その3補足 ドラフト制度について
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DIME
2007年02月02日 13:05 visibility227
ついでにじゃあドラフト制度はどういう状況になるのが望ましいかということを付け加えるのであれば、「将来的には開放型モデルの下での撤廃が一番望ましい」ということになります。
ドラフトがある事が望ましいのは、閉鎖型ビジネスモデルでリーグを運営することが望ましいという前提の下で初めて成立します。ドラフトを維持するなら閉鎖型でなくてはなりませんが、閉鎖型が選択不可な以上、ドラフトも不可です。言い換えればドラフト(とそれによる戦力均衡)を必要としないビジネスモデルへの転換が必要です。
ただ現実として現在のNPBは閉鎖型モデルですから、その状態を改善することなくドラフトの部分だけを開放するのは大問題です。
そう考えたときに今ドラフト制度に求められるのは、以下が求められる必須条件だと思います。
1、NPBが閉鎖型モデルの状況である限りは戦力均衡という制度理由を満たす。
2、ドラフト制度が優れた選手がMLBに流出する原因にならないようにする。
3、2の条件を1の条件より優先して尊重する。(質の低い選手だけで戦力が均衡してもリーグの魅力は上昇しないから優先順2>1は自明)
こう考えたときに現行の制度は条件を満たしていると思います。
閉鎖型と開放型が並存している状況は絶対に解消が必要ですが、解消すべき方向が開放型だとすれば、開放するべき部分としてドラフトやFAは最後になってくると思います。
あと全然違う話なんですが、もう1点付け加えるべきところがあります。
最初にその部分は話に関係ないので除外すると言ったように、現実はもっと複雑です。ドラフトだけでNPBの世界は完結しません。
もしドラフトだけで世界が完結するならばドラフトだけで公平であれば十分なのですが、実際はNPBという世界はもっと広いのでその一部でだけ公平であることはなんら意味がありません。
現行制度に対して、「わかりやすい」ことを理由にして完全ウェーバーを主張する人もいますが、「わかりやすい」ことと「公平」であることには関係性はありません。
現実の納税制度などを考えていただければわかると思いますが、より公平であるためには制度は複雑になっていきます。それだけ現実が複雑だからです。
「わかりやすい納税制度を目指して国民の税金は全員同額にする」って考えて見ます。ただ「税額」という部分にだけ観点を限定すれば間違いなく公平です。
でもそれってほんとに公平な納税制度でしょうか。そんな主張をするのはおかしくないでしょうか、おかしいですよね。
その主張は普通「おかしい」と受け入れられるはずですが、それはそれぞれが所得の違いがあったり行政サービスを受ける必要性が違ったりするからです。それらがプロ野球で言えば「ドラフトだけで収まらない現実部分」です。
そう考えていただければ、わかりやすいドラフト制度と公平なドラフト制度というのは必ずしも一致しない、むしろ現実としてはその2つは両立しない方が一般的だというのがおわかりいただけるんじゃないでしょうか。
客商売ですからわかりやすさを追求することは大事だと思いますが、それはドラフト制度の根幹である戦力均衡のためという目標をゆるがせにしていいものではありません。
- 事務局に通報しました。
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