放浪記~上宮高校

  • 仲本
    2011年09月13日 23:10 visibility2161


近頃は甲子園にどんな校歌が流れても驚かなくなりましたが、20年ほど前まではどこも似たようなものでした。当地の自然にいだかれて健児が学んだり鍛えたりというやつです。

そんな中、大阪・上宮高校の校歌は異彩を放っていました。テレビ中継では校歌のイントロで作詞作曲誰それ、と表示されますが、普通に「作詩・法然上人」とか書いてあってまず度肝を抜かれるわけです。上人て。いつ誰がどこで昭和の世の学校の作詩を依頼したのかと。

えらくしみじみとした歌だなあと思って聞いていると、なにせ三十一文字ですからあっという間にすーっと終わってしまいます。勝利の報告に選手たちがスタンドに駆け出すのを見て、「ああ、終わったんか。なんやこれ」と気づくというなんとも不思議な歌でした。

大阪の繁華街「ミナミ」こと難波から近鉄電車で2駅東。上本町駅から南側に5分ほど歩くと上宮高校があります。所在地は「天王寺区上之宮町」。ここからさらにぐーっと南へ下ると聖徳太子が建立したと伝えられる四天王寺にたどり着きますが、このへん一帯は大阪の中でも特にお寺が多い地域です。

浄土宗の大阪支校として1890年創立。ほどなく今の校地に移転しました。正門はなかなか重厚なたたずまいです。重厚だけに暑いのか室外機がテンコ盛りになっていますが(笑)。

野球部は甲子園出場通算9回。そのうち実に8回が春の選抜で、優勝1回準優勝1回という暴れっぷり。ユニフォームは胸に大きく「上宮」、当時の大阪代表らしく、強打が看板のチームでした。

上宮といえばなんといっても元木・種田を擁した春の選抜大会、優勝まであとアウト一つと迫ったのですが…、この試合こそ後の「曲者・元木」の原点ではなかったか、と勝手に納得しています。

















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