一軍に戻ってきた新時代のON 大田の一軍初本塁打!

  • 舎人
    2012年09月24日 07:41 visibility1591











































ファームの試合を見に平塚まで行っている時に、優勝から一夜明けたの東京ドームでは大田と中井がスタメンに戻っていました。大田も中井も胴上げには参加したものの、ビール掛けには参加せず、翌日の試合に備えていたそうでした。2人とも9月に入ってからの昇格後、結果を出していましたが、枠の関係でファームに落ちていたのでした。これからCSに向けて戦力として使えるかどうかを再チェックするため、再びチャンスを与えられたのでしょう。そして、土曜日の試合では中井がヒット1本と盗塁1つ、大田がヒット2本を打ちました。これは先発が一流のサウスポー石川からのものだったのですから、2人とも大きな自信になったことでしょう。

中井のヒットは第一打席でした。外角のストレートを合わせたのか、ファール狙いで払っただけなのか、そんなに強くないゴロがファーストベース付近まで来ると、それを野口が弾いてしまったのでした。さらに石川のベースカバーが遅れ、その間に中井がファーストベースを駆け抜け内野安打になったのです。限りなくエラーに近いヒットだったと思います。大田の第一打席は渋とく外角球を見極め四球で出塁、何でもかんでも手を出していた頃の大田とは違います。コーチから伝授された石川対策が、しっかりと頭の中にインプットされていたのでしょう。

第二打席の中井は真ん中のスライダーをセンターライナー。上がり過ぎてアウトにこそなりましたが、この日一番内容のあるバッティングだったと思います。大田は低めのスライダーを上手く拾って右中間へ技ありの二塁打でした。決して簡単な球ではありませんでした。良く石川の球が見えている感じでした。

第三打席の中井はやや低めのストレート系の球に力ないショートゴロ。大田は初球とてつもない飛距離の大ファールを放ちました。僅か数メートル、ポールの外側だったものの、三階席まで届く、推定160メートル弾でした。これに石川は驚いたのかボール先行、カウントを3-1としてしまいます。そこへ外角にやや甘くなったスライダーが来た所を大田は上手く引っ掛けて三遊間へ転がしました。ショートの送球よりも大田の足が優り、内野安打となったのでした。

第四打席になると投手が石川から右の押本に代わり、中井には代打が送られました。大田はそのまま打席に入ったものの、タイミングを外され、力ない投ゴロに倒れていました。

第五打席は投手が山本哲に代わっていました。ランナーが一塁の場面で、右を意識した打撃だったものの、運悪く併殺におあつらえ向きな強めのゴロを放ってしまい、あえなくセカンドゴロ併殺打に終わっていました。しかし、この日、山本という投手に対戦しておいた事が実は次の試合繋がったのでした。


平成24年9年22日(土) 対ヤクルト戦(in東京ドーム) 

スタメン 
六番サード中井、七番センター大田 

二回裏、投手石川 
ニ死走者なし 
中井:カウント2-2からファースト強襲内野安打(134キロS、111キロSw、124キロB、124キロB、135キロF、123キロF、外角135キロ) 
ニ死一塁 
大田の打席で中井がニ盗 
ニ死二塁 
大田:フルカウントから四球(132キロB、121キロSw、119キロSw、121キロB、122キロB、121キロF、アウトロー123キロ) 

四回裏、投手石川 
一死一塁 
中井:初球センターライナー(真ん中120キロ) 
ニ死一塁 
大田:カウント1-2から右中間二塁打(126キロB、120キロSw、130キロS、低め127キロ) 

六回裏、投手石川 
一死走者なし 
中井:カウント2-0からショートゴロ(130キロB、109キロB、低め131キロ) 
ニ死走者なし 
大田:カウント3-1からショート内野安打(132キロF超特大!、131キロB、128キロB、120キロB、アウトロー121キロ) 

八回裏、投手押本 
※中井は代打松本哲を送られる 
無死二塁 
大田:カウント2-2から投ゴロ(135キロS、136キロS、136キロB、137キロB、外角128キロ) 

九回裏、投手山本哲 
一死一塁 
大田:カウント1-2からセカンドゴロ併殺打(126キロS、139キロS、140キロB、外角128キロ) 


中井打撃結果 3打数1安打1盗塁
大田打撃結果 4打数2安打1四球


中井短信 (モバイルG報知ニュース 9/22)
この日に出場選手登録され、先発出場。2回に一塁内野安打を放った。「内容も悪くない。チャンスをいただいたので、しっかりとアピールしたい」 

