得失点差はリーグ最大(今年の巨人のこと)
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DIME
2011年11月10日 14:56 visibility435
のっけから、巨人の話題じゃなくて申し訳ないんですけれども
確かヤフーのアンケートかなんかだったかと思うんですが、統一級の導入あれこれに関するヤツで、どっちの野球のほうが望ましいかみたいな質問の選択肢が①投手戦 ②乱打戦 となっていて、そもそも設定が間違ってたり
同じように、確か週ベのどなたかのコラムだったと思いますが、渡邉氏が統一級をやめさせると言ってること(点が取れないと面白くないという意図)でに対して、だったら金属バットでも使えばいいんだとか頓珍漢な反論をしていたり
数字の話であるはずなのに、変なラベルを張ったせいで投手戦が面白いのか打撃戦が面白いのかみたいな不毛な議論になっている気がします。
ここで考えるべきは「投手戦が増えるほうが面白いのか打撃戦が増えるほうが面白いのか」という認識論じゃなくて「1試合平均得点(1チーム当たり)は何点程度が妥当なのか」という数値化した論議だということです。
スポーツでは、「勝敗の不確実性」が面白さを産み出す重要な要素の1つですが、そう考えると「不確実性が高くなる平均得点」があると思うんですよね。
それが何点ぐらいなのか、という認識にそってルールって設定すればいいと思うんですよ。
例えば、セ・リーグで言えば、2009年が3.91点、2010年が4.31点、2011年が3.15点と簡単に数字はわかる。
んで渡邉氏や私も含めた、今年は面白くなかったと思う人間は「3.XX点を下回るのは低すぎるから調整が必要」とか言ってればいいのにと思います。
妥当な平均得点ラインに入っていなければ面白くないのは上側にぶれているのであれ、下側にぶれているのであれ面白くないんですよ。週ベのコラムにはそういう認識が欠けていました。ベクトルが違うだけで去年は得点多すぎて面白くなかったと主張するのと、統一級はダメだと主張するのは一緒なんですけどね。
ちなみに個人的には3点代後半から4点台ちょっとぐらいまでが妥当なんじゃないのかと思います。
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こっから本題。
前置きでなぜそういう話をしたかというと野球は不確実性が非常に高いスポーツだという事を改めて説明したかったことと、今年のリーグ全体の得点の低さの振り返り。
野球の場合、「勝利を追求する」っていう段階で戦略を組み立てるのは非常に難しいんですよね、不確実性が大きく混ざってくるから。
じゃあ戦略の中で目標にすべきことはなにかというと、「得点」と「失点」なんですよ。「得失点差マージンを大きくする」ことを目標にすべき。
これを端的に表していたなぁと思うのが原監督の、「野手は5点、投手は3点」という目標づけで、この頃は監督を非常に評価していたのですが、あの頃がピークです。どうも最近は末節にとらわれて本筋が疎か。
そこで今年の巨人の得失点差マージンを振り返るとセ・リーグ最大なんですよね。
つまり戦略的にはあまりミスってないんです。戦力が圧倒的に不足していたわけでもなければ、補強の選択肢を選ばなかった直近の方針が間違っていたわけでもない。
じゃあなぜ3位になったのかといえば、得失点差が小さかかったため得点と失点の波のブレによって得失点差マイナスとなる期間が長く発生したからでしょう。
そう考えると、「安定的に勝つ」レベルにまで戦力は達成していなかったと言えます。私個人は巨人は何時でもこの水準まで戦力を保持し続けるべきだと思っていますので、個人的には今年は戦力不足なんですけどね。優勝できないほどの戦力だったわけじゃあない。
この得失点差をベースに2011年ペナントのサイコロを振っていれば半分ちょっとぐらいは巨人が優勝してたんじゃないかな?ってぐらいです。
逆にパ・リーグに目を向けるとソフトバンクは圧倒的なまでの得失点差マージンを生み出しています。
ソフトバンクの優勝は「金をかけるチームが強い」という本質を指し示すものであり非常に素晴らしいものだと思います。「松中も小久保もいてカブレラを採る」、これ巨人も似たようなことをしましたよね、どの時だったか忘れましたが。1つのポジションに1人いれば良い、なんて素人も極まれる考えです。
巨人が同じ事をしていると謂れのない批判が来るのでそれがないのは羨ましい限りですけど、そういうチームが球界には必要ですからね。
で、それらの状況を考えると今の巨人にとて必要なのは「得点を増やすこと」と「失点を減らすこと」はもちろんですけれど、「(得点・失点双方とも)波を小さくすること」が重要なんですよね。
で、得点を増やすことと失点を減らすことでは、得点のほうが簡単だと思いますし、得点を増やすことにおいては出塁率よりも長打率の方が得点再現性は高いんですけれどもどうも巨人は失点の方に向かってるし、出塁率の方に向かっているのが気になります。
本来私はそのあたりは戦略的に決めること(GMの範疇)と思っているのですが、日本の場合伝統的に現場の範囲になっているので、それを戦略的齟齬と表現していいのかは微妙ではあるんですが、そういう齟齬を最近強く感じます。
東に進むべき時に北北東に進んでしまっては、たとえ東に100kmの場所までいつか辿り着くにしても数百キロ余計に進んじゃっているでしょう。
そういう意味で今の巨人はとっても心配。特に首脳陣が。
今年巨人が負けた理由?
第一に運。第二に運の揺らぎを無視出来るほどの戦力を用意しなかったこと。
だから、今年を全否定するような方針変換は間違いになりやすい。今年は部分的に間違っていただけで、今年をそのまま続けるべきところは続けないといけない。
その見極めが必要なんだけれども、どうも修正すべき点と継続すべき点が逆になってるきらいがあるのが気になります。
バントもいらないし、盗塁の多さは順位と相関しないし、先発投手は1年間固定メンバーである必要はなく数カ月ローテに入れる投手を入れ替えていけば十分だし、左右病は根治が必要な病だし、もっとも確実で安定的な攻撃方法は犠打ではなく本塁打。
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