栄冠はイタリアに

  • レキ
    2006年07月10日 22:34 visibility170


国歌斉唱から気合の入るイタリア代表。
対照的に達観したような、祈るような表情をした選手の多いフランス代表。

 

実際は触れているかも微妙なマテッラツィのマルーダへの守備がファウルとみなされPK。イタリアは少々不運か。

 

PK。ジダンが浮かすようなシュートをバーに当てながらも先制点を決める。

 

フランスは今大会得意な、自陣をコンパクトに相手のパスコースをけすようなプレスをかける戦い方へ。

 

CKから先ほどのミスを取り戻すマテラッツィのヘディングが決まり同点。マテラッツィとヴィエラ、大型選手同士の競り合いはミスを取り戻そうと躍起だったマテラッツィに軍配が上がった。

 

同点になるとラインを高く押し上げてコンパクトに攻めの体制を取るフランス。

試合巧者ぶりが見て取れた。

 

両チーム、リスクを冒さない一進一退の攻防が続き、1‐1のまま前半終了。

 

ややフランス攻勢の中、ヴィエラが足を痛めてピッチを退く。
これでイタリアが攻め上がりやすくなるかとも思えたが、フランスのチームとしての守備は甘くなかった。

 

このゲームで機能していなかったトッティそれとペロッタが、イアキンタとデロッシと交代。イタリア後半15分にして残り交代カード1枚。

 

一瞬でも気を抜いたら失点に結びつくような、緊迫したこう着状態が続く。
決勝戦にふさわしい緊迫感が漂う。

 

フランスが優勢に試合を進める。イタリアはトニを残して全員下がる場面が続く。

守勢に回ってはいたが、そのことにあせりは感じさせないイタリア。


なかでも、特筆すべきはカンナバーロのディフェンス。的確な読みと身体の強さ、そして攻め込んできた相手とボールをどこまでも追いかける運動量。彼がいなければこの大会イタリアのこれだけの堅い守備はありえなかっただろう。

 

フランスは後半ミドルを数多く打ってくるが、精度を欠いていてブッフォンをひやりとさせるシュートはなかった。

 

残り5分、切り札としてデルピエロがピッチに入る。背水の陣を敷いたリッピ監督。

 

90分間の終了するころには攻勢でありながらも、フランスの選手はかなり足が止まってきていた。

 

延長戦へ。会場にはケセラセラが流れる。どうにかなるのはどちらのチームになるのだろうか。

 

リベリは決定的なチャンスを迎えるが、シュートは枠をわずかに外れた。イタリアは命拾いの場面。
その直後リベリに代わってトレゼゲ。この交代は攻撃面でプラスになったのだろうか。結果論ではなく、生で観ている時に首をひねってしまった。

 

イタリアは延長戦でも長くまともな攻撃のできない時間が続く。

 

ジダンの強烈なヘディングもブッフォンがしっかりとかき出す。

 

足を釣ったアンリに代えてウィルトール。この交代はフランスに痛かっただろうが仕方がない。
両チーム交代カードを使い切る。

 

この先何度も映像で流されるであろうシーンが生まれてしまった。
ラストゲームでどうしたジダン。マテラッツィの胸に頭突きで1発レッドの退場。醜いプレー。小競り合いと何か言い合いはあったようだが、何が何でも自制すべきだった。現役最後、しかもワールドカップ決勝という舞台であのような退場というのはあってはならないし、寂しくもあり、腹立たしくもあった。
ジダンはロッカールームへ下がるとき、ワールドカップへ目をやることはなかった。このとき同時にフランスからワールドカップがすり抜けたのかもしれない。

 

イタリアは攻め上がろうとしてもラストのパスがつながらず、効果的な攻撃はできなかった。

 

120分間でも決着つかず。PK戦へ。

 

バルテズ、ブッフォン共にPKを得意とするGKではないのを象徴するよう進む。両チーム通じてトレゼゲのみ外しPK5−3で決着がついた。

 

アメリカ大会決勝のブラジル戦、延長、PKでR.バッジョがはずして負けた借りをイタリアはここでやっと返すことができた。

なぜか下馬評ではあまり評価が高くなかったイタリアだが、代表に選ばれた23人を見れば1人1人の能力も高く他のチームより層も厚い。リッピ監督の戦術も完璧といっていいものだった。大会を通して見れば順当な優勝といっていいだろう。

 

イタリア代表キャプテン、カンナバーロがワールドカップをつかみ、白い紙ふぶきで競技場を一杯にしながら2006年の大会は幕を閉じた。

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