清武氏解任とのこと

  • DIME
    2011年11月19日 01:12 visibility477
残念ですが、こういう結論にいたったのはやむをえないと思います。
下記に巨人軍側の発表分を載せておきますが、概ね予め解説させて頂いたとおりかと思います。

ただ、このような結論に至った経緯が「GMには野球経験が必要である」という間違った認識によるものであるのは残念でなりません。
少なくとも現在のGMに必要なのは、「野球の経験」ではなく「野球の“正しい”知識」です。そしてその知識は経験から得るものではなく、パソコンと統計からもたらされるものであるのはMLBが明らかにしています。むしろ「野球の経験」は「野球の“間違った”知識」との親和性のほうが高いので注意すべきぐらい。
いくつかGMについてのニュースが見受けられますが、そのいずれも「GMには野球経験が必要である」ということに対する根拠も、その正統性も示していないことには十分な注意をはらうべきでしょう。

私にとって、数少ないまったく敬意を表す必要性を感じない巨人軍OBが広岡氏です。唯一と言ってさえいいかもしれません。
発言を見ている限り、偶然性による成功と、必然の失敗しか見いだせない方なのですが、それを自らの口によって逆に見せかけているだけにすぎない方と判断しています。
頭の良い方ではあるのでしょうが、そのぶんだけ、進化が止まってしまっています。広岡氏が現役だった時代はスキーのジャンプでは板を平行にし、うさび飛びが普通に練習で使用され、練習中に水を飲むなんて飛んでもないことで、筋力トレーニングの端緒すらあったかあやしい時代です。
そんな時代における「私の頃はこれでうまくいっていた」なんていうのはそのまま参考になるかどうかを十分吟味する必要が有るんですが、根本的にそれが欠けている方です。
広岡氏が巨人軍の革新の流れの衰退の止めをさしてしまわないことを祈るばかりです。

あと、GMに適任な人はだれか?みたいな話を見かけますが、適する人材としてあげられるのは高田氏と、そして何よりも落合監督でしょう。
落合氏の監督しての動きのなさこそ、GMと監督という業務の違いとその重要性の違いを示しています。
落合監督を見ていて感じるのは、彼がしていることの多くはGMが追うべき部分であること。そして監督の職務よりもGMの職務の方が重要だとわかっているということです。
高田氏にしても、昨年・今年のヤクルトを見れば監督としての手腕はともかくGMとしての手腕は十分評価すべきでしょう。


あと、清武氏に対してマスコミが総攻撃をするのは当然だと思いますよ、特に夕刊紙や週刊誌系。
彼らに対しては、私はずっと「不当な内容に対する正当な批判をしないのが巨人の大きな問題点だ」と言い続けてきましたが、同様に考えて対処していたのが清武氏ですから。
彼らからすれば、「適当に批判を書いとくことで、客受けの良いネタに出来る」という黄金の方程式が潰されようとしていたわけで、ここぞとばかり攻撃に転じるでしょう。
この点だけでも今後の巨人軍はちゃんと引き継いで欲しいものだと思います。
今の時代は人の噂も七十五日ということでなく、否定しないということは事実に違いないと言う時代になってしまってることを認識すべきです。


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読売巨人軍が記者会見で配付した文書の全文

 読売巨人軍が18日の記者会見で配付した文書の内容は以下の通り。

取締役の解任等について


 本日(11月18日)、当社専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行・清武英利(61)が、取締役を解任されましたので、ご報告いたします。

 プロ野球日本シリーズが行われているさなか、このような事態となったことにつき、プロ野球関係者の皆様、ファンの皆様に心よりおわび申し上げます。


 (1)本日の手続き

 本日午後2時から、当社の親会社である株式会社読売新聞グループ本社が、臨時取締役会を開き、取締役9名全員、監査役4名全員の計13名が出席して、当社取締役・清武英利を解任し、取締役山岸均を選任するため、会社法第319条第1項に基づく提案を行い、かつ書面によって同意することにより、当該議案を可決する旨の当社の株主総会決議があったものとみなされました。なお、当社の株主は、株式会社読売新聞グループ本社1名です。

