
★走者のルール〜part5〜★
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鷹乃廉
2009年06月03日 11:47 visibility276
第9回
★走者のルール〜part5〜★です。
今回はオブストラクション(走塁妨害)についてです。
走者に対する守備側の走塁妨害(オブストラクション)は、次にあげるふたつのケースがあります。各ケースによってそれぞれ判定も異なりますので注意しておきましょう。
1:走塁を妨げられたランナーに対してプレーが直接行われている場合、または打者走者が一塁に触れる前に走塁を妨害された場合
2:走塁を妨げられたランナーに対してプレーが行われていなかった場合
�のケースは、走者1塁で牽制球に誘い出された走者が、一塁と二塁の間で挟まれている状態(ランダウンプレイ)の時に、ボールを持たない守備側の野手に接触し走塁を妨害されたような場合。
このケースでは、妨害があった時点で審判員がタイムをかけてボールデッドとなり走者には少なくとも1個の塁が安全に与えられます。ここで走塁妨害の他に暴投などもあり、もし妨害がなければさらに先の塁へ進めたと審判員が判断すれば、1個以上の進塁が認められます。
他の走者については走塁妨害があった瞬間にボールデッドとなり、それ以上進塁ことはできませんが、後位の走者に押し出される形になる場合には、同様に安全進塁権が与えられます。
�のケースは、走者2塁から打者が二塁打を打ち、二塁へ進む途中で守備側の1塁手に邪魔されたものの、外野手がバックホームをした場合など、妨害された走者に対してプレイがされていない場合です。
このケースでは、審判員は走塁妨害を指摘(シグナル)しますがボールデッドとはせず、プレイを流します。そして、プレイが全て終了してからタイムをかけて処置を決めます。審判員の判断によって、妨害がなければどこまで進むことができたかを判断して進塁を決定します。
なので当然「進塁はできなかった」と判断されれば安全進塁権は与えられません。
同様のケースで、外野に打球を打った打者走者が、一塁手に走塁を妨害されながらも果敢に二塁に進塁しようとし(この時点では審判は妨害のシグナルを出しますがプレイは流します)、結果二塁でタッチアウトになったとします。
全てのプレイが終った後に審判の裁量によってどこまで進塁できるか判断されるのですが、この場合には、「妨害がなければ二塁まで進塁できた」と判断されればタッチアウトは取り消しされ、走者に二塁の占有を許します。
もし「妨害がなくとも二塁への進塁は不可能だった(無謀な走塁だった)」と判断されれば、タッチアウトは有効で、走塁妨害は適用されません。
特に走塁を妨げられた走者に対してプレイが行われていない場合は、その場でプレイをやめるのではなくて、なるべく通常通りのプレイをすることが重要です。
最後に捕手に関してです。捕手のブロック行為は時によって走塁妨害を取られることがあります。この場合は�のケース(走者に対してプレイが行われている)なので、もし走塁妨害だとすればボールデッドとなり1個の塁が与えられます。(得点が与えられる)
これについては規則に詳しく書かれているので転載します。
公認野球規則 7.06 【付記】
捕手はボールを持たないで、得点しようとしている走者の進路をふさぐ権利はない。塁線(ベースライン)は走者の走路であるから、捕手は、まさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接捕手に向かってきており、しかも充分近くにきていて、捕手がこれを受け止めるにふさわしい位置をしめなければならなくなったときか、すでにボールを持っているときだけしか、塁線上に位置することができない。この規定に違反したとみなされる捕手に対しては、審判員は必ずオブストラクションを宣告しなければならない。
高校野球では本塁周辺のプレイによる怪我を防ぐ目的でより厳格に規定されています。草野球大会などでは採用されている場合も多いので、参考までに高校野球特別規則(ローカルルール)も転載しておきます。
規則7・06(a)【付記】(捕手のブロック)の適用について、高校野球では捕手は、『ボールを保持しているときしか塁線上に位置することはできない』こととする。
〔規則適用上の解釈〕
走塁妨害を適用するのは、『あくまで捕手のその行為がなければ当然本塁に到達できた』と判断できる場合である。
捕手のその行為が走塁妨害にもかかわらず、瞬間的に「アウト」のコールをした場合でも、改めて「オブストラクション」の宣告をしなおす。
走塁妨害適用外であってもそのような行為があった場合は、試合を停止したうえ、捕手に対して厳重に注意すること。
ボールを保持する前の捕手の立つ位置は次の通りとする。
ホームベースの中央より右側に立ち、ベースの左半分を走者に見えるようにすること。
また、捕手がホームベースより後方に位置するときでも、ホームベースと三・本間のラインが重なる三塁よりの接点(別図b点――b′)から前方に出てはいけない
捕球してからの動き
ボールを保持しているときは塁線上に移動してタッグをしてもよい。
今回は走塁妨害についてでした。次回は★走者のルール〜part6〜★(守備妨害)の予定です。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。ここでは走者に必要な技術や知識について扱いたいと思います。御意見・御要望がありましたら、お気軽にコメントやメッセージをお書き下さい。
可能な範囲で最大限期待に添えるようにしたいと思います。
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