読んでみた〜イタリアでうっかりプロ野球選手になっちゃいました
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仲本
2012年08月27日 21:04 visibility876
マエストリの完投勝利やらG.G.佐藤の電撃解雇やらで、にわかに注目が集まるイタリア野球。諸事情あって外出もままならないので今回は読書ネタです。
この本の著者・八木氏の本職はカメラマン。こういう職業は仕事のオファーが来なければ話になりません。もらった仕事は逃さないとばかりに働きに働いて、20代の後半、ついに身体が悲鳴を上げます。
これはさすがにマズイと思い、「ちょっと休むわ。むかし仕事で行った南イタリアあたりで…」と日本を飛び出したのですが。
夢の外国リセット休暇は甘いものではありませんでした。半分くらいあてにしていた日本の彼女はついてきてくれないし、そもそもそんなに言葉が話せるわけでもなかった。当然ながらモロによそ者扱い。悶々と過ごす彼が目にしたのは、当時開催されていたアテネ五輪の野球競技でした。
ナショナルチームがあるのなら、イタリアで野球やってる奴らがどっかにいるはずだ。草野球メインといえども約20年のキャリアを持つ彼は考えます。
「どこでもいい。野球チームを探そう」
ネットでなんとか探し当てた近所の町の「野球関係らしき事務所」に行ってみると、
「OK、じゃあ2日後に来てくれ。君をテストする」
はあ〜?、野球大国ニッポンで鳴らした(草だけど)俺に、たかだかイタリアの町のクラブチームがテストだとぉ〜?…、
まあ、タイトルでバレバレなんでこれ以上は書きませんが(笑)
リーグ戦はNPBのように週6日試合があるわけではなく、せいぜい週末の2日。選手たちには出場給が支払われますが、平日はちゃんとした正業についています。(なお、八木氏がプレーしたチームは1年目が1部リーグ、2年目が3部リーグ相当。)
当然仕事の都合で試合(特に遠征)には来られません、という選手もたくさんいて、最悪の場合は入団テストを受けただけの若造に「今から試合来れないか?」とマネージャーが電話するなんて一幕もあったりします(全部が全部そういうチームではないのでしょうが)。
日本人の感覚ではえーっ、となる部分も多々ありますが、全体として野球は「プレーする」ものだ、という雰囲気が伝わってきます。汗と涙と特訓がゲームの本質じゃねえよ、ということです。
味を占めた?八木氏はその後キューバ、リトアニアに渡って現地チームでプレーしたのだとか。さすがに現在は年齢面もあり、多摩川あたりに舞い戻っているそうです。
ちなみにイタリアで野球をやっているのはアメリカへ渡った移民の子弟で、自身もアメリカ留学経験があるような「いいとこの子」も多いのだとか。で、アメリカで成功するには移民同士助けあわなければならず、お父さんやお爺さんは「結社」に関わりのある人もいるとかいないとか…、
それって
(((゜д゜;)))。
教訓:
1.「海外に出るにはカメラマンが一番手っ取り早い」
2.「芸は身を助ける」
わたしのような腐れサラリーマンには到底縁のない話ですな…
(参考:『イタリアでうっかりプロ野球選手になっちゃいました』八木虎造/小学館/2007)
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