巨人来季契約予想 野手編
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DIME
2006年09月14日 04:57 visibility244
高校生ドラフトも近づき、そろそろ支配下登録選手のなかで誰が来季も残るかを考えなければいけない時期となりました。あまり考えたくないのですが・・・・
現在の巨人は、ここ数年のドラフトが投手中心でありすぎたために野手陣は手薄です。なので基本的には査定は甘くなるのではないかと思っていました。
しかしながら今年はウィンターリーグに投手陣の若手4人が派遣されることも決まり、投手陣から大幅な人員削減はなさそうです。なので野手の枠としては通年より若干多く6〜8名と予想します。
私の予想を出すと、以下の選手が流動的だと思われます。
川中基嗣黒田哲史原俊介仁志敏久大須賀允十川雄二大西崇之堀田一郎捕手1名
捕手に関しては野手の中でも独立して枠が考えられているところがあるのでおいておいて、野手の中でも内野手・外野手に限って考えると自由契約になる可能性がある選手としては以下のタイプが考えられると思います。原俊介は内野手扱いとしました。
見込みが薄い若手:十川雄二・大須賀允タイプのかぶる選手:黒田哲史・川中基嗣・原俊介出場機会が得られないベテラン:大西崇之・堀田一郎・仁志敏久
○見込みが薄い若手タイプについて
現実的にはこの線は薄いと思います。理由は前述したように野手全体の層が薄いからです。若手が数年ちょっと芽が出ないからといって簡単に放出できるほど今の巨人に余裕はないです。
具体的に言うと25歳以下の内野手は長田昌浩・岩舘学、外野手は山本光将・十川雄二・亀井義行のみです。20代まで範囲を広げて大須賀允・吉川元浩・十川孝富、矢野謙次・三浦貴・鈴木尚広まで増えるだけの薄い薄い若手層です。
ただだからといって若手が切られる可能性がまったくないわけではないと思うので一応あげてみました。
十川雄二を選択した理由としては外野枠では亀井義行・矢野謙次という若手の有望株がいる上に現在優先的に起用されている鈴木尚広、西武で一時代を築いた小関竜也、実力どおりの力を発揮すれば球界を代表する選手である清水隆行・高橋由伸と選手層はそろっています。同様の理由は山本光将にもあてはまりますが、若手・中堅の矢野・亀井・鈴木がスラッガータイプでない上にチーム全体として右打者が不足気味である分十川雄二より状況が有利なので十川雄二をあげました。
大須賀允に関しては昨年までと比べてイースタンで岩舘・長田あたりに出場機会を奪われている点からあげました。実情としてはその2人が優先強化選手に指定されているだけであり、若手内野手と呼べる選手はこの2名だけで今年26歳の大須賀允でさえ3人目な内野手陣の惨状ではほぼありえないと思います。
2人以外にも可能性がある選手として十川孝富と三浦貴が考えられますが、そもそも若手切りはあまり考えにくい上に彼らは1軍登録期間もあるにも関わらずイースタンでの出場機会(打数)も上記2人より多いのでもう中堅としてある程度計算されてる選手だろうと考え予想から外しました。三浦貴にしろ十川孝富にしろ可能性がある理由は上記2人の理由にだいたい準じると思っていただければ結構です。
○タイプのかぶる選手について
ここに準じる選手が今年一番きられる可能性が高いと思われます。なぜならば今年のトレードで木村拓也・小関竜也・古城茂幸選手らが入団したことで同じようなタイプが増加しているということです。
川中基嗣は木村拓也に奪われた感があります。内外野どこでも守れるベンチに一人は置いておきたいタイプとして05年の川中基嗣は6月の登録以来1軍でそのポジションを確立していましたが今年は完全に奪われています。入団年度は大きく違うものの高卒で入団した木村拓也と社会人経由の川中基嗣は年齢としては木村が34歳、川中が33歳と1歳しか違わず、既にベテランともいえるような年齢となっています。その点においても川中基嗣は「出場機会の得られないベテラン」としても該当する可能性があり、非常に厳しい立場にいる気がします。
