☆ユニフォームの記憶~宇部商業~

 

夏の甲子園では数多くの劇的な結末があったが、これほど観客があっけにとられた試合はないだろう。

延長15回までもつれた1998年8月16日の宇部商業と豊田大谷戦は、「サヨナラボーク」で決着がついた。まさかの結末に甲子園は悲鳴とため息に包まれた。
2 - 2 で迎えた延長十五回無死満塁。1ボール2ストライクと追い込んだ宇部商業の小柄なサウスポー藤田は三振を取ろうと思った。内角に直球を投げようと思っていたところ、捕手の上本からもう一度サイン。投球モーションに入っていた藤田は動作をやめ、確認するように捕手の手元をのぞき込んだ。

直後、林球審が豊田大谷の三塁走者を手招く。藤田は頭が真っ白になった。ボークの判定だった。3時間52分に及んだ試合は史上初のサヨナラボークで終わった。

 

 

甲子園で数々のミラクルを起こした宇部商業も甲子園から10年以上遠ざかっている。

古豪復活に期待したい。

 

 

 

 

 

以上です。

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