巨人D3位 田中太一プロ初登板 全投球アップ
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舎人
2011年06月07日 07:06 visibility2457
昨日に引き続いて日曜日の試合で登板した高卒ルーキーたちの投球を紹介します。今日は二番手で登板した田中についてです。
真面目さが言動から伝わってくる宮國に対し、田中は少しひょうきんキャラなのか、プロ入り後の目標として女子アナと結婚するなんて話しています。出身の大分県の先輩内川に憧れてとのことですが、これは3位入団の必死のアピールかもしれません。プレーはさておき、ムードメーカーになってくれる予感がします。
先発をした宮國に対し、二番手で登板した田中は球威においては宮國を凌駕していました。MAXは145キロを6度記録、平均球速でも142〜143キロといった感じです。球速だけで言ったら、東野のルーキー時をはるかに上回るものです。ここ5年間(2006年ドラフト以降)で巨人に入団した高卒投手の中でルーキー時に145キロ以上記録した投手はあまりいません。わずかに大田と同期で入団した杉山くらいだと思います。球威だけなら十分注目されるべき投手だと思います。
登板した三回は先頭バッターのバットを粉砕しゴロに打ち取ったつもりが、サードベースに当たって外野に抜ける不運なヒットを打たれます。すると続くバッターのバットも粉々にしました。しかし、これもライト前ヒットになってしまうのです。さらに、サードへの犠打の処理を大田がもたつき無死満塁にしてしまいます。1つとして完璧な当たりはなかったのに、プロ初登板で無死満塁のピンチとは何とも可哀想なルーキーです。ここから踏ん張れず田中は3本のタイムリーを打たれ4失点してしまいました。緊張から十分なパフォーマンスを発揮する事ができなかったのではないかと思います。田中は続く四回も先頭バッターにヒットを許します。盗塁に自らの暴投も重なり、この回も1失点でした。この日打たれたヒットは7本なのですが、球威の割に相手バッターが苦もなく合わせてきているのをみると、どうも、球の出所が見やすい投球フォームなのかもしれません。
しかし、ピンチに動揺して制球を乱し相手に四球を与えなかったことだけは良かったと思いました。四隅を突くコントロールはまだないものの、困った時でも最低限の制球はできるようです。
スリークオーターから威力のあるストレートと自ら“太一ボール”と名付けたスラーブが武器のようです。しかし、その“太一ボール”も威力の割に打ち返されるストレートと同様に、簡単に打ち返されていました。決してキレが悪いわけではないのに、なぜ打たれるのか気になるところです。本当の“太一ボール”は別のものなのかもしれません。
田中太一 プロ初登板 2011年6月5日 ←New
二回を1安打無失点に抑えた宮國に対し、二回を7安打5失点と打ち込まれ、田中の初登板はほろ苦いものになってしまいました。しかし、球威も変化球のキレも良かったのに打ち込まれたということは却って問題点があぶりだされて良かったかもしれません。この初登板は次につながるものだったと私は思います。
宮國が一級品の宝石だとすれば、田中は原石と言っていい状態の投手だと思います。しかし、加工した後か前かの違いはあるにせよ、二人の天分に大きな差はない気がします。むしろ、スケールの大きさでは将来宮國を上回るかもしれない。そういった才能に溢れた投手が同期として間近にいることは最高の環境だと思います。お互い切磋琢磨して球界を代表する投手になって欲しいと思います。
成瀬のことは他のものと一緒に金曜日の夜に話しますね。
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