今回の騒動における2つの問題

  • DIME
    2011年11月14日 21:47 visibility379
だいたい全貌が見えてきたのかなと思えてきたので、ここらでひとまず見解を書いて一旦終わりにしようかと思います。
先に書いてきますが、落ちとしては清武氏側の意向が通らないというのが一番妥当な結果でしょう。

まず1点目なのですが、これはあえて渡邉氏ではなく原監督の問題としますが、編成に対して現場が声を上げたこと、この時点で間違いです。
昔にここで書いたのですが、現場と編成はわけなければならない、なぜならばそれは球団には短期的目標と長期的目標がありそれは往々にしてバッティングするからで、それぞれ短期を現場に、長期を編成に振り分ける必要があるという意味のことを書いたと思います。
後は巨人ファンに聞くだけです。
「あなたは“来シーズン”優勝することだけを考えていた時代に覚えはありますよね?」
だから編成は現場に優越しておかなければいけないのです。現場が編成に口をだすようにする、或いは現場と進退を共にするような編成にするということは、その時代の再来を意味します。

そして、2点目、清武氏側の主張に論理的妥当性があまり見受けられません。少なくとも比較的には相手側の妥当性が強いです。正直この点においては相手は人妖、相手が悪いとしか言い様がありません。
残念なことに、ほんとうに残念なことなのですが、「巨人の将来像」をただしく描けているのは当事者の中では清武氏だけです。原監督も渡邊氏も間違った将来像しか描けていない。
ただ、それがどれだけ正しくても、正しいという理由ではそれをしていいことにはならないんです。

で、両者とも間違っているのですが、そうなると弱いのは清武氏側です。
まず前者の間違いは明確に間違いと断定できないのに対して、後者は少なくとも現時点で間違いと断定する作業まで終えることが出来る。
前者は結局のところは戦略的問題であり現時点で答えのあるものではない(未来にしか答えがでない)のに対して、後者は現在の問題なので現在の中で結論を出せること。そしてそこで勝てる可能性が非常に低いこと。


本件に関しては、残念なことに清武氏が描いていた長期的な巨人復興の道筋が、内部からの離反により潰えてしまう、という決着となるでしょう。
私が生まれてこの方、巨人軍にとってこれほど大きな損失が発生することは見たことがありませんし、たぶんこれからもないでしょう。
こんなことによって、歴史に学ぶことになろうとは思いませんでした。最大の裏切りはいつでも内部から発生するのです。


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渡邉氏ですが、本件に関しては、原監督と清武氏の対立を収めるために介入してきたという認識を私はしています。つまり本件に関しては主役ではない。
渡邊氏は優れた政治屋であり経営者でありブン屋ですが、スポーツビジネスに関してはド素人です。
彼のファン獲得のやり方は昔から一定の手法がいくつか合ってその1つに「大看板さえたてておけばファンは獲得できる」という考え方があります。実に素人丸出しの考え方で今はもはやそれでは成立しないのですけどね。
そして現在の巨人というのは「原辰徳」という看板で成立していると思っている節があります。
そういうロジックで頭の中が成り立っていますから、原監督を擁護するのは当然でしょう。
そしてその看板ロジックを踏まえれば、今の巨人に「江川卓」という看板を追加するのは看板が増えるからなんと良い策かと思うに違い有りません。
正負に関わらず耳目が集まるのを良しとするという実にブン屋さんらしい所もあります。

どうも本件に関しては、渡邊氏を大きく考えすぎの人が多すぎると思います。
そりゃあ今までのレッテルからすれば、渡邊氏を黒幕にしたいし、原監督を悪し様には考えたくはないでしょう。
でもねぇ、色んなニュース等でも触れてると思いますけど、渡邊氏と清武氏の関係はそもそもそう悪くないと思うんですよ。清武氏の性格からすれば渡邊氏の尊敬できる部分を尊敬できる人ではないかと私は思います。

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