大田、CSの一塁は任せろ!160メートル大ファウル(スポーツ報知 2012年9月23日)
◆巨人3―9ヤクルト(22日・東京ドーム) 3年ぶりのリーグ優勝から一夜明けた巨人に、クライマックスシリーズ(CS)をにらんだ一塁手争いが勃発した。今後に向けて「一塁がウイークポイント」と原監督が話す中、昇格即7番スタメンの大田が2安打1四球と気を吐いた。6回には左翼ポールのわずかに左へ超特大ファウルを打つなどインパクト十分。大田がポストシーズン試合のキーマンになる!?
 打球音、飛距離、歓声、どよめき、ため息…。全てが規格外だった。走り出した大田は、悔しそうに打席へ戻った。6回2死。石川の初球をとらえた打球は2階席まで飛び、わずかに左翼ポール左へそれた。待望の初アーチ、とはならなかったが、原監督は「距離は160メートルくらいはあったな」と目を丸くした。
この打席は遊撃内野安打で出塁。4回には右中間へ強烈な二塁打を放ち、マルチ安打とした。「ファウル? ああいう当たりが増えれば、投手に与える印象も違うと思う」。リーグ優勝の余韻が残る東京Dで、確かな存在感を示した。
 1日のDeNA戦(東京D)でプロ初の猛打賞と自己最多の3打点をたたき出した。岸川2軍打撃コーチはじめ、祝福のメールや電話が殺到。「うれしいけど、浮かれてる場合じゃない」。向けられていた期待を改めて実感した以上に、長らく期待を裏切ってきたことを痛感した。
 野手登録枠の都合で10日に2軍落ちしたが、気持ちは充実していた。橋上戦略コーチからは「読みながら打席に立つと楽しいだろ。そこを意識するんだぞ」と宿題を出された。カウント、コース、球種などバッテリー心理との戦いに課題を設定。2軍での12日間を「いい時間だった」と振り返った通りの打撃だった。
 チームは早くも次の戦いに向けて動き出した。出場機会のない高橋由と谷を抹消。一、三塁と中堅を守る大田、一、二、三塁を守る中井を1軍登録した。一時的に若手を試し、CSに向けた人材発掘に着手した。指揮官は「由伸、谷には時間を与えた。(体の)整備。一塁がウイークポイントであることに違いはない。可能性のある人をね」と説明した。一塁手は今季ここまで10人を起用するなど、固定できていない。短期決戦で誰を使うか、残り10試合で見極める。
 いきなり結果を出した大田だが、安心はできない。ライバルの亀井は8回に代打で登場し、左翼線二塁打。2軍には小笠原、エドガー、ボウカーも控える。原監督は「(大田は)いい感じでアピールした。チーム内の戦いがあるわけだからね。全力で戦っているよ」と高評価も、本人は「巨人は色々なポジションを守れる人がたくさんいる。生き残りたい」と引き締めた。大田がド派手なファウルをぶっ放し、アピール合戦でまずは一歩リードした。














































日曜日の試合は先発投手が右のロマンでした。中井はベンチでしたが、大田は昨日の勢いを評価され、この日もスタメンに抜擢されていました。すると大田はその期待に応え、マルチヒット、しかもついにプロ入り初本塁打を放ったのでした!

第一打席は内角に食い込んでくるストレート系に思わず手が出てしまい、バットの根っこで打ったどん詰まりのフライだったものの、ライト線にポトリと落ち、運の良いヒットになったのでした。

第二打席は一死満塁の先制のチャンスで打席が巡ってきました。しかし、初球のど真ん中のストレートを見逃してしまい動揺したのか、難しい球に手を出し空振り、最後はとんでもないボール球で空振り三振に終わっていました。解説の堀内さんはどういう訳だか大田にシビアで、この打席について、「立ち後れている」と評していました。「こういった打席で打てるかどうかで真価が問われる」と終始厳しいコメントを続けていました。

第三打席は前の打席の反省からか、ロマンの球をしっかりと見極め、四球を選んでいました。

第四打席は前の日にセカンドゴロに打ち取られた山本でした。ボールボールと続いた3球目の甘いスライダーをフルスイングすると、バットの芯に当たった打球は一直線で左中間スタンドに突き刺さりました。この統一球の時代になかなか見られない飛距離です。永久欠番の背番号のプレートが掲げてある柱に届くほどのもので、推定135メートルといった感じです。原監督はこの本塁打を往年の清原のようだとか、普通の人間のものではないと興奮気味に話していました。私は大田の飛距離は集客に繋がるものだと思います。松井の天井に届かんばかりの大飛球にどれだけのファンが興奮したか分かりません。その興奮を10年振りに思い出させてくれる一打だったと思います。


平成24年9年23日(日) 対ヤクルト戦(in東京ドーム) 

