
☆センバツ21世紀枠への道 〜第78回秋季関東地区高校野球茨城県大会観戦記 茨城高校VS下妻一高〜
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鶴丸 深志’
2025年10月05日 20:00 visibility56
私が師と仰ぐ篠山先生の「第30回全国高校野球選手権大会北関東2次予選の準決勝には茨城高校の名前がある。練習グランドは確か那珂川の河川敷だったかしら?」という記事に触発され、筆を執ることにした。
第78回秋季関東地区高校野球茨城県大会のベスト4に、偏差値69の私立進学校である茨城高校が69年ぶりに進出した。地元では「いばこー」の愛称で親しまれる名門中の名門で、水戸一、土浦一、江戸川学園取手に次ぐ難関校である。旧制の茨城中學時代は“球界の寝業師”こと根本陸夫氏が学んだことでも知られている。
ベスト4進出までには、全国屈指の強豪である常総学院、サッカーだけでなく野球の強化も図っており甲子園出場経験を持つ鹿島学園などを破っており、野球推薦のない文武両道の高校生たちが秋の茨城に旋風を巻き起こしている。
その茨城高校の準決勝の対戦相手を見てみると、何とびっくり、野球部創部120年を超える伝統を有する県西の文武両道の名門こと下妻一高ではないか。
両校とも21世紀枠にふさわしいチームだ。こんなチャンスは滅多にない。居ても立ってもいられず、準決勝が行われるひたちなか市民球場に向け、セカンドカーとして納車されたばかりのレクサスLBX“Elegant”を走らせた。
ひたちなか市といえば、4月中旬から5月上旬にかけて見頃を迎える、国営ひたち海浜公園のネモヒィラかしら?
茨城高校は茨城県水戸市に所在し、1927(昭和2年)に茨城中學校として創設された。さらにその起源は、水戸藩の藩校である弘道館まで遡るという。
野球部は1933年(昭和8年)に創部された。ユニフォームは純白、胸にはアルファベットで「IBARAKI」のマークである。
夏の全国大会予選には、1933年(昭和8年)の第19回大会予選(南関東大会)に初参加した。結果は、初戦で茨城師範に 7 - 8 で敗退となった。
夏の全国大会予選初勝利は、1934年(昭和9年)の第20回大会予選(南関東大会)で、水海道中(水海道一)に 5 - 1 で勝利した。
夏の予選通算成績は101勝92敗である。
春夏通じて甲子園出場はない。
(※1920年の第6回大会予選に「茨城中」と記載があるが、茨城中學創設前であり、茨城商の誤植か?と思ったりで真偽は不明)
一方の茨城県立下妻一高は茨城県下妻市に所在し、1897年(明治30年)に茨城縣尋常中學校(水戸一高)下妻分校として創設され、茨城県内の旧制中學では水戸一に次いで土浦一と並ぶ歴史と伝統を有する。
野球部は1902年(明治35年)に創部され、茨城県内では水戸一、土浦一、太田一、水海道一、水戸農に次いで、竜ヶ崎一と並ぶ歴史を有する。ユニフォームはアイボリーホワイト、胸には「S」の花文字マーク一文字である。
夏の全国大会予選には、1918年(大正7年)の第4回大会予選(関東大会)に初参加した。結果は、初戦の真岡中(真岡)に 7 - 5 で勝利し、予選初勝利を挙げた。続く準決勝は、竜ヶ崎中(竜ヶ崎一)に 1 - 7 で敗退となった。
夏の予選通算成績は137勝100敗、準優勝2回である。
春夏通じて甲子園出場はない。
試合の方は、4回裏に下妻一高がノーアウト満塁のチャンスをつくると、犠牲フライ、タイムリー二塁打、タイムリー内野安打、スクイズ、タイムリーヒットと打線がつながり、一挙6点を先制する。
茨城高校も、6回表にツーアウト二塁から、タイムリーヒット、タイムリー内野安打で2点を返す。さらに、7回表にはノーアウト満塁のチャンスに犠牲フライで1点を返し、3点差につめよる。しかし、後が続かず追加点を奪えなかった。
試合はそのまま、県立の進学校下妻一高が私立の進学校茨城高校に 6 - 3 で勝利し、秋季茨城大会では初の決勝進出と初の秋季関東大会出場の切符を手にした。
ところで、今日の試合会場は水戸市に隣接するひたちなか市民球場なので、スタンドは茨城高校がホーム、下妻一高がアウェイの雰囲気になるのでは?と思ったが、内野スタンドも一塁側は下妻一高の応援、三塁側は茨城高校の応援ときれいに分かれ、観客数もほぼ互角であった。特に印象に残ったのが下妻一高の応援団で、高校に併設されている附属中学の学ランを着た女子生徒たちが中心になって、球場全体に響きわたる大きな声で統率の取れた応援をしていた。お兄ちゃんたちの活躍はきっと一生の思い出になるでしょうね。(高校2年生の応援団は修学旅行で参加できなかったとの情報)
尚、第二試合は下妻二高が常磐大高に 7 - 3 で勝利し、決勝は「下妻ダービー」となった。
果たして、「下妻物語」のエンディングはどうなるのかしら?
以上です。
- 事務局に通報しました。
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