大輔、海を渡る

  • HiRO
    2006年11月06日 02:39 visibility54

松坂大輔が遂にメジャーの舞台へ。

ポスティングという、本来見直すべきところに手を付けず付け焼き刃で作っただけのシステム自体の是非はともかく、松坂自身が海を渡るのは、イチロー同様、満を持しての感はある。松坂には、もはや「挑戦」という表現は不要だろう。

最も全ての要素を高い次元で兼ね備えた投手といっても過言ではない。
その充実した体躯・下半身から投じられる剛球だけでなく、器用さをも兼ね備え、スライダー、カットボール、フォーク、カーブ、チェンジアップ、そのいずれもが一級品。加えて、一時は、大一番に弱いというレッテルを張られたが、それも克服し、非常にタフな精神力と度胸をも兼ね備える。
その一方で、真っ直ぐのみを待つ信彦との真っ向勝負、プレーオフではチームの勝ちを優先し、信彦を変化球で打ちとった後、不満げな表情を浮かべるなど、いい意味でパ・リーガーらしい熱さも兼ね備えた好漢である。
しかも、彼の場合、まだ26歳と若い。今でさえ非常に完成度の高い投手でありながら、まだ年齢的な伸び代をも持っている。

その入札金額と契約総額が、100億円にも達するかと噂され、これだけの金額を払えるチームとなると必然的にYankeesが最有力候補となるのだが、自分としては、入札をしないと宣言をしたMarinersに行っても面白いと思っていた。

何といっても、ICHIROにJOHに加え、松坂大輔。
夢のような日本代表チーム。こんな顔ぶれのチームがMLBで戦う。低迷するMarinersを優勝争いに引き上げでもしたら最高やん!
そんな夢をホンの一瞬思い描いた自分がいた。Marinersが入札断念と報じられ、本当に一瞬の夢に終わったけど。

野茂英雄という不世出の投手がMLBへの道を切り拓いた。メジャーのローテーションピッチャーのポジションを確かなものにしたのが野茂なら、クローザーの座を佐々木主浩が確立する。
とはいえ、当初は投手ばかり。パワーベースボールの前に日本人野手には敷居が高いと思われていた。
ICHIROによってその評価は覆され、日本人外野手にMLBへの道が拓けた。松井秀喜は押しも押されぬYankeesの中心選手。田口も地道に、だが着実にメジャーへの階段を上がった。
内野手で最初に海を渡ったのは松井稼頭央。だが、慣れない天然芝とショートバウンドをとれない1塁手の差に苦しむ。だが、その後の井口によって内野手の道も拓けた。
残るポジションは捕手のみ。それすらも今季城島が切り拓いた。

全てのポジションで日本のプレーヤーが通用することが証明された2006年オフ、日本のUltimate Pitcher 松坂大輔が海を渡る。

パ・リーグファンとして好敵手、大輔がいなくなるのは寂しくもあり、が、その活躍が愉しみでもあり、複雑な心境ではある。
だが、せっかく行くのなら、大輔の胸のすくような快投に期待したい。

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