【ニュース】 林昌範の肘と阪神の助っ人
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DIME
2006年10月20日 16:39 visibility96
今日の記事の中で気になったニュースを2つ。
まず巨人の林昌範投手が左肘に違和感を訴えているというニュース。
http://hochi.yomiuri.co.jp/giants/news/20061020-OHT1T00061.htm
情報を見る限りではいわゆる「ねずみ」のようですね。
参照「ねずみ」:http://www.fff.or.jp/seikei/sports/hijikansetu.html
日本ではまだまだそこまで一般的な認識にはなっていませんが、体のケア・コンディショニングに関しては日本より格段に進んでいるアメリカでは肘は毎年検査をするもの、5年に一度ぐらいのペースでクリーニング手術をするものという認識が一般的です。
どうもまだまだ日本では手術というだけで大怪我であるとか、「壊された」という認識が出回ることが多いのですが、プロ野球投手とは(当たり前ですが)一般生活では到底しないほどまでに肘・肩を酷使する職業ですから畢竟、肘や肩は悲鳴を上げます。
このあたりはプロ野球でも普通の仕事でも変わりません。ずっと同じ姿勢で仕事をする人が腰を痛めたり肩を痛めたりしますよね、それは負荷のかかる状態を体に強い続けているからです。それと同じで普通に野球をするだけでも負担になるような活動(=投球)を仕事として行うプロ野球投手という職業では数年間の使用で肩や肘に疲労がたまるのは当然のことです。
アメリカではその認識が広まっているため、上記のように積極的にケアを行います。
ところが日本ではまだまだ前時代的で、肘にメスを入れるのは非常に大きなリスクを伴う。だからねずみがあるとわかっていてもそれが「悪さ」をしないねずみならば放置しておくほうがいいという風潮が強いです。
最初に参照したページを見ていただければわかると思いますが、ねずみは放置しておけばもっと酷くなっていきます。日本の多くの選手はこの段階になって初めてメスを入れる決断をする選手が非常に多いため結果的に手術をしても良くなる可能性は低くなっていて失敗する選手が多く、それがまた肘にメスを入れるのが大きなリスクを伴うように見えるという悪循環を生んでいます。
結局ねずみに関しては、悪化しないうちに簡単に済む内視鏡クリーニング手術で取り除くのが一番です。オフに入ってすぐに手術すればよっぽどの事がない限り来シーズンには間に合います。
今年で言えば例えば日ハムの金村投手、彼は昨シーズンが終わってすぐにこのクリーニング手術を行っています。
http://ballplayers.jp/kanemura/2005/10/post_4.html
今年の金村投手は成績はさておき、134回2/3イニングを投げ、(最後の失態を除けば)ほぼ1年間ローテーションを守り通しました。この結果から肘のクリーニング手術というものが、早めにやればあまり負担のかかるものではないことがわかるかと思います。
林昌範に関しては入団して今年で5年、ここ4年間で302回2/3イニングを投げていますのでそろそろ疲労がたまってきてもおかしくないところだと思います。
ここで騙し騙しやったりしないで早めにクリーニングをしておいたほうが後々のためじゃないでしょうかね。
あぁもちろん、4年間で300回ぐらいで投げさせすぎだとか言ってるようじゃほとんどの投手は壊れてなきゃおかしいですよといつもの言葉も最後に申し添えて起きます(笑)。
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もうひとつ、阪神の新外国人に関するニュースです。それにしても早い時期の報道ですね〜この時期からこういう話が出るというのは球団の腰の軽さを示しますし、やっぱり阪神は球団としてよくなっていますねえ。
http://www.sanspo.com/baseball/top/tig200610/tig2006102001.html
外国人選手って数字は出てるんですけど、結構都合のいいところばかり出ていて来てみたら全然ダメでしたって事が多いです。
そういうときは、自分で調べてみるのが一番手っ取り早いです。このライアン・ボーゲルソング投手のメジャーでの通算成績を検索してみると、以下のようになっています。
http://www.baseball-reference.com/v/vogelry01.shtml
http://www.thebaseballcube.com/players/V/Ryan-Vogelsong.shtml
とりあえずメジャーでの成績を見るのであれば上記のサイトで調べるのが一番確実です。右上にプレイヤーサーチがありますのでそこに選手名を入れればほぼ出てきます。検索するときはファミリーネームで検索しましょう。
んで実際の成績ですが、まず間違いなく言えることは「バリバリのメジャーリーガー」じゃあないですね。大目にみてもメジャーリーグで戦力となっていたのは03.04シーズンだけでしょうか、バリバリとは言わないけどメジャーロースタークラスってところでしょうか、それでも十分凄いもんですけど。
データではまず四球の多さが非常に気になりました。通算で315回を投げて154個、1試合(9イニング)あたり4.40個出していることになります。多分防御率の悪さはこの四球の多さで走者を溜めてしまっているのではないかと思います。
球がめっぽう速いけど、メジャーでは四球が多かったというと横浜のクルーンとかがそうだったりするんですが(実に8.36)彼の場合はご存知の方も多いと思いますが牛島監督がフォームを改善したことで飛躍的に成長したという事情があります。
逆にそのクルーンの場合はそんなに四球を出していても(=打者がボールとわかっていても)三振が取れていた(7.39)んですがボーゲルソング投手の場合は彼よりは打者の認識では三振させやすいにもかかわらず6.17個とそこまででもない。こうやってみるとデータから見る限りでは記事にある変化球というものもクルーンのフォークほど三振の取れる変化球ではなさそうな感じです。
となると、阪神のスカウトが目に付けたのはほんとにどこなんだろうなぁと思います。記事を見る限りでは多分体格とかフォームとかの見た目と、速球の球速でしょうかね。少なくともデータで見る限りはこの投手の「武器」は良くわかりませんでした。
ただ意外とこういう選手のほうが化けたりしますからねえ。
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