スタメン 
七番レフト大田 

二回裏、投手ロマン 
一死走者なし 
大田:カウント0-1からどん詰まりのファースト内野安打(142キロS、内角141キロ) 
松本哲の打席で大田が牽制死 

四回裏、投手ロマン 
一死満塁 
大田:カウント1-2から空振り三振(140キロS、131キロSw、129キロB、アウトロー128キロボール球スライダー) 

六回裏、投手ロマン 
一死走者なし 
大田:カウント3-1から四球(131キロS、142キロB、141キロB、129キロB、外角128キロ)

八回裏、投手山本哲 
一死走者なし 
大田:カウント2-0から左中間中段まで届く本塁打!!(127キロB、127キロB、真ん中やや外より129キロ) 

大田打撃結果 3打数2安打1四球1本塁打1三振
※中井の出場はなし


大田ヒーローインタビュー 
アナ:背番号55が10年ぶりにホームランを打ちました!プロ入り初ホームラン!大田泰示選手です! 
大田:(帽子を取って一礼) 
アナ:大田さん、その手にあのホームランの感触は残っていますか? 
大田:あー、あんまり芯に当たり過ぎて・・あんまり・・感触残ってなかったんですけど、すごく気持ち良かったです。 
アナ:それにしても、本当に大きなホームランでしたね。 
大田:そうですね。打って一生懸命走ってたんで、打球がどこに入ったとか見てなかったんで、とりあえず入ったなっていうのはありました。はい。 
アナ:左中間の一番深いところまで運びましたよ。 
大田:びっくりです。はい。 
アナ:プロ入り4年目の初ホームランです。改めてこのことに関してはいかがですか? 
大田:そうですね。あのーやっぱりホームランを期待されて入団してなかなか結果出なくて、まぁ、今年このような形でホームラン出せたことが本当に嬉しく思うんで、これがスタートだと思うんで、また、えー次の試合ホームラン打てるように頑張って行きたいと思います。 
アナ:今もそうですけれども、あのホームラン、スタンドインした瞬間の大歓声!覚えてますか? 
大田:そうですね。すごい球場が盛り上がって・・ちょっと鳥肌が、鳥肌が立ちました。 
アナ:それだけ大田選手にかけるそのホームランへの期待、大きいと思いますよ。 
大田:そうですね。それは重々感じているんで、あのこれから、たくさん打っていけるように頑張って行きたいと思います。 
アナ:東京ドーム場内、またホームランの映像が出たかと思います。改めて大田選手にとってホームランというものはどういうものですか? 
大田:そうですね。一瞬にして球場を沸かせられる、そういうプレーだと思うので、あー、どんどんホームラン打って、あのー、勝利に貢献したいと思います。 
アナ:一軍に上がってきて、また一打席一打席、大事な場面が回って来ると思います。その打席に向けてはどうでしょうか? 
大田:そうですね。まぁ、優勝チームに決まったんですけど、僕にとっては大切な一打席なんで本当に集中して一打席一打席入って行きたいと思います。
アナ:今日は初めてレフトのスタメンでした。ファーストもサードもセンターもいろんなポジションをこなしながら、この一軍の舞台で戦っていると思います。そのあたり含めていかがですか? 
大田:そうですね。あのー、やっぱりバッティングが売りなので、守備は守れればどこでもいいと思っているんで、そういった中でいろんなところが守れるっていうのは僕にとって強みなんで、また守備も、あのー、極めて行きたいなと思います。 
アナ:さぁ、これから優勝したジャイアンツは一戦一戦、また非常に大事な戦いが続いて行くと思います。ファンの皆さんもホームランも含めて大いに期待していると思います。これからのゲームに向けて一言お願いします。 
大田:まぁ、とにかく一生懸命やるだけなんで、あと結果を求めて、しっかりやって行きたいと思います。はい。 
アナ:またすごい当たりを期待しています。 
大田:ありがとうございます。 
アナ:プロ初ホームランを打ちました大田選手でした。 

原監督インタビュー 
アナ:大田にプロ初ホームランが出ましたね。 
原:ねぇー、まぁ、でも打った瞬間、えーあのー、ものすごい当たりでしたね。あのー、なんというか、往年の清原があそこら辺に打った打球をボクは覚えていますけれども、それに匹敵するぐらいのね、非常にあのー、何というか、私も何度か夢には見ましたが、あー現実的にね、打ってくれたというのは非常にあのー本人にとってもチームにとっても、まぁ私の中にとってもですね、まぁ非常に大きなホームランになると思いますね。 
(以下略) 

その後原監督談補足 
(大田のホームランについて記者団から聞かれて) 
「普通の人が打てるホームランじゃないよね。これを自分で認めた上で、アゴを締めて、これからやってもらいたい。やっとスタートしたな」