現在両打ちに挑戦するなど、なんとか活路を見出そうとされている川中基嗣ですが、彼も90年代後半の巨人のFA野手優先政策が壁となって旬をすぎてしまった気がします。
黒田哲史は古城茂幸に奪われた感があります。今年の巨人では3塁手の小久保裕紀の負担軽減のために勝ち試合を中心に後半に守備固めの選手をいれる事をルーティンとしています。シーズン当初はこの枠を黒田哲史が担いましたがこの間あまり良い結果を出せませんでした。6月中旬に古城茂幸が入ったところ、少なくとも黒田哲史よりは良い成績を残して1軍に定着し現在まで1軍登録が続いています。黒田哲史は04年が53打数で0.170、05年が43打数で0.209ですが今年の古城茂幸は9月14日現在で48打数で0.333の成績を残しています。
できれば1年の競合で見極めずもう1年かけて二人のどちらかを見極めたいところですが、黒田が31歳、古城が30歳とベテランの域にさしかかっており、守備固めという重要性の低いポジションの見極めのために中堅の2名を確保して見極めるほどチームとしての余裕はないかと思われます、それぐらいなら若手を1人でも多く入れたいでしょう。今年の時点で判断を下されるのであれば黒田哲史の不利は否めません。
原俊介は捕手登録ですが1軍でも2軍でも実際は1塁手として出場しています。にも関わらず捕手登録のままなのは緊急時に捕手もできる原がいれば、ベンチ入りを捕手3人制にしても事実上は野手扱いの原を1人加えることで控え選手に余裕ができるというメリットからでしょう。特にこの恩恵が大きく受けられるのは原をDHで起用した場合です(2人の捕手が退場した後でもDH解除→捕手起用、が可能であるため)。しかしながら今年の交流戦で原はDHとして起用されましたが、DHを中心に起用されたにもかかわらず、(打席数は少ないものの)19打数3安打と機会を生かすことができませんでした。
また捕手起用のテストとして6月9日のロッテ戦8回裏の1イニングのみ起用されましたがここでも無死1・2塁から犠打失策をおこすなど捕手としての起用はもう難しいことをさらけ出します。原俊介の名誉のために付け加えればこれは別に原に問題があるのではなくもう何年も捕手としてやっていない選手がいきなり1軍レベルの捕手活動ができるわけないだけであり、チームとしての見識の問題ですが。それはともかくとしてこれで原俊介は「捕手もできる野手」という優位性を事実上失ったと思われます。
また梅田浩が先日練習試合ではありますが1塁手として出場していました。彼は大学時代は途中から外野手をしていたこともあり、原俊介のように半野手半捕手も可能な選手だといえます。個人的にはあまりこのような選手に負担のかかる形は良くないとは思いますが、出場機会を少しでも得させようという観点からすればしょうがないのかもしれません。ちなみに梅田浩の1塁手はすごいぎこちなかったです。
捕手起用も可能という優位性を失い、単純に1塁手として限ってみればイースタン本塁打王経験もある上に彼より若い吉川元浩に比べれは不利は否めません、1軍降格後も捕手として2軍で出場する機会はなくそのメリットを再獲得するチャンスも得られていません。原監督と同じ高校出身ということもあり、贔屓されていると言われる原俊介ですが実際の起用を見るとそうとは言えない現実が見えています。
○出場機会が得られないベテラン
本来ならばベテラン選手であっても、野手層が手薄なこともあり今年切られる可能性は比較的低いと考えていました。
しかしながら前述のように投手と野手のバランスで今年は野手が多いかも知れません。そうなってくると層の薄いところで若手・中堅を切るのはますます首を絞めるだけですのでベテランを切る可能性が出てくると思います。
大西崇之についてですがイースタンでは代打を中心に出場し、53打数ながら0.407と高い成績を残しています。にもかかわらず1軍からはいっこうに声がかかりません。十川雄二のところで書いたように外野手は内野手に比べれば駒がそろっていることが影響していると思われます。そして2軍でやっているような代打屋としての地位を1軍で築くには正直なところ長打力の部分で役不足は否めません。今年FA権利取得と思われますが、現実的には巨人でFA宣言なしの再契約もFA再契約も難しいのではないでしょうか。
