★道具のせいにしちゃいかん〜後編〜★

  • 鷹乃廉
    2009年06月14日 23:10 visibility134

★あらすじ★
天子さんに案内してもらった。
目的地着いた。
買った。
(あらすじ終わり)
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時間は・・・まだ少しある。
用意するまで15分程かかららしいので暫く辺りを再散策することにした。

何やら雑音が聞こえてくる方向へ足を向けると、そこには小さいながらも遊技場があった。
時間は少しあるのでここで遊びながら時間をつぶすのも良いと思い、早速懐から硬貨を取り出すと1台の機械に投入した。
すると機械上部から銀玉が雨あられの様に降ってくるではないか。

脇の数字が段々に増え百十を超えたところで止まると、今度は規則的に数字が減りだした。どうやら降り注ぐ銀玉の数に関連しているらしい。だが、よくわからない。

しばらくすると機械内のドラムが回転しだした。どうやら三つの数字を揃える遊戯らしい。私の力で止めることはできないので完全に運否天賦である。
しばらく続けていた。すると、 
『押せ!』
と機体に文字が浮かび出た。
どうやら機体外に取り付けられたボタンを押させたいらしい。しかし、人に指図されるならともかく、機械にまで指図される云われは無い。
「だが、断る!」
と強く言い放つと、画面内の人物たちが悲しそうに去っていった。例え遊戯の一環だとしても、見知らぬ他人にいきなり命令するとは無礼千万。身の程をわきまえるべきだ。

突然、銀玉の雨が止んだ。脇に表示されていた数字も今は零を示している。どうやら終わりらしい。
往々にして、物事とは終った頃にようやくその楽しさを理解知り得る。
予定の刻限が迫る中、先の場所へ戻った。

品は綺麗な紙に包まれ、持ち運びしやすいように丁寧に袋までついている。私はそこの主人に礼を述べると足早に魔窟をあとにした。
時刻は正午丁度。この後、私は教壇に立ち学徒へ様々な知識を伝授しなければならないからである。予定通り事を運べてほっとしている。

帰路につく途中、「玩具恐竜」という和名の商店に立ち寄った。そこにはなんと捕手用の厚手皮手袋が四千円で販売されていた。何と言う破格であるか。本職の野球選手ならばこのような安価な物を用いても一流の結果を残すのだろうと思うと、道具ばかりを気にして技術を磨くことをおろそかにしている自分を恥じる。


グラブを磨き終わったなら次は自分自身を磨こう


グリコのおまけは好きですか・・・?

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