別れ

  • HiRO
    2006年06月06日 02:47 visibility52


愛着のあるグラブを手放した。
1998年頃購入して、1年ほどかけてポケットを作り、慣らした、今持っているものの中では一番長く持ち続けていたグラブ。
3年ほど前までは、メインで使っていたお気に入りのグラブ。

RawlingsのKen Griffy Jr. モデル。
別に、Ken Griffy Jr.が好き、というわけではないが、このルックスに一目惚れ。当時2万数千円ほどした記憶があるのだが、悩みに悩んで購入した。写真ではわかりにくい が、皮も実に良い皮を使用している。1万円そこいらで売られているグラブとは質感からして全く違う。
このグラブを使っている頃はピッチャーをすることが多く、たまにサードを守る程度。だから外野手用でも必要充分だった。

だが、肩を壊し、サードを守ることが増えてから、グラブに関しても試行錯誤し始めた。
そこで出会ったのがSlugger。
手の平で捕るような感覚で、軟球特有の変な回転がかかった打球でもガッチリと鷲掴みに出来る。

Sluggerを使い出してからは、出番が無くなったKen Griffy Jr. モデル。でも気に入ってはいたので、手放すつもりなんぞサラサラ無かった。他の使わないグラブは手放しても、こいつは持っておくつもりだった。

最近の試合後の飲み会で、チームのセンターを守る、外野の要ともいえる後輩と話していたときのことだ。
使っているグラブがヘタっているという。見せてもらうと、なるほど、芯まで柔らかくなってしまっているし、もともと内野手、それもセカンド用だ。 新しいグラブを買うつもりだという。それを聞いて、自分は別の投手用の大きめのグラブをやっても良いなと思った。でも、彼は、欲しい、もう心に決めたグラ ブがあるのだという。それがKen Griffy Jr. モデルだというではないか。
正直、手放すことは全く考えていなかったので悩んだ。でも、さらに新たなオーダーグラブまで手にした、今のままでは間違いなく使わない。手入れをしてしまっておくだけである。
彼になら、チームの外野の要である彼になら、グラブを大事に手入れして自慢しにくる彼になら、あげてもいいかと思った。
他のチームメイトならここまで悩まなかったろう。
でも、彼なら大切にしてくれそうな気がした。もちろん、気に入ってくれたら、やけど。
悩んだ挙げ句にそれを口にすると、もらえるなら喜んで、という。
それならば、グラブにとっても本望だろうと思った。使いもしないのに持っているだけよりも、傷ついてでも使い込んでもらった方がグラブにとってもいいに違いない。むしろ、彼に使ってもらえるなら嬉しいくらいだ。

タダというのは気が引ける、というので、それならビールを1箱くらいでいいよ、と言ったら、本当にエビスの500ml×24缶を持ってきた♪
さすがチームメイト。良く嗜好を知っている(笑)

土曜日には、最期と思って、プロ野球を見ながらオイルを塗った。
今後は、彼に同じように可愛がって愛着を持ってもらえると嬉しいものだ。



























chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。