子へ。兄達から弟達へ。
魂の継承。このチームにはそれがある。
チームの支柱ともいうべき、信彦が、和巳が、それをどう受け止めるのか。それを見て、直接的な王監督との絆を持たぬ選手達までもが、その意味を、その背後にある深い絆を、感じとることが出来る。
普段は飄々と投げる渚。ある意味で、プレッシャーとは無縁。渚の良さでもある。
そんな渚が身に纏う「絶対に点をやらない」という気迫のオーラ。引き締まった表情。
この日ほど渚が頼もしく思えたことはない。渚がチーム最多勝の年ですら、こんなには思えなかった。
ここ数試合、試行し続けた「脱スライダー」。それに対する自信の裏付けもあろう。そして、マウンド上で見せる気迫の籠もった表情。
この日の腕の振りの良さは尋常ではない。右打者の外、左打者の内へのストレート、スライダー共に抜群のキレとコントロール。充分に軸足となる右足に体重を載せて踏み出す、その下半身の粘りが素晴らしい。
いつも笑顔で、そのえくぼが印象的な渚だが、この日のピッチング内容は、まさに鬼神の如し。打たれる気がしない。
この日は、打撃陣も王監督の気持ちに応える。
4回、2死走者無しから、普通ならHRを狙ってもいい信彦。だが、後ろを信じて軽くチョコンと合わせ出塁し、ズレータがそれに応える先制25号2ラン。
6回2死から、柴原の3ベースで2点、カブレラの2ベースで1点を追加。
そして、7回、やっぱり2死からの田上のタイムリーによる1点を皮切りに、大道、カブレラにタイムリー。そして、仲澤の2号2ランでダメ押し。この回、一挙7点!
この日の12得点は全て2死から、というのも珍しい。2死となっても諦めずに集中力を保って打席に臨んでいる結果だろう。
首位Lions、3位Fightersが、共に延長戦の末、敗れたため、首位とのゲーム差1、3位とは1.5。ここからは本当のサバイバル。
渚は今季2度目の完封勝利で過去最多の12勝目。僅か被安打3、10奪三振。4−6回の9つのアウトの内、三振によるものが7つ。
数年後に振り返ったとき、今季は渚が一回り大きくなったシーズンとなるに違いない。
この森脇監督代行の言葉が全てを物語る。
「いても立ってもいられなかったんだと思う。やせられたお体で足を運んでいただいて…。監督の言葉を聞いて、何かを感じない人は誰ひとりいない。」
この日。幕張で試合のあるときの浦安の宿舎、出発前のチームミーティングに、再入院中の王監督が突然姿を現す。コーチ陣すら知らされていなかったらしい。
「最初に掲げたトップでゴールするという気持ちを、きょうからの試合でもう1度鮮明にしてほしい。強い気持ちと仲間を信頼する気持ちを持てば、いい面が必ず出てくる。9月は我々の月だ。」
「悔しいときはもっと悔しがれ。うれしいときはもっと喜んでプレーしろ。以前にも君たちに言ったことがあるが、もう1回言わせてもらう。オレが一番勝ちたいんだ。」
そして、前日、病院を見舞った松中信彦にはこう語っている。
「残り試合が少なく、厳しい戦いが続くが、西武は調子がよくて今の位置(1位)。ウチは調子が悪くて今の位置(2位)。9月に入れば必ずチャンスは来る。」
入院先からハイヤーを飛ばして、球場入り前のナインに自ら語る王貞治。
それを、どう感じとるのか。
なかには、今季、王監督と共に同じベンチで野球をした経験の少ない選手だっている。田上や本多は、間違いなくそうだ。
だが、チームの空気というものがある。
父から息子へ。兄達から弟達へ。
魂の継承。このチームにはそれがある。
チームの支柱ともいうべき、信彦が、和巳が、それをどう受け止めるのか。それを見て、直接的な王監督との絆を持たぬ選手達までもが、その意味を、その背後にある深い絆を、感じとることが出来る。
普段は飄々と投げる渚。ある意味で、プレッシャーとは無縁。渚の良さでもある。
そんな渚が身に纏う「絶対に点をやらない」という気迫のオーラ。引き締まった表情。
この日ほど渚が頼もしく思えたことはない。渚がチーム最多勝の年ですら、こんなには思えなかった。
ここ数試合、試行し続けた「脱スライダー」。それに対する自信の裏付けもあろう。そして、マウンド上で見せる気迫の籠もった表情。
この日の腕の振りの良さは尋常ではない。右打者の外、左打者の内へのストレート、スライダー共に抜群のキレとコントロール。充分に軸足となる右足に体重を載せて踏み出す、その下半身の粘りが素晴らしい。
いつも笑顔で、そのえくぼが印象的な渚だが、この日のピッチング内容は、まさに鬼神の如し。打たれる気がしない。
この日は、打撃陣も王監督の気持ちに応える。
4回、2死走者無しから、普通ならHRを狙ってもいい信彦。だが、後ろを信じて軽くチョコンと合わせ出塁し、ズレータがそれに応える先制25号2ラン。
6回2死から、柴原の3ベースで2点、カブレラの2ベースで1点を追加。
そして、7回、やっぱり2死からの田上のタイムリーによる1点を皮切りに、大道、カブレラにタイムリー。そして、仲澤の2号2ランでダメ押し。この回、一挙7点!
この日の12得点は全て2死から、というのも珍しい。2死となっても諦めずに集中力を保って打席に臨んでいる結果だろう。
首位Lions、3位Fightersが、共に延長戦の末、敗れたため、首位とのゲーム差1、3位とは1.5。ここからは本当のサバイバル。
渚は今季2度目の完封勝利で過去最多の12勝目。僅か被安打3、10奪三振。4−6回の9つのアウトの内、三振によるものが7つ。
数年後に振り返ったとき、今季は渚が一回り大きくなったシーズンとなるに違いない。
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