大田、お待たせプロ1号!140メートル弾に原監督「清原に匹敵」(スポーツ報知 2012年9月23日)
 ◆巨人2―0ヤクルト(23日・東京ドーム) ついに出た! 大田のプロ1号が飛び出した。4年目、71打席目での記念アーチは左中間最上段への特大弾。1―0の8回1死からの貴重な追加点になり、原監督も「往年の清原(の打球)に匹敵」とうなった。松井秀喜から継承した背番号55の活躍で、ヤクルト戦2年ぶりの勝ち越し。2002年以来10年ぶりのセ・リーグ全球団勝ち越しで、チームは“セ界制覇”を成し遂げた。
 打球の行方どころか、スタンドに入ったのかどうかも分からなかった。大田は放心状態でダイヤモンドを駆けめぐった。「あまりに芯に当たりすぎて感触が残っていないんです。1軍でホームランを打つというのは、球場の雰囲気や歓声など今までに経験したことのないものでした」。ついに71打席目で生まれたプロ初ホームラン。東京Dに巨人の55番が帰ってきた。
 1点リードの8回1死。高めの変化球に狙いを絞っていた。2ボールから高めに入った129キロのスライダーを強振。「本当に気持ちよかった」という打球は、グングン伸びて左中間スタンド最上段へ。推定140メートル弾に原監督も「往年の清原があそこら辺に打ったのを覚えていますが、それに匹敵する当たりだった。何度か夢には見たが、現実として打ってくれて本人にとっても、チームにとっても私にとっても大きなホームランになる」と手放しで喜んだ。
 必然の一発だった。前日(22日)の同カードの6回2死、左翼ポール際の2階席に160メートルはあろうかという大ファウルを放った。「いつか出てくれるだろうから、近いうちに必ず出るだろう」と予感から確信になっていた。だからこそ、試合前に大ファウルを1面で報じた本紙を見て「あれで1面じゃ、恥ずかしいです」と真顔で言った。期待の大きさに応えられていないのは、誰よりも分かっていた。
 野球人生で初めて経験した空白期間が、己を変えてくれた。5月5日のイースタン・リーグの日本ハム戦(G球場)で死球を受け、左太もも裏を肉離れ。全治は3週間だったが「小学生からけがらしいけがをしたことない」という22歳には大きなダメージだった。
 しかし、自分を見つめ直す機会になった。「今季ダメだったら野球をやめる覚悟でやる」と意気込みながら、打撃も、外野に転向した守備も、空回りしていることに気がついた。「けがでできない分、やれることをやろう」。寮の自室にこもって「あまりやってなかった」配球を、テレビを見ながら一人でぶつぶつと予想。面倒見のいい大田の部屋は、年下の選手が集まる“人気部屋”だが、あまりの真剣さに野球中継中はだれも近づかなくなった。足元から見つめ直した結果、求めていたものにたどり着いた。
 2002年10月10日のヤクルト戦(東京D)で、松井秀喜が50号を放って以来、10年ぶりに巨人の「55番」が見せた一発になった。「番号の重みはあります。松井さんみたいにはなれないけど自分なりの長距離打者のスタイルを作っていきたい」。アーチストの扉を開けた。ここが新しい55番のスタートだ。


9月最初の昇格後、2人とも一度ファームに落とされたのですが、それから今回の昇格までの間、どうも2人ともファームでは気が抜けたというかパッとしない感じでした。2人ともイースタンの試合に出て、6試合で大田が25打数5安打の打率.200、中井も24打数6安打で打率.250でした。それが一軍に昇格した途端、待ってましたとばかり、躍動感のあるプレーを見せてくれたのです。2人とも何が何でもファームには戻りたくない一心なのでしょう。

大田はアピール度十分の本塁打を放ち、CSへ向けて間違いなく抜擢されるでしょう。それに比べ中井はヒット1本打ったとはいえ、地味でアピールが届いていないと思います。土曜日の試合の守備でもエラーにこそならなかったものの、ゴロを横に弾く場面があったりして、村田との守備力の差を感じさせました。ドラフト1位入団の大田と、分離で行われた高校生ドラフト3位入団の中井では、周りからの期待の度合いが違うのです。大田と同じアピールをしても中井のものは同じように届かないでしょう。何割増でアピールをし続けて行くしかないと思います。飛距離では大田にはどうあがいても叶わないでしょう。それならば、大田を上回る確実性や勝負強さを中井には身につけて欲しいと思います。王さんと長嶋さんがそうであったように。

ともあれ、大田が「この本塁打はスタートです」といった通り、2人にとって全てがまだ始まったばかりです。頑張って競い合ってジャイアンツ新時代の象徴になって欲しい。向こう10年15年続くかもしれないこの2人の軌跡をこれからもしっかりと確認し続けたいと思います。

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