堀田一郎といえば90年代後半の巨人2軍飼い殺し選手を代表するような選手でアンチを中心に「他球団ならばレギュラー」と言われ続けていました。そんな彼も04年は50打数で.260、05年は64打数で.250と結果を残せませんでした。イースタンの成績もかんがみるとその選手としての「旬」は02〜04年ごろだったのでしょう。残念ながら何度も書いているように若手・中堅に有望株が生まれている外野手陣のなかでは今年32歳と大西崇之・木村拓也・清水隆行に続いてベテランの年齢になりつつある堀田一郎に1軍での出場機会を与えるだけの余裕は今の巨人にはないでしょう。
正直イースタンの通算成績を見る限り「他球団ならレギュラー」と言い切れるかは微妙ですが少なくとも他球団ならば1・2シーズンは1軍で出場チャンスを与えられるような選手であったのは間違いないでしょう。レフトに無理矢理1塁手をまわしたり、外国人を回したりせずに彼を活用してほしかったものです。
仁志敏久に関しては今年1年ダメなだけですが、放出もあるのではないかということで穴であげてみました。実力は言うまでもなく折り紙つきの選手ですがいかんせん、チームとの相性が悪いです。首脳陣とのではなく。
先日2軍での試合を観戦する機会があったのですが個人的に非常に気になることがありました、当時の観戦記を長いですが関係部分だけ抜粋して転載します。試合は8月31日のロッテ戦です。
http://www.giants-venus.net/eastern/8-31.html
9回裏にミラーが登板、いきなりトップバッターへの一球目におもいっきりデッドボール。
そして1番に戻ってこの試合途中交代も無くずっと1番で出続けている仁志敏久。
再度確認しますが9回裏、4-5の1点差(追記:どうしても1点差を追いつけなかったのを8回裏に追いついたが9回表にソロを打たれ勝ち越されていた状況)、無死1塁、投手は変わったばかりで死球を1球投げただけの投手。
ここで仁志敏久は引っ張るバッティングを続けて、最終的にショートゴロ併殺打。絶対にやってはならないことが一つだけあったのにその一つをやってくれました。
1点差で無死1塁でバントさせないというのは強打者の証拠でありそれは首脳陣の判断ですから仁志敏久の問題ではない。しかしそうであっても右打ち、進塁打に徹するのが打者としてのつとめです。例外としては長打率が高く本人一人がヒットを打つだけで1塁から走者が帰ってこれる可能性が十分ある場合だけです。
逆に言えば仁志敏久は自分はそういう打者であると自認しているためにそのような打撃を2軍であっても繰り返し続けているのだと私は感じます。仁志敏久本人がそういう打者でありたいと思うのであれば、それはそれでいいとおもいます。ただそういう打者として彼の数値を評価するならばもっと長打率が必要だし本塁打数が必要、正直なところ1軍レベルでは到底ありません。
私は彼はまずアベレージヒッタータイプとしての能力がせめて平均はあった上ではじめて、長打力や思い切りのよさがプラスアルファとして大きく評価されるものだと思います。
アベレージは低いけど長打力や思い切りのよさがありますよって言うのならば、最初っからスラッガータイプを使用すれば良いだけです。アベレージタイプよりはアベレージが悪い、スラッガーよりは長打力が無い、そんな中途半端な存在になっているのが仁志敏久の現状だと思います
セカンドというポジションで考えた場合、1軍では脇谷亮太が台頭し、来シーズンは彼を中心に据えていくことになるでしょう。しかしながら脇谷も2年目で研究され来シーズンはそうそう打てないことは目に見えています。
もちろんそれは脇谷の成長に必要なワンステップなので別にいいのですが、そのときに脇谷にそれを乗り越えなければレギュラーにはなれないのだということを示すためにも、彼を脅かし・調子が悪いときには変わりにスタメンを奪えるような2番手セカンド(=バックアップ)が必要です。
