魂の咆吼の代償

  • HiRO
    2006年10月26日 01:17 visibility54

和巳が、2003年に続き2回目の沢村賞を受賞。パでは2度目の受賞は初となる快挙。
そして、日米野球に、松坂の出場辞退を受けて監督推薦で出場。

と、一度は決まったのだが、その日米野球を辞退するという。右肩の炎症のため。秋季キャンプの参加も取りやめるらしい。


思えば、今季は2段モーション対策から始まった。
そして、城島、バティスタが抜け、打線がスケールダウンするなか、
「今までは打線に勝たせて貰った。今季は投手で勝つ。」
と宣言する、和巳の頼もしい姿があった。

その2段モーション対策は、克服にとどまらず、体重移動のスムーズさからキレが増し、2種類のフォークを得るという副産物をも生みだした。

26試合に先発して201回を投げ、18勝5敗、防御率1.75、205奪三振、8完投、5完封。勝利数、防御率、勝率(.783)、奪三振の4部門で両リーグトップ。しかも、いずれも松坂大輔を2位に従えてのトップ。大きな価値がある。
201イニングの投球での、防御率1.75も尋常ではない。

だが、そんな数字以上に、今季、マウンドに仁王立ちし、吼え続ける和巳の姿にどれだけの勇気を貰ったことか。
こんなにも、頼もしい漢はそういまい。
マウンドに上がれば、その背中と咆吼でナインを刺激し、上がりの日にもベンチでナインを叱咤するばかりか、ときにはファンまでを鼓舞し続けた和巳。

プレーオフ2ndステージ第2戦。マウンドに崩れ落ちた和巳。


その姿を見てられなかった、とか、いたたまれない、という声も聞く。
だが、自分は、この姿をも含めて、心底誇れるエースだと思う。これだけの成績を残しながら、これほどまでにチームの優勝にこだわり続けたエース。最高だ。最高に誇れる存在だ。


が、和巳は過去にも肩の故障を経験している。それもあって、今まで首脳陣も登板間隔には充分に配慮していた。しかし、プレーオフでは中4日の登板も。シーズンを通して完投数も多かった。
マウンド上で、ナインを、ファンを鼓舞し続けたツケが肩の疲れとして現れたのか。ただの疲れなら良いが。大事ないことを願うのみ。

沢村賞を受賞しながらも、どこかに物足りなさを感じるという和巳。その物足りなさの原因は明らか。

来季、それを手中に収めるためにも、今はゆっくりと肩を休めて欲しい。また、来季、仁王立ちし、咆吼する頼もしい和巳を魅せて貰うためにも。


それにしても、日米野球...厳しいな。

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