重信の最終戦の結果、神宮大会を戦った巨人ドラフト指名選手たちの総括

  • 舎人
    2015年11月20日 01:15 visibility936

神宮大会は昨日が最終戦でした。重信のいる早稲田大はこの試合に勝つと春と秋の六大学リーグ戦、6月の神宮大会(全国大学野球選手権)に加えて四冠を達成するとのこと。これは六大学史上初となる快挙だそうです。その価値がどれほど凄いのか私には今ひとつ分かりませんが、関係者は色めき立っているようです。重信には変なプレッシャーが無ければいいなと思いながら中継を見始めたのでした。 


 平成27年11月18日(水) 明治神宮大会 早稲田大対亜細亜大(神宮球場) 

一回裏、投手諏訪
重信:カウント2-2からセンターフライ(120キロB、118キロS、120キロB、131キロF、137キロF、139キロF、アウトロー132キロ、左中間の真ん中ながら板山ポジショシング良く余裕で追い付く) 

三回裏、投手諏訪
二死走者なし
重信:カウント2-2から空振り三振(125キロS、127キロB、124キロS、132キロB、外角132キロ) 

 五回裏、投手嘉陽
一死走者なし
重信:カウント1-1からセカンドゴロ(137キロB、134キロF、外角130キロ) 

八回裏、投手石塚
無死一塁
重信:カウント1-1からセンター前ヒット(128キロF、95キロB、インロー91キロ、腕をたたんで上手く打つ)
河原の打席で重信が二盗 

十回裏、投手石塚
一死走者なし 
重信:カウント1-2からセカンドゴロ(129キロSw、135キロF、136キロB、真ん中内より139キロ) 

一三回裏、投手石塚
重信:カウント3-1から四球(134キロB、126キロB、129キロB、131キロS、低め135キロ) 

重信出場成績
4打数1安打 1四球 1盗塁

この試合の重信は亜細亜大の左腕諏訪のキレの良い投球の前に苦戦を強いられていた感じでしたが、投手が右の石塚に代わると八回にヒットで出塁。このヒットはインローの非常に難しいコースの球を腕をたたんで見事にセンター前に打ち返したものでした。今年の立岡はバットコントロールに目覚ましい成長を遂げましたが、重信のこのヒットも見事なバットコントロールだと思いました。そして出塁するとすかさず盗塁を決めます。延長の一三回には四球で出塁すると、二番河原との間にエンドランが決まり、驚異的な加速でサードまで進塁していました。この日の重信は今ひとつ目立った活躍ができなかったのですが、少ないながらも存在をアピールしていたのでした。



しかし、チームの方は先制しながらも途中で追いつかれます。一三回には先ほど話した重信河原のエンドラン成功などで一死満塁のサヨナラのチャンスを得るのですが、後続がまさかの併殺!次の回には相手亜細亜大にミス絡みで勝ち越され、早稲田大はそのまま敗れ去ったのでした。一三回のサヨナラの場面、三塁ベース上にいた重信は、自分がどういった形でも良いから生還すれば、チームが優勝することが分かっていたのです。ほぼ優勝が目の前にぶら下がっていただけに、この結果はさぞかし残念だったことと思います。かくして重信の学生時代最後の試合はこのように残念な結果に終わったのでした。この悔しさはプロ入りしてから思う存分晴らしてくれたらと思います。




さて、この大会には重信の他にドラフト1位の立命館大桜井、7位の東海大の中川と三人の選手が出場していた訳ですが、改めて今大会の彼らの成績をまとめておきたいと思います。



桜井 2試合(1勝1敗 2完投内1完封)

  18回 球数242球 打者63人 被安打9 奪三振27 与四球2 与死球1 防御率1.00

重信  3試合
  13打席 11打数3安打 2四球 2盗塁 打率.273 出塁率.385


中川  1試合 (先発六回途中交代、勝ち負け無し)


  5.2/3回 球数球87 打者25人 被安打5 奪三振4 与四球3 与死球1 失点1 防御率1.59


みんな、まずまずの活躍をしてくれました。これが散々な出来だったとしたら巨人の編成やスカウトたちに対する批判は物凄いことになっていたことでしょう。

改めて触れますが、彼らは三人ともドラフト時の評価は決して高くなかった。しかし、ドラフトの直前に結果を出し、急激に評価を上げた選手たちなのです。



桜井 : 関西学生野球リーグ2015年秋季   6勝(無敗) 防御率1.12 MVP

重信 : 東京六大学野球リーグ2015年秋季     打率.432 首位打者 ベストナイン

中川 : 首都大学野球リーグ2015年秋季   5勝(1敗) 防御率.085 MVP


この結果が半年早かったら、評価や指名順位も大きく変わっていたことでしょう。また、彼ら三人に言えることは、今まで全国の舞台での実績が乏しかったのです。その点で今回の神宮大会は後追いながら評価を裏付ける格好の舞台になったのではないかと思います。



このように巨人のドラフトは前評判に左右されない指名だったということですが、考えてみるとこれは逆指名ドラフトが廃止されたから可能になったことと言えます。逆指名ドラフトがもしも続いていたら、春の段階で囲い込みをして逆指名に持って行こうとする。就活生と同じで囲い込みは年々早まり、三年生の段階である程度片を付けておくようなことが行われていたでしょう。すると桜井たちのような直近で力を付けてきた選手たちというのはスルーされていたと思うのです。

以前のドラフト制度を巨人は復活させたいと思っているのかもしれませんが、逆指名ドラフトはアマ球界のスター選手を計画的に手に入れることが可能になる反面、伸び悩みの選手を掴まされてしまうというデメリットもあるのだと思います。もっともアマ選手がこれだけメジャー志向の時代に巨人のようなポスティングに頑ななチームは逆指名してくれる選手の方が少ない気もしますね。

さぁ、ドラフト指名選手たちの試合が終わったことで、これでようやく私も本当のオフシーズンに入ることができます。やりかけの話を仕上げないとあっと言う間に師走になってしまいます。ドラフトのまとめはなんとか連休中に終えたいと思います。

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