こういうときその役を務めるのはたいていそれまでレギュラーだった選手、今の巨人ならば仁志敏久になります。しかしながら現在の仁志敏久では上記のように打者のタイプとしてなりえないのです。
脇谷が1・2番タイプである以上そのバックアップが入ったとしても同じように1・2番に入ることが望ましいです、あくまで将来は脇谷なのですからバックアップはあまり打線全体が崩れてしまうような選手では長期的な打線の見込みや全体のバランスを崩すことになってしまいます。
つまり選手交代で打線の組換えが必要であるならば彼を脅かすという立場としてそれだけでデメリットになります。
今の巨人には脇谷と同じようなタイプとしてFA取得するもののベテランの小坂誠、中堅の十川孝富、若手の長田昌浩とおりますので彼ら3人をうまく活用すれば十分「バックアップ」は勤まるのではないかと思いますし、十川孝富・長田昌浩あたりがバックアップを勤めるほうが年齢的に見ても長期的な観点からチームを考えれば望ましいのは間違いありません。
翻って仁志敏久ですが、その点において思いっきり当てはまりません。やっぱり彼自身が求めている自分の姿というものが1・2番、少なくともチームが求めている1・2番の姿と合っていないでしょう。このあたりが最初に書いた「チームとの相性」の悪さです。これがあるからこそ首脳陣に使いにくい選手として思われるのであり、首脳陣との相性の悪さは先に来るものではないと思われます。
実力としてはまだまだ1軍でも活躍できると思いますがいかんせん、チームの方針と選手個性が非常にミスマッチしています。私としては無理に巨人で飼い殺ししたりせず、他球団でもう一花咲かせてくれるほうが彼のためではないかと思います。
彼の野球に取り組む姿勢はすばらしいですし、ファンに対する対応も非常にすばらしいものがあります、これでもう少し協調性があるのであれば将来の幹部候補としても見込みがあるのですが、現状ではなかなか厳しいのではないかと思います。
○捕手について
捕手に関しては野手陣の中でも枠が独立して存在し、毎年の傾向として数人ずつの入れ替えはなされるのでほぼ間違いなく誰かは放出されると思います。一番可能性が高いのが原俊介だと思うので特にあげませんでしたが、原俊介以外に1名追加される可能性もあると思います。 その1名の追加としては以下の可能性があると思います。
予想1
まずみんな残していたい場合に佐藤弘祐を去年の横川のように育成選手に格下げする方法が1つ。そのまま自由契約は考えにくい。
ただ個人的にはこの選択が一番最悪だと思う。横川・平岡のこともあり高校生下位指名→4年以内に育成選手というのが巨人のやり方だという認識が広がってしまい、ドラフトにも悪影響を与えるだろう。
この1軍→育成は本来ならば各球団積極的に行うことでプロ球界の底辺拡大にもつながるよい手段ではあると思うが、現実として巨人しかやっていない状況では見た目が悪いことは確かだ。
予想2
思い切って村田善則を切る。ただこうなるとベテランがまったくいなくなってしまうのでこれは時期尚早であると思う。ただ可能性としてはなくもないのであげておく。
予想3
實松一成を切る。巨人は外様には思い切るからなぁ。。。そうでなくても評価の難しい選手だし。個人的には好きだけどね伝説のスラガガー
予想4
梅田浩のコンバート。入団1年目で切るはずも無いので放出はないと思うが大学時代は外野手もやっていた選手。もともと巨人の右の野手は手薄であることもあり、コンバートしたほうが日の目を見るのではないかという想定も出来る。
ただ本人も捕手にモチベーションがあるようだしたった1年で何が確認できるのかと思われても仕方がない。下手すれば本人のモチベーション低下にもつながるので1年目から使うのはちょっと禁じ手か。
だが右の野手として計算することじたいは面白いと思う。
とまぁ、星孝典、加藤健以外はほぼ全て可能性があるんじゃないかなぁと思うので予想になってません。
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- 事務局に通報しました。
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