 続いて、当社は、臨時取締役会を開き、取締役8名全員、監査役3名全員の計11名が出席して、取締役の新たな担当職務を決定しました。


 (2)解任の理由

 清武英利は、下記の通り、当社取締役として職務執行を委ねることはできないと認められます。
〈1〉清武は、当社の取締役である以上、実現すべきと考える提案があるならば、取締役会の招集を請求するなど法令及び当社定款に定められた手続きに従って意見を述べるべきであるのに、そうした正当な手続きによることなく、さる11月11日午後2時より、文部科学省記者クラブにおいて、当社代表取締役社長・桃井恒和をはじめ、当社内及び親会社の他の幹部に一切相談せず、まったくの独断で記者会見を強行し、会社を混乱させ、業務執行に多大な支障をもたらしたのみならず、広く社会にも混乱を引き起こした。
〈2〉清武は、前記記者会見で、誤った事実や論評を公表し、当社及び読売新聞グループの名誉、信用を傷つけイメージを著しく悪化させた。清武が公表した誤った事実や論評の主な点は以下の通り。


 (清武)「渡辺主筆が一度了承したコーチ人事を覆した。これは、GM制度をないがしろにし、コーチの人権を侵害し、プロ野球界のルールを破る暴挙だ」

 (正確な事実・論評)チームの体制は最終確定しておらず、クライマックスシリーズ(CS)敗退を受け、コーチ人事の一部手直しが必要と考えられた。そうした状況で、渡辺主筆は、球団をより良くするための案を示したもので、暴挙などには到底当たらない。


 (清武)「渡辺主筆がオーナー、GMの人事異動を内示した。ヒラ取締役の一存でオーナー職等を剥奪するのは、会社の内部統制違反、コンプライアンス違反だ」

 (正確な事実・論評)当社の定款では、本部長以上の人事は株式会社読売新聞グループ本社の代表取締役の事前の承認が必要と定めている。一般にも、親会社が子会社の人事を行うのは通常のことで、内部統制違反、コンプライアンス違反には当たらない。なお、当社の定款では、前記人事のほか、読売新聞グループ全体にかかわる重要な事項についても、株式会社読売新聞グループ本社代表取締役の事前の承認が必要とされており、清武が前記記者会見を独断で行ったことこそ、定款に違反しており、内部統制違反、コンプライアンス違反と言わなければならない。


 (清武)「大王製紙やオリンパスのように、企業の権力者が内部統制やコンプライアンスを破ることはあってはならない」

 (正確な事実・論評)コーチ人事やオーナー・GM人事の構想もしくは方針を示すことは何ら問題なく、多額の資金流用や粉飾決算が指摘される事例と同様の悪質な問題であるかのように論評するのは極めて不当である。

〈3〉清武は、前記会見で、コーチ人事構想にかかわる機密事項を暴露し、その実現を困難にさせ、当社の業務遂行を阻害した。
〈4〉清武は、前記会見の直前まで桃井ら関係者が会見をやめさせようと、再三携帯電話をかけたが電話に出ず、株式会社読売新聞グループ本社代表取締役会長兼主筆・渡辺恒雄の電話による説得も聞かず、独断で会見を強行したばかりか、その会見で渡辺主筆を攻撃し、渡辺主筆が反論を出すと、ただちに再反論を公表した。このように、反省の態度を示すどころか、逆に当社に対する敵対姿勢を強めており、法令及び定款に従って当社の業務を適正化することなく、当社の業務執行を阻害し混乱させ続けている。
〈5〉加えて、清武は、前記会見以後、桃井社長らに対し、年内限りで当社取締役を辞任するのと引き換えに、渡辺主筆を球団取締役会長から辞任させ、かつ、自らは来年1月に当社常勤監査役に就任させてほしい、それが事態収拾の条件であると、自らの地位等について不当な要求をするなどしており、すでに、取締役として職務を遂行する正常な意欲がうかがわれないばかりでなく、関係者らに不穏当な言動をするに至っている。


 以上の通り、清武は取締役の忠実義務違反・善管注意義務違反に当たる行為を種々行っており、取締役としての適格性を欠くことが明確になりました。

 読売ジャイアンツが来季に向け練習に専念できる環境を一日も早く取り戻すためにも、清武を解任するのが相当との結論に至りました。